求人広告も「見た目が9割」なのか
リクナビNEXTやマイナビ、dodaの最大サイズにはデザインページがつくのですが、今回はその前の話。写真について話したいと思います。
デザインページや写真にこだわるクライアントは意外に多いです。特にスタートアップ系の企業はやたらこだわりますね。
今回は、写真によって効果は変わるのか、について。
結論としては「効果はあるけれど、思っているほど効果はない」です。
写真の中でも「一覧画像(求人検索したときに一番最初に出る画像)」がもっとも効果に直結しますが、PV(閲覧数)に関わる効果であり、応募数そのものとの因果関係は薄いです。
PVが上がれば応募数が上がる、という傾向にはありますが、直接的な関係はありません。
■広告の3Bによる効果
では、どんな画像がPVを上げるのか。それは3Bです。
3BとはBeauty(美女)、Beast(動物)、Baby(赤ん坊)の頭文字をとったもので、広告業界ではよく言われている要素です。そのため、求人広告でも一覧には、募集職種関係なく、女性が登場します。
ITエンジニアの募集なのに、事務の女性を駆り出して撮影したことも何度もあります(苦笑)。もちろん、あくまで写真として登場してもらい、女性=ITエンジニアというふうには見せません。
女性が一覧画像に登場すると、(感覚として)PVが1.2~1.5倍に増加しています。職種によって異なると思いますが、男性の画像<女性の画像であることは疑いありません。
最近、dodaでは動物を使った一覧画像、デザインページをよく見かけます。この3BによるPV増を狙ったものです。
とはいえ、上記の通り、効果で2倍を超えることはありません。微増、というのが正しいでしょう。
■画像に期待する効果とは
画像で狙うべき効果は「社内の雰囲気」を伝えることです。
エン転職のアンケートでも、転職リスクで「人間関係がうまく築けない」「会社・社風に馴染めない」と答えています。
転職活動をしているなかで「社風・雰囲気」が分からないと回答する求職者は多いです。そのような求職者に向けて、写真で雰囲気を訴求することは効果が高い、と言えます。
では、どんな写真が良いかといえば、なんのことはありません。自然な表情の写真です。
と説明すると、本当にただ撮影しただけの写真を送ってこられる採用担当者が多いのですが……下記のような写真です。
「んな、アホな」と突っ込まれそうですが、プライベートでもない写真だと、こんな写真になってしまいます。
そうではなく、ここでいう「自然な表情」とは、見た人が自然と感じる表情のことです。
例えば、上記の写真は一見すると普通ーー自然な表情ですが、実際のシーンでスマホを見ながら笑っている人はいますか? いたら、怖いですよね。しかし、写真だと普通に感じる。これが見た人が自然に感じる表情です。
実際に写真を撮影するときは、ちょっと演技をしてもらう、オーバーリアクションをしてもらう必要があります。
また、できれば写真に登場するのはターゲットの年齢に近いほうが好ましいです。20代がターゲットなら20代に登場してもらう、といったふうにです。
ただ、すごい効果を上げるかといえば、、、微妙です。20代の若手向けだと効果がありますが、40代・50代以上はあまり関係ないですし、20代ばかりの写真でも50代・60代からの応募はあります。
あくまで、同世代のほうが効果が高い傾向にある、という程度です。おまじないよりマシな効果だと思っていただければ。
以上のように、写真に効果があるものの、それは主にPVに対して。さらに、雰囲気を伝えるために使ったほうが効果的です。
写真の構図(集合写真か談笑か)や目線あり/目線なしは、直接的な効果はないと感じています。
なので、ある程度、(自然な表情に)こだわることは必要ですが、それ以上こだわるものではありません。こだわるなら、スマホで撮影するより一眼レフで撮影したほうがよい、くらいです。スマホで撮影すると、なぜか白いモヤがかかった写真が多いので。