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⑪『投資詐欺』に引っかかり、約500万借金した四十路の末路@現在進行形-交番・警察署に駆けこむ・Ⅳ-


 (承前)

 とりあえずワードのA4用紙に12枚、時系列に起きたこと、現状の被害状況などをまとめた。うつもち@休職中にしては、ほんとうによくやったと思う。とりあえず感情を押し殺していて、淡々とこなしていたからだろう。
後々実感するが、感情は押し殺さないほうがいい。むしろ爆発させた方がいい。

 誤字脱字がないか、再度確認して、ないことを確認して、出力。
 そして1/7、交番の方に教えていただいた、管轄する警察署に電話する。まさか自分から、本署に連絡するとは考えてもなかった。しかも刑事課とか、知能犯係とか……、一生かかわることはないだろうとさえ思っていたし、できるなら警察官とはあまりかかわりたくないのが本音ではある。

 警官には苦い思い出がある。いま住んでいるところを管轄する都道府県警ではないが、地元での警官とのやりとりにはろくな思い出がない。
 まだ幼少の頃だったが、クラスメイトの父親(これはあとで判明するのだが)の財布を拾い、警察に届けたことがある。とりあえず子供でも書類は書かされるので、書いていたところ、「お前、中のお金抜いてないか。〇〇町のの子やろ?」とにやにやしながらいわれたのだ。

 そもそも中は開けてないし、学校で「落し物は拾ったら交番に届けましょう」と教わっていたので、粛々と小学生のぼくは実行したまでである。
「してません」と伝えても、相手は「そんなことないだろう」と言いたげに、にやにやとこちらを見ていた。

 これは今後のぼくの方針にもなるのだが、この時は権利放棄をしなかった。ゆえに、相手方に拾い主の情報が伝わるようになっていたのである。あとは30年以上前なので、いまよりも個人情報に関してはガバガバのざる網状態だったとも類推される。

 その後、落とし主から自宅に電話があったのだが、親が開口一番いわれたのは、「お宅の息子さん、金、取ってませんか?」だったらしい。
 翌日も学校に行けば、この落とし主の娘(同級生)からも「金取ってないか?」としつこく尋ねられた。心底、閉塞的な田舎に辟易した初めての瞬間だった。
 この顛末以降、他人の不幸は見逃せないので、落ちていたら届けるが、権利については放棄しているし、落とし主情報も伝えないようにお願いしている。

 しかし特殊詐欺は、そんなこつこつ積みあげてきた人徳(……自分で口にするのもおかしな話だが)も関係ないらしい。なんで500万も持っていかれるのか……。いよいよ自己破産や自〇も視野に入ってきている。どう考えても、これはいま風にいえば無理ゲーだろう。

 閑話休題。
 ともあれ、本署に電話をした。
 すると話としては上がっていたようで、意外とすんなり、担当者に電話はつながった。

「先日、○○交番でお話しした者ですが……」と名乗りもそこそこに話を進めていくと、いつ来ていただいてもいいという。ぼくとしては聞いてもらう立場であったため、「そちらに合わせます」と回答したところ、「明日の午前中に一度お電話させてください。朝一番の捜査が終われば、11時以降でしたらおそらく時間を割けます」とのこと。

 ちなみに電話をした場所は、ペットに配慮してトイレだった。
 トイレからいま、タオルは撤去している。

 とりあえず行く日は翌日に決まった。
 あとはとりあえず、先方からの連絡待ちということでこの日は終えた。

 そして翌日。
 改めて書類を眺めて、伝えたいことを確認。
 あとは連絡を待つのみ……となったのだが、いくら何でも1時間前には何かしらの連絡があると踏んでいたのだが、電話が来ない……。

 連絡を待つが、刻々と迫る指定時刻の11時。
 ぼくの家からはバスか地下鉄に乗らないと、本署には行けないため、とりあえず見切り発車で家を出ることにした。もしかしたら、自分が電話番号を伝え間違えたのかのだろうか。その可能性もゼロではない。

 以下、続く、生きていたら。
 明日も生きていますように。
 しかし冷静になればなるほど、どうしてこんなことに……という思いだけが強くなる。
 本当に最近、「死」を意識することが増えてきていて、悩ましい。

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