
53 一区切り
まだ生きているたまぞうです。
とりあえず、金曜日、ようやく被害届が受理されました。
犯人はおそらく捕まらないし、お金も戻ってこないでしょう。
そもそも、対応できないと言われた時点で、ぼくの中では完結していました。
だから警察から電話があった時は、驚きでした。
対応したのは、前回と同じ、暴対班係の人で、知能犯係ではなかったのだけど、そんな瑣末なことはもうどうでもいい心境でした。
しかし似たような詐欺事件は横行しているようで、被害届作成中に別の方から「伺いたいことがある」ということで、話を聞かれました。
そちらは約1000万の被害だそうです。
ぼくより多額の被害者が世の中にごまんといると納得すべきか、いやいや、自分より少ない人も多いのに、なぜここまでなるまで放置しておいたのかと責めるべきか、どちらが精神的にいいとも言えないし、もはや判らない。
しかしこれ以上、似たような被害に遭う人がいなくなればいいなぁと思いつつ、きっと今日も被害に遭っている誰かはいるのだと思うと虚しくなるのです。
しかしここで一区切り。
もうぼくの手でできることは、何もありません。
捕まらない、戻らない、そういうものに執着するのも、何か精神的にも、時間的にも、肉体的にも徒労な気がするのです。
そもそも何のために被害届にこだわったのかも、いまとなっては判らない。
泣き寝入りしていたほうが楽だったのではないかと思うこともあるのです。
警察の方の言葉も借りるなら、いわゆるロマンス詐欺は心の面にも、深い傷跡を残すようです。
少なくともぼくは、自分の人生において、韓国語を学ぶことはないし、隣国とは距離をとるでしょう。ハングルを読める、書ける力が欲しい人に分け与えることができるなら、お金を払ってでも引き取っていただきたい。
かつて学んだ韓国語の知識は、いまとなっては粗大ゴミに等しい。
コリアンタウンが近いところに住んでいるとあらば、自己破産して家を手放せという暗示かもしれません。
とにもかくも、ここにいたるまで、いささか疲れました。