【小話】移流集積ってな~に?
ずいぶん軽いタイトルで始めましたが、こちらは毎度のごとく感謝回です。小話も挟みますので、軽み見てくれたら嬉しいです!
先週はシワシワなグラフェンで高感度な光センサーを作る研究紹介が多くの人に読んでもらえたようです。いつもありがとうございます。
ところでみなさんはタイトルにある移流集積という言葉を知っていますか?
知っているという方は相当専門家の可能性があるので、そっとページを閉じてくださいね。
ここでは、とってもざっくりと移流集積について紹介したいと思います。
移流集積とは、液体の流れによって小さな微粒子を移動させて特定の位置に配置させる方法です。”特定の”というのは難しく、そう簡単にはいきません。
そこで、あらかじめ基板の濡れ性を変えてやったり、基板に溝などを付けて、そこに粒子が集まるように制御してやる必要があるんです。
例えば下の図のように初めから溝が彫ってある基板だと、表面の水が蒸発していくとともに、粒子が溝に挟まっていきます。
先週紹介したシワシワなグラフェンを使う研究でも同様に、あらかじめシワシワを用意することで、そこに粒子が挟まりやすくなる効果を使っているんです。
最近では、この移流集積も知見が溜まってきており、最終的に欲しいナノ構造に対して、どんな工夫をしてやればいいかがわかってきています。そういった点から、ナノ構造をつくための非常に有用な手法として期待されているんですね。
ちなみに、自然界で見れる移流集積の例はコーヒーや紅茶を飲んだ後に残るリングです。おそらくほとんどの人が見たことがあるのではないでしょうか。
こちらに私がnoteを始めた頃に書いた記事を置いておきます。コーヒーリング効果や移流集積についても解説しているので、良かったらご覧ください。