カロリー制限と糖質制限
疲れない体を作るために、糖質の過剰摂取を避けるのが重要であることは間違いありません。
糖質制限はそれだけでなく、いま巷ではダイエットを筆頭にさまざまな観点から健康に与える効果が注目を集めています。
しかし、従来のカロリー制限派と糖質制限派で、その効果や弊害について激しい論戦が繰り広げられています。
まずは、カロリー制限派の考え方。
例えば動物での実験結果では、学習能力が低下している老化促進マウスにカロリーを制限すると、早期に学習機能が改善しています。
比較として高脂肪食や高たんぱく食、つまりカロリーが高く糖質の低い食べ物を与え続けたマウスは、学習機能が改善しませんでした。
学習機能の促進、人間に落とし込めば、認知症などの抑制に関して、カロリー制限に効果が認められ、糖質制限の効果は期待できないと推測されます。
実験動物では30%もカロリー制限をしていますが、人間では5~10%程度のカロリー制限をするだけでも効果があります。
カロリー制限はまだ糖質制限をすると同時にカロリーも下げているから、体重抑制の効果が出ているに過ぎないと指摘しています。
対する糖質制限派は、トレーニングを伴う糖質制限を行うと、除脂肪体重(=LBM)を減らさずに体重をコントロールできる点を強調しています。
全体重のうち、体脂肪量を除いた残りの体重がLBMです。
つまり筋肉や骨、内臓などの総重量でダイエットしても減らしたくない体の重要な部分です。
タンパク摂取に制限がかからない糖質制限食では、筋肉や骨が減らないので、高齢者の要介護リスクである運動器の障害、ロコモティブシンドロームにかかりにくいと言えます。
もちろん、糖尿病予防の効果もあります。