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わかりやすい文章の書き方(想定読者を考える)
先日、わかりやすい文章の書き方として、構造化について紹介しました。文章というのは誰でも書けるようで実はそうでもありません。
今回は少し違った視点で重要なポイントについて紹介していこうと思います。
想定読者を考えているか
文章に限らずプレゼンなどの人に伝えるときに重要になる点、それは受け手(想定読者)を考えているかということです。
例えば、論文であれば、ジャーナルと呼ばれる学術誌に投稿することになるので、その雑誌を読む研究者層にわかるように書かなければなりません。
論文を分析すると如実にわかりますが、特定の科学分野の専門誌に投稿する場合はその専門分野の内容から話が始まります。
一方で、NatureやScience、PNASといった一般科学誌に載っている論文では専門的な内容に入る前にもう少し広いスコープで語られます。ワクチンとは…化学では…と言ったぐらい広くなります。
この想定読者を考えるというのはとても大事なことで、なにも論文に限った話ではありません。
例えば報告書を書く際にも、それを読むのは誰なのか?社内に保管されるなら将来誰が読む可能性があるのかまで考えて、記述する必要があります。
チーム内にしか共有しない内容であれば、マニアックな議題から入っても良いと思いますが、部署内や他部署の人も見る可能性があるならもう少しわかりやすい表現をしなければなりません。
これって簡単そうに見えて意外と難しいんですよね。想定読者を考えるところまではできても、彼らがどこまで事情を理解しているかまで想像して文章を書かなければならないわけです。ときに想定読者のことをリサーチするなんてこともありますね。
私自身いまだに悩むことが多いです。
とはいえ、この想定読者を考えるという行為自体しない人たちがいます。その上で文書の構造もめちゃくちゃだと、いったい何が書いてあるのかさっぱり理解できないという状況になります。
事実と意見を分けること
事実(ファクト)と意見を混同する人は多いです。下手したら私も意識しなければ混同しかねません。
口頭では難しくても、一度文章として書きだすのであれば、この事実と意見はしっかりと区別しなければなりません。
事実と意見が混同してしまうと、読み手としては何を信じていいのかがわからなくなります。要は事実は(鵜呑みにできないものの)信じられるものであり、意見はあくまで作者の考えにすぎません。
そのため語尾の「~と考えられる」というのは多用しすぎると文章のテンポが悪くなりますが、適切に使っていけば良いと思います。
ちなみに真面目な文章で「~と思う」という表現は使わない方が良いですね。noteなので私は常々使っていますが…
文章ではしっかりと事実と意見を分ける必要がありますが、ときに筆者自身がそこを混同して認識している場合があります。文章で書くことによって、改めて自分の中で正しい認識に落とし込むというのも大事な作業ですね。
最後に
全2回でお伝えしたわかりやすい文章書くために欠かせないことですが、これらは本当に自分でも意識していないと書けません。私は会社で文章を書く際には想定読者を考えて構成を練ってから書き始めます。
どんな情報をどんな構造で示していくべきかというのは文章を書く上でとても大事です。私はこれが死ぬほど苦手ですが、訓練で最低限のところはできるようになります。
学生時代にやってこなかったな~という方は是非一度考えてみてはいかがでしょうか。