100名以下の会社は、よくも悪くも社長がすべて
これまで、いくつもの会社を取材させていただき、気づいた一つが「100名以下の会社は社長(のキャラ/考え)を訴求すると効果が良い」ということ。
それはなぜか。
(1)一人が見られる限界が100名前後
(2)100名を超えると組織化が必要
(3)ルール化・制度化が生まれる
それは上記3つの理由に依るところが大きいです。
■一人が見られる限界が100名前後
文字通り、一人がマネジメントできるのは50~100名が限界だからです。50名くらいだと、顔と名前とキャラクターが相互にわかり、社長も社員を理解しているし、社員も社長を理解している。ゆえに、共通した意識を持ちやすい。
そのような会社は、社長の考えが社員の全員に行き渡っています。そのため、社長のキャラや考えが、そのまま会社となるのです。
もちろん、強権社長が社員を支配している、という可能性もありますが。
■100名を超えると組織化が必要
上記の理由から、100名を超える会社は組織化が必要になります。すると、人数に応じてマネジメントの層が増え、それに反比例して社長と社員の距離は遠のきます。
マネジメント層によって考えが異なるので、必ずしも社長の考え=会社の考えとは言えなくなるのです。
また、後述しますが、従業員数が少ないと組織も制度も融通がききます。しかし、組織化されると、よくも悪くも融通がきかなくなります。組織の硬直化、セクショナリズムが生まれ、一つの会社とは言えなくなるのです。
■ルール化・制度化が生まれる
従業員数が少ない頃は、社長の一声でルールが決まり、制度が生まれます。あるいは、ある社員に対して融通を利かせることができます。
例えば、リモートワークの制度がない会社で、ある社員が産休復帰後、自宅で働きたいという要望が出たとき、小規模な会社であれば制度がなくても、社長の一言で動きます。
また、社員も「○○さんの状況なら仕方ない」と状況をわかっているので、不満は出づらい。これが1000名を超える会社でやった場合、不満続出なのは言うまでもないでしょう。
100以上の会社で組織化が進むと、それに応じてルールや制度も増えていきます。組織、ルール・制度によって規定されるので、社長のキャラに関係なく、会社のキャラ・人格が生まれます。
■で、なんで社長推しが成功するの?
以上から、100名以下の会社は「社長=会社」というのがおわかりだと思います。
では、なぜ求人広告において、100名以下の会社は社長推しすると採用成功できるのか。理由は簡単です。人はわかりやすい求人/熱量を感じる求人に惹かれるからです。
転職する際、人は何かを求めて転職します。お金なのか、人間関係なのか、仕事内容なのか。人によって異なりますが、「こうなりたい」という願望が存在します。
社長推しで、会社のキャラクターがわかると、求職者の願望が叶うかどうかがわかりやすくなるのです。
例えば、会社都合のアサインばかりで、自分のキャリアを自分で選びたい人がいたとします。その人に対し、30名の会社の社長が「うちなら社員のやりたいプロジェクトにアサインする。気に入らなかったらプロジェクトを変えていい」という求人があれば、興味を惹かれるはずです。
3000名のSESでも同じことを言えると思いますが、あくまで「当社はメンバーの希望に応じたプロジェクトにアサインします」というくらいで、温度感を感じることはできません。
多少、条件が悪くても、30名の会社を選ぶ人は多いのではないでしょうか。一人の人間が熱量を持って語るから、人はそれを信じるのです。
これが、100名以下の会社では社長推しすると成功する理由です。もちろん、すべての会社で成功するわけではありません。しかし、会社規模で採用成功しないと思われるのであれば、一度試してみてはいかがでしょうか。