別れるのは共感が足りないから
一緒に情報番組の食レポをテレビで見ていたとして、
「牛丼食べたいな」
と思う。
二人とも同じものを見て同じことを感じている。
それが「共感」だとすれば、同じ時間を共有しなければ共感は生まれない。
一緒にいる時間が長いか短いかではなく、同じ経験をしているかどうか。
同じ映画を観る。
同じマンガを読む。
同じドラマにハマる。
同じアーティストが好きでライブに行く。
出会った頃は同じ時間を共有し、同じように感じている。そうやって「共感」が多くなる。
「気が合うな」と思っているのは錯覚だろうか。
実はどちらかが合わせているのかもしれない。
好きな人が好きなものを好きになる。
自分の価値観が変わってしまうほどに相手のことを想っている。
その状態は共感しようとしているだけで、本当の共感ではない。
まったく同じ経験をして、同じように感じ、同じ価値観を持っている
なんてありえないことだ。
育ってきた環境が違うから好き嫌いは否めない
山崎まさよしもそう言っている。
「これ美味しいよね!」
「そうかなぁ…」
「めっちゃ感動したよね!」
「そうでもないなぁ…」
「この曲聴いて!良い曲だから!」
「あんまり好きじゃないかな…」
少しずつすれ違っていく。
それぞれが好きなものをそれぞれに楽しめばいいのだけれど、いつしか同じ時間を共有しなくなり、共感することも少なくなる。
「つまんないな」
共感がないのはつまんないんだ。
時間には限りがあって、無駄な時間を過ごしたくない。そう思うから人は別れる。
別れるのは圧倒的に
「共感」が足りなくなったときなんだ。
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