似非教授

某転職メディアの制作ディレクター。わりとIT企業を担当することが多く、それなりにITト…

似非教授

某転職メディアの制作ディレクター。わりとIT企業を担当することが多く、それなりにITトレンドは理解しているつもりです。これまでの経験などをもとに、広告や業界、転職などについてざっくばらんに語ります。 ※コメントは個人の意見であり、所属組織などは関係ありません。

最近の記事

メディアって何でも煽るよね。でも、退職する若者だけが悪者なの?

Abema newsで新卒→即退職の是非について議論されていました(論調としては非でしたが)。 ニュースの中では新卒の3年内離職率は横ばいであると紹介されていましたが、「こんな理由で退職?」と煽っているように感じたのは私だけでしょうか。 このグラフの使い方も、なぜかここ最近で一番離職率が低い2009年からスタートしているのも恣意的なものを感じます。2009年からである理由はないからです。 この元データは以下のとおりです。 1987年(昭和62年)からの公開データを見て

    • (求人ライターを含む)Webライターへ。「書くだけ」の時代は終わりました。

      求人ライターは文章を書くだけでなく、職種・業界知識も必要だ、と以前にも話をしました。今回は、別の角度からさらに突っ込んだ話をします。 「書く」というスキルはオンラインの時代、ますます重要になっています。ですが、ライターという仕事の重要性は年々低下しています。なぜか。 ビジネスにおける「書く」とはディレクションも含んでいるからです。相手に情報を伝えることもありますが、多くの場合、相手に何かをしてほしくて書いているわけです。「この仕事をやってほしい」「こういうクレームが来たか

      • 幸せな社内SE転職のススメ

        最初に。「社内SEは楽じゃない」を理解したうえで本記事に進んでください。社内SE=楽という考えでは、どんな会社に転職しても幸せにはなりません。 そのうえで、良い会社に転職する可能性を高める判断軸を公開します。 社内SEが活躍できる3つの要素 経営陣がITに理解がある 情シスをコストセンター扱いしない プロジェクトを進めるさいに経営陣がバックアップする この条件を満たしている会社が、社内SEが活躍しやすい良い会社です。 (1)経営陣がITに理解がある けっして社

        • 答えのない時代だからこそ、人文科学の力が必要だ

          8月、サイバーエージェントのWeb広告事業部門とCOTENが業務提携を行い、社会課題における情報調査を行う専門機関「人文知研究所」を設立しました。 これまでビジネス界は自然科学を重視してきました。自動車や家電などの理工系、医薬・バイオなどの化学・生命科学系、そしてITなどの情報工学系です。 これらはすべて論理的な思考のもと、論理的に妥当な結論に達する応用自然科学の「答えのある世界」でした。しかし、VUCAに代表されるようにビジネス界は「答えのない世界」になりつつあります。

        メディアって何でも煽るよね。でも、退職する若者だけが悪者なの?

          すべて、自己中なマネジメントのせい

          採用という経営支援の一部を担っている人間として、ビッグモーターの問題をどう解釈し、次へとつなげていくかを考えあぐねていたのですが、一つの根本原因を見つけました。 まさに、この言葉「命令は出すけど、結果責任はお前が取れ」が、ビッグモーター問題の本質です。マネジメントが自分の指示の結果責任を持たない会社はおかしくなるに決まっています。 そして、これはビッグモーターだけの問題ではなく、昭和型企業ーー上司が言った言葉は死んでもやれ文化ーーの問題なのです。 死にものぐるいで達成す

          すべて、自己中なマネジメントのせい

          転職サイトを作っている人が、あえて転職するなと言ってみる

          転職を支援している仕事なので、転職を否定するってどういうことよ?と思う人もいるでしょう。 個人的な意見と前置きをしたうえで、何でもかんでも転職すればいい、とは思いません。なぜなら、転職は職務経歴書という履歴が残るからです。 たとえば、動画のサブスクをいくら乗り換えたところで、誰にも知られないし、知られたところで「なんで、こんなにコロコロ変えているの?」とも言われません。NETFLIX→Amazonプライム→ディズニープラスに乗り換えても、誰もが「なんで、この順番なの?」と

          転職サイトを作っている人が、あえて転職するなと言ってみる

          転職したら労働条件通知書をもらうこと、お兄さんとの約束だぞ

          タイトルがすべてですが、転職先企業から必ず「労働条件通知書」をもらってください。 労働条件通知書とは、簡単にいえば「どういう労働条件かを明示した書類」のこと。労働者を雇用した際には必ず労働者に渡すべき書類です。 この書類を渡さない、あるいは労働条件を開示しない会社は100%ブラック企業(ここでのブラックとは違法という意味)です。労働条件通知書の意味や重要性を理解していない会社に入社してはいけません。 (提示の仕方は法律には指定されていないので、メールで送れられてくるとい

          転職したら労働条件通知書をもらうこと、お兄さんとの約束だぞ

          退職代行会社に対する、求人をつくる人からの意見

          まず前提として、退職代行会社は存在すべきだし、サービスとして(基本的に)問題ないと考えています。また利用される方も、嫌になったら辞めるのは当然の権利です。 そのうえで「退職代行会社の使いどころは考えたほうがいい」というのが、私の意見です。 昨今の退職代行会社に関するニュースを見ると、ブラック企業を辞めるために使うケースもあれば、入社数日で「なんか違った」と使うケースなど、さまざまです。 本人の自由なので、私がとやかく言う立場にありませんが、基本は本人の口から退職を言うの

          退職代行会社に対する、求人をつくる人からの意見

          IT求人で、求人ライターが怒られる理由

          原因は「解像度が低い」から。 確かに求人ライターは採用や求人のプロであり、各職種・業界のプロではありません。しかし、スポーツのインタビュアーが野球について知らなくてよいのでしょうか。 大谷選手にインタビューするとき、「スポーツで気をつけていることは?」という質問をするでしょうか。答えは否です。そんなざっくりした質問をしたら素人以下と思われます。 IT業界におけるITはスポーツと同じくらい広い言葉です。実際の取材ではもっと細かいSIer、SES、Webサービス、ゲーム、通信

          IT求人で、求人ライターが怒られる理由

          あなたは、あなたの気持ちに正直になっていますか?その転職理由は本当の転職理由?

          転職を考えたら、まずやるべきは「なんのために転職するのか」。 そんなの分かりきっているよ!という人もいるかと思います。しかし、意外に表層的な理由で転職を始める人が多く、ときには転職し終わって初めて自分か転職したい理由に気づく人もいます。 どういうことか。転職理由で必ずトップ3の中に入る項目として「お金」が挙げられます。しかし、入社の決め手にはトップ3に入っていないことが多くあります。 何故か。 それはお金が本当の離職理由ではないからです。多くの場合、お金は他の理由の代

          あなたは、あなたの気持ちに正直になっていますか?その転職理由は本当の転職理由?

          解雇要件は緩和すべきだが、話はそう簡単ではない

          私の結論から言えば、日本の解雇要件は緩和すべきだと考えています。ただし、アメリカ並みの解雇のしやすさは現実的ではありません。 ABEMAでアメリカのテック企業の大量解雇・レイオフについて取り上げられていました。You Tubeのみで全編見ていないので、異なる部分があるかもしれませんが、全体としては「日本も解雇要件を緩和すべき」という論調でした。 アメリカの解雇の仕組みは日本には合わない たしかに専門家が語るように、日本の解雇要件は昭和の高度経済成長期につくられた法律です

          解雇要件は緩和すべきだが、話はそう簡単ではない

          採用において企業が叩かれがちだが、けっこう求職者の履歴書もヤバい件

          ――商社の業務系システムを担当しています。 この職務経歴書を見て、エンジニアの皆さんは、この人のエンジニアスキルを判定できるでしょうか。 おそらく10人中10人が「こんな経歴で判断できるわけないだろ!」と憤慨するはずです。しかし、これしか書かないで職務経歴書を提出する求職者が(けっこうな割合で)います。 エンジニアの職務経歴書は薄いことが多い 個人情報なので、上記は本当の職務経歴書から引用したわけではありません。あくまで例です。実際の職務経歴書とは異なります。 ですが、

          採用において企業が叩かれがちだが、けっこう求職者の履歴書もヤバい件

          求職者は求人を見ているようで見ていない。だから、注力すべき項目がある。

          求人を書く側としては、きちんと隅々まで読んで企業や仕事を理解してほしいと思うもの。しかし、残念なお知らせです。求職者のほとんどは求人を斜め読みしています。 採用担当や求人ライターからすると、非常に悲しい事実ですが、これが真実です。だからこそ、私はつねに「分かりやすさ」を重視しましょうと企業にお伝えしています。斜め読みでも内容を理解できるよう中高生でも分かる表現・内容にし、見出しなどで目を引く工夫が必要だからです。 では求職者は斜め読みしながらも、どの項目に注目しているのか

          求職者は求人を見ているようで見ていない。だから、注力すべき項目がある。

          キャリアとライフをトーレドオフしない生き方

          子育てや家庭に積極的に参加したい男性の話を聞いて、自分が顧客に言い続けてきたことは間違いではなかったと確信できました。 もちろんキャリアに全振りしたい男性がいることは前提としながらも、30代・40代の子育て世代の男性はワークだけでなくライフも重視しています。 働き盛りでもある世代なので、経験者募集ではニーズの高い世代です。企業も熱心に欲しがる世代なので、「この世代は家庭(子育て)を重視しているので、ワークライフバランスの施策・取り組みが重要ですよ」と説明しています。 し

          キャリアとライフをトーレドオフしない生き方

          違法企業に転職しないために「不採用になる勇気」を持とう

          残業代未払いやパワハラなどが横行する企業をブラック企業と呼称しますが、もっとストレートに「違法企業」というべきです。 転職活動が活発になる1~3月。そんな違法企業に転職しないためには、どうしたらいいのか。 以前に「ヤバい会社を確実に見分ける方法」という記事を書きました。その中でも言及しているのですが、今回はそれ以外の部分で見分ける方法について紹介したいと思います。 違法企業の共通点は、法律遵守の精神がないこと。要は法律を守ろうという気がない、そもそも労働基準法すら知らな

          違法企業に転職しないために「不採用になる勇気」を持とう

          その求人、誰にとっても分かりやすいですか?もう一歩、効果の高い求人を制作するために

          リクナビNEXTやマイナビ転職など、大手転職媒体を見ると、かつて(10年くらい前)と比べて、求人の質が上がってきたと感じています。というか、昔が酷すぎたんですけどね(笑)。 ただ、今の求人で十分かといえば、ようやくスタートラインに立った程度です。求職者がほしい情報が載っているレベルです。 少しだけ昔話をすると(老害みたいで嫌いなのですが)、かつては平均残業が書かれている求人はまれ。大手企業は給与を出すのを嫌がり、新卒初任給しか掲載しない。福利厚生欄は申し訳程度と、求職者に

          その求人、誰にとっても分かりやすいですか?もう一歩、効果の高い求人を制作するために