狼が三権分立を理解しているわけ無いだろ!!!!

Introduction


今回取り上げるトピックは「オメガバース」です。
どちらかといえば批判的なので好きな人は帰ってーな。
さて先日弊TLに「ピース無罪」という話題が流れてきました。
端的に言えば「オメガバースにおいてオメガの価値はセックスしかないのだから、ベータやアルファをレイプしても「オメガだと思った」と主張すれば良い。具体的には扇状的な服装をしていただとか、また無理やりピースさせることで、レイプされてピースするのは淫乱なオメガだと誤認されてもしたかないとして「ピース無罪」となる」
というものです。
なかなか露悪的ですね。
昨今の強姦事件でも被害者バッシングがあったりなど嫌に現実味のある話ですが、とりあえず創作の話なので一旦切り分けます。なので実際の事件には触れません。
でですね、私はオメガバースについて、ftnrものをやるためのプリセットになったソフトなやつしか知らなかったのでかなり衝撃だったんですよピース無罪。
ただリアリティラインにこだわる私の癖からすると、なんかこう違和感を拭えないんです。
端的に言えば「オメガバースで第二の性をまたいだ司法制度って存在するのか?」ということです。

定義

オメガバースもいろいろですがとりあえず元ポスト(批判的な内容になるので載せませんが)的にはこういう感じです。
・人間には生まれながらに男女とは異なる性が3つ存在する
・アルファ、ベータ、オメガと呼ばれ、左から順に優秀
・オメガには発情期が存在し、アルファなどを誘惑する
・アルファはアルファとオメガの番からしか生まれない

今までの理解

私は「生涯を誓うパートナーとなる「番」システム」や「巣作り」、「発情期」とかの設定自体は好きだったので、そういう方面のイチャイチャシステムとしてオメガバースを接種してきました。
しかし得てして生まれながらに優劣が決まる社会とは露悪的なものです。
そして「ピース無罪」がありえる世界は本当にひどい
私の好みなんですが、国家運営における性とは合理的であるべきだと考えています。

私の考える「国家運営における性」

話が脱線しますが、凌辱モノの中「国営の奴隷として若い女の子が徴収され凌辱される」系は結構多いですよね?
別に凌辱モノは嫌いではないんですが、「国営の奴隷」というリアリティを求めた設定と「若い女の子が徴収され凌辱される」が結びつかないんです。私の中で。
どういうことかと言うと、仮に「国営の奴隷」を作るのであれば一番求められるのは「屈強な成人男性」です。また凌辱なんていう非効率的なシステムを公式の手順に組み込むことは合理的ではありません。なぜならばこの場合若い女の子を徴収する目的は凌辱ではなく奴隷化であるためです。現場レベルでの判断ならまだしも……国民からランダムに選んだりとかするなら尚更です。要は兵役と奴隷制の合体なんですから。
もっと言えば必死さもないです。
私がいわゆる竿役に求めるのは必死さです。
例えば虫姦や機械姦の魅力はそこで、彼らは必死です。必死に凌辱しているんです。
ですが前述のシステムはどうでしょうか?
限られた国家の資材を浪費しています。
必死さがありません。
これが「エロドスケベ条約により世界中の人間全てがファレン帝国の性奴隷」みたいな頭悪い設定なら気にならないんですが……
なまじ真面目な国家(日本)の設定を流用しているだけに気になるのです。

逆にたまに広告で見る「壁尻法案」には感心しましたね。いい感じに落とし込まれていて理不尽さもない(理不尽さは重要です。法治国家をモデルにするなら、そして国民主権なら理不尽な法律は通らないし通るべきではない。)


まとめますと「筆者は、エロ漫画のエロ設定において国家が介在する場合、合理的で必死であるべきと考えている」ということです。

狼に三権分立が出来るのか?

以上の前提を持ちまして
「オメガバースでピース無罪が存在するか」について考えていきます。
まずアルファ、ベータ、オメガにまたがる司法システムが確立するためには、これらになにかしら平等の権利が与えられる必要があります。
歴史上吟遊詩人は殺しても問題なかったし、奴隷船の船長には奴隷を好きにする自由が存在しました。
倒した国の捕虜の扱いなんてひどいものです。
創作物に目を向けるなら「機動戦士ガンダムSEED」でしょう。
ベータを中間層と見るなら、アルファとオメガの関係はそのままコーディネーターとナチュラルに当てはまります。
アルファもコーディネーターもその種族だけでは増えられませんからねぇ。
そうなるとアルファ、ベータ、オメガが手を取り合って民主主義を行えるとは到底思えません。
もちろん家系で決まるコディナチュとは少し事情が異なりますが。
そもそも遺伝子で人生が決まるというのはそのまま「機動戦士ガンダムSEED」シリーズの「デスティニープラン」を想起させます。
デスティニープランとは遺伝子で最適化された職業選択を規定とする世界秩序を指します。
現実だと共産主義が近いでしょうか。
こうなるとそもそも社会と呼べるものが成立するかが疑問です。絶対に能力が劣っている「種族」になぜ平等の権利が与えられるのでしょうか?
もちろんアルファだって自分の愛娘がオメガに生まれる可能性があるでしょうから手を取り合って共存する社会が作れるかもしれません。
でも露悪的な方向で考えるなら、そうなります。
優秀な遺伝子を持ったアルファによる奴隷的支配がオメガ、ベータの歩む道でしょう。

元ネタの狼の生態は、専制君主制を取っています。
群れのボスの命令が絶対で、文明とか社会とか築きません。
なのでよほど人類が博愛に満ちていない限り、絶滅戦争の結果アルファが消滅する(アルファかオメガが死んだらアルファが死ぬ)か、活かす殺さずの奴隷的支配かの二択となります。
そして絶滅した種や、奴隷的支配を行っている種に対する「暴力」は、果たして罪なのでしょうか?

動物愛護法

私はそう考えません。少なくとも納得できません。例えば子犬を虐殺したら動物愛護法違反ですが、殺人罪ではありません。
ここでピース無罪の成立を考えるなら
「相手がオメガだと思ったので犯した。オメガじゃなきゃ襲われてピースしないだろ」

「相手が犬だと思ったので殺した。犬じゃなきゃわんわん吠えないだろ」
となります。
無理があります!!!!!!!!!!
少なくとも後者は!!!!!!!!!!
なぜそれがまかり通らないかと言えば犬は人間ではないからです。
とりあえず現在に至るまで、犬にしか見えない人やその逆は確認されていません。イノシシのコスプレをして山に入って撃たれるなんて話は聞いたことありますが、日常生活をしていてイノシシのコスプレをして山に入る人間の権利を考慮する段階にありません。
もちろん過去には民族浄化と称した虐殺行為の中で同族すら殺害する例はありましたが、それはもう裁判とかないので……
許す許される裁く裁かれるのステージにありません。

同等の権利を持たない種がなぜ同じに見えることがあり得るのか。もっと言えばオメガにはオメガだとわかるように特殊なタグとか付けるんじゃないですかね(人畜モノでタグを取り違えられて人畜にされるのってありますよね。別にオメガじゃないタグでもいいんですが万が一外れると大変なことになるので)

結論

・規定されたオメガバースにおいて「ピース無罪」はちょっと無理ある
・そもそも「オメガと誤認する」という状況がありえそうもない(故に考慮されない)
・専制君主的にアルファが支配する世界なら、ベータに対する裁判とかないので「オメガと間違えました」とか言わなくても無罪
・よしんばピース無罪を主張したとしても部分的に司法が中世並みとかじゃなきゃ成立しないだろ……指折ってんだし。ピース無罪が通るならそもそも強姦罪が成立しない

以上を持ちましてピース無罪に関する妄言の数々を締めとします。
拝読ありがとうございます。
皆さんも瞬間瞬間を必死に生きてください。

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