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第6回「商品・サービス開発プロジェクト」レポート

「これからの地域を支えるデザイン経営」を本気で学ぶ場所として、2023年にスタートした越前鯖江デザイン経営スクール。2024年2月10日(土)、11日(日)に第6回目の「商品・サービス開発プロジェクト」が開催されました。

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半年にわたるプロジェクトもいよいよ大詰め。今回が最後の現地プログラムということで、3月の発表会に向けて資料づくりや最終調整を行いました。また、講師の内田さんによるプレゼン方法のレクチャーも。4チームは前回からどのように変化したのでしょうか。


チームディスカッション

沢正眼鏡チーム

産地の事業継承と担い手づくりを目指す沢正眼鏡チーム。雇用の受け入れ体制づくりとして、労働環境の改善(コツコツ100)、作業の見える化(今日コレ日誌)、マニュアルづくり(コレです見本)に取り組んでいます。

また、地域の住まいづくりとして、鯖江市河和田地区にある空き家(通称:塚田邸)を掃除しました。この住居はプロジェクトメンバーの紹介で見つかった物件で、その日はチームメンバーでお試し宿泊も。プロジェクト終了後もこの物件を活用したい考えです。

チームメンバーからは、「産地にここまで深く関わるのは初めての経験。地元なのでこれからも関わっていきたい」「たくさんのアイデアが生まれたのは澤田専務の許容力のおかげ。泥臭くがんばってこれたのがよかった」「自分ごとに捉えられたプロジェクトでした。プロジェクト後も関係性が続いていくはず」といった感想が。途中からチームに加わった平田さんも、熱量あるプロジェクトに気合いが入っているようです。

澤田専務は、「当社はホームページもなければ自社商品もなく、他の3事業者がまぶしく見えていました。でも、いいチームメンバーに恵まれていい締めくくりを迎えられそうです。大勢のみなさんの前で会社のことを話すのは初めてなので楽しみ。他の事業者や業界に変化が見られたらうれしい」と、最終発表に向けて気合い十分な様子です。

社内ミーティングの様子
今日コレ日誌

現地プロジェクトの翌週には、チームメンバーが沢正眼鏡を訪れ、会社史上初となる社内ミーティングを実施。取り組み内容とその目的について丁寧に説明し、社内の了承を得ることができたようです。澤田専務は、「沢正眼鏡が一歩を踏み出した歴史的な場面だった」と感じたそう。

チームメンバーがアルバイトに入ったり、社長や従業員とのコミュニケーションの機会を設けたりと丁寧に社内改革を進めるメンバーたち。さらに、2月下旬からはお試し就業プログラム「産地のくらしごと」に参加し、アルバイトを受け入れる予定です。資料づくりと並行して、ますますパワーアップする沢正眼鏡チームでした。

曽明漆器店チーム

2回目のプロトタイプとして、「一期一会マーケットー倉庫編ー」を開催した曽明漆器店チーム。遠方から参加しているチームメンバーもいるなか、倉庫を開くために準備を進めました。

一期一会マーケットのチラシ

マーケット当日は雨が降るなかお客さんが続々と来店し、レジ待ちの列ができる時間帯も。漆器のほか、完成前の木地や原木の展示も行いました。

倉庫内に漆器が所狭しと並びます。
チームメンバーが書いた漆器プロフィール
たくさんの木地が見られるのは漆器店の倉庫ならでは。
お菓子づくりが得意なメンバーによるバレンタインコーナーも。
つなぎ手として、産地の他社商品も販売。

6時間の来場者数はなんと260人!約28万円を売り上げ、デッドストックの販売に手応えを感じたチームメンバー。地元の新聞にも開催情報が掲載され、集客につながったよう。倉庫でのマーケットを開催して、「広い倉庫内でリアルにあるものをたくさんの人に見てもらえました。未完成品の木地が売れることにもびっくりしました」と3代目の曽明富代さん。

チームメンバーも、「漆器に詳しくないからこそ見つけた良さをタグに書きました。お客さんがストーリーごと買ってくれるのがうれしかったです」と新たな価値を提案できたことを実感した様子。

マーケットの成果や課題を振り返りつつも、翌日のリハーサルに向けて、発表準備を進めます。

小柳箪笥店チーム

越前箪笥の魅力や価値を伝えたい小柳箪笥チーム。久しぶりにメンバー全員が揃い、会場で進捗共有や意見のすり合わせを行いました。百年箪笥研究所の設立に向けて必要なタスクの洗い出しや、制作予定のカタログに掲載する商品やページ割など、具体的な検討も進みました。

また、プレゼン資料の最終調整を行いました。チームメンバーの意見をもとに、デザイナーの田賀さんがプレゼン資料を仕上げます。

越前セラミカチーム

越前セラミカチームは、会場でプレゼン資料の仕上げを行いました。デザインディレクターの山田さんとルームスタイリストの山形さんを中心に、資料をわかりやすく仕上げます。

プロジェクト名は、「KAWARA SCAPE PROJECT」。越前瓦を「つくる」「つたえる」という2軸から、越前瓦をあたりまえの風景にしたいと考えています。

「つくる」については、建築士の牛島さんを中心に、瓦のインテリアアイテムの図面作成やベンチデザインの検討を行いました。テラゾー(人造大理石)の技術を活かした瓦ベンチは、最終発表会当日に展示スペースで実際に座ることができるそう。

また、「つたえる」については、ホームページの改良、会社のPR動画作成、インスタライブでの商品紹介を進めています。これらの取り組みが、当日どのような発表に仕上がるのか楽しみです。

講師の内田さんによるレクチャー

講師の内田裕規さん

今回のプロジェクトでは、講師の内田さんによるレクチャーも行われました。千年未来工藝祭などの内田さんが取り組んできたプロジェクトや、最終発表会に向けたプレゼン方法についてお話しいただきました。

最終発表会のリハーサル

現地プロジェクトの最後は、最終発表会当日に向けたプレゼンのリハーサルです。当日と同じ発表20分・講評15分でリハーサルを行いました。

沢正眼鏡チーム
曽明漆器店チーム
小柳箪笥店チーム
越前セラミカチーム
講師陣によるコメント

講師陣からは、プレゼン資料の作り方に関する意見を中心に、多数のコメントをいただきました。リハーサルで見つかった課題をもとに、最終発表会に向けてブラッシュアップします。

***
半年間をかけた商品・サービス開発プロジェクトは、残すところ最終発表会のみ。3月2日(土)の最終発表会では、各チームの取り組みと成果をプレゼンと展示を通して見ることができます。ぜひ最後までご注目ください!

(文:ふるかわともか)


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