23『投資ロマンス詐欺』に引っかかり、約500万借金した四十路の末路@現在進行形-法テラスに行くまでの時間-
法テラスの予約は取ったものの、週をまたいでの予約となってしまったので、束の間、時間が空くことになった。正直なところ、詐欺確定からこの日まで、結香全力疾走していた感はある。そりゃあ、そうだ。休職中でまったりしていたところに爆弾を投下された感じなのだから、わちゃわちゃして当たり前かもしれない。
しかし落ち着いたら落ち着いたで、思考回路も落ち着くかというとそうでもなく、逆にあれこれと思案に暮れていくというのが正直な実感だった。
法テラスにいくまでは、ほぼ布団の中で過ごしていたが、頭の中ではいろんな考えがぐるぐるしていた。考えると頭に糖が足りなくなるのか、最近、チョコレートの消費量が飛躍的に増えている。板チョコを一日5枚食べたこともある。これはこれでセルフネグレクトなのかもしれない。近づく健康診断が恐怖だが、もう改める気力もない。
この借金をどうするか。
消費者センターでいただいたリーフレットを眺めつつ、考えてみた。
まずは任意整理というのがある。
これは負債の多い各社に交渉して、利息をカットしてもらう方法である。そうすることで元金を返していくという手段で、これについては選択が可能だ。つまり対応の悪いA社にはこれをするけれど、対応が良かったB社は任意整理しないということは、論理的には可能だ。だから唯一、奨学金をここで任意整理の対象としなければ、連帯保証人や保証人に請求がいくことがない。
つまり奨学金の返済を、連帯保証人に請求させないためには、この手段しかないということだ。
……絶望的である。
この任意整理には期限がある。原則3年、もし交渉が成立してもマックスが5年。
500万。一ヶ月約14万円……。とてもではないが、現実的ではない。というか、不可である。マックス5年で認められても約9万……。とてもではないが、賞与を全額注ぎ込んでギリギリ生活ができるかの次元である。しかし奨学金の返済がここに加味されるとプラス3万。
無理ゲーである。
ぼくを騙した奴が憎い。
無知である我が同じくらい憎い。
どう考えても、任意整理は現実的ではない。
ある本で、任意整理をして借金500万を返した方の実例を読んだのだけど、相当稼いでいる方ではないかと推測する。
個人再生は、大雑把にいうなれば、借金の大幅な減額ができる。
しかし任意整理とは違い、負債を抱えている会社全てにおいて借金の減額ができる。そのため「奨学金はやめてください」というようなことはできないし、携帯電話の割賦契約をしている人などは、場合によってはライフラインに即直結してしまう。そしてクレジットカードは全て使えなくなる。(Debitは使えるようです)
そして減額された借金を3年で返していくことになる。
そうなれば月3万円。奨学金も減額されるから、それだけ考えればいい。
しかし連帯保証人に奨学金は一括請求されるのがネックだ。
ほんとうに親子共倒れが近い状態にある。
唯一のメリット、それは交渉がうまくいけば、自分の家は残せる。
官報に名前が載るのは、別に構わない。だけど、詐欺に遭って家まで取り上げられるのだけは、どうしてもぼくは耐えられそうにない。そういっている場合でないのは百も承知だが。家が残せるという点は、個人再生のメリットではある。しかしその代わり、連帯保証人には破産しろという鋼のメンタルが要求される。
とりあえず、任意整理以外はクレジットカードは取りあげられるし、ブラックリストに載っている間は作られないことも判った。
そこでぼくがしたことは、水道光熱費・電話などのインフラ関係の引き落としを全て銀行口座からの引き落としに変更した。法テラスに行くまでの間にしたことといえば、ほんとうにこれだけである。
最後は自己破産。
もう多くの説明はいらないだろう。
借金は基本全てチャラ。その代わり、マイホームは取りあげられる。ただし自己破産を選んでも、連帯保証人の債務はチャラにならない。
結局、奨学金が絡んでいる以上、選べる選択肢がほんとうに少ない。
詐欺に遭わなければ、奨学金も返していけるようにローンを組んだのに、すでに破綻している。
嘆かわしい。
ぼくの場合は、個人再生か自己破産しかないだろうなと、法テラスに行く前に目星はつけた。しかしそれを、いつ親に話したらいいか、それはこれを書いているいまも考えあぐねている。
わたしが首でも吊って命を絶って、奨学金がチャラになるなら、そうするかもしれないが、死んでも個人再生でも破産でも、もうこれからは逃れようがないのだ。20年前のゆるゆるの日本育英会はどこに行ったのでしょうかね。20年前なんか病気で返せなくても、診断書とか求められなかった記憶がぼんやり……。(記憶違いならごめんなさい。しかしいまよりも、返済猶予の手続きの書類は簡素で、審査も楽でした)
ほんとうにどうしたらいいだろう。
道筋だけはつけようと心に決めて、法テラスに行く日を待つことにした。
ほんとうにどうしよう。
明日も生きていたら、続きます。