洗濯は不要?勝手にきれいになる超撥水素材
面倒だけど必ずしないといけない洗濯…初めから汚れない衣類なら洗濯なんてしないですよね。
もし洗濯がいらない衣類があったらどうでしょうか?ましてや勝手にきれいになっていく衣類があったら嬉しいですよね。
いやいやそんな素材あるわけないじゃん!って思うのが普通です。
それが最新科学をもってすれば、そんな夢の素材に近づいたすごい布ができてしまうんです。今回はそんな洗わなくても勝手にきれいなる最先端材料を紹介したいと思います。
微細構造で濡れない素材を作る
撥水というとあまり聞きなれないかもしれませんが、水を良くはじくといったら聞いたことがあるでしょう。
最近では靴や傘などにスプレーをすることで水を良くはじくコーティングができるスプレーなんかが売られていますよね。
これは表面に特殊なコーティングをすることで実現できるわけですが、今回紹介する新しい布も表面が特殊なんです。
この水を超はじく布はポリフッ化ビニリデン(PVDF)とポリエステル(PET)と呼ばれる高分子でできた繊維を編み込んで作られています。なんか意外と簡単そうに思えますが、さらに一工夫が必要です。
この編み込んだ布にプラズマを当てることで表面に微細な加工をしてやります。
こちらの画像を見るとわかるようにつるつるした表面にヒダのようなものができています。この表面構造が水を良くはじく機能を発揮するんですね。
これは蓮の葉の表面の凸凹構造が水を良くはじくのと同じですね。凸凹のおかげで表面に小さな空気の層ができ、水が接触する面積が小さくなるイメージです。
さらに、開発された超撥水の布に水滴を落とすと面白いことが起こります。水滴は布に染み込もうとせず、表面で弾むんです。
これを見るとわかるように各項目の上段に示されているプラズマ処理前の布では水滴を吸い込んでいる様子が見られますね。一方で、下段に示されているプラズマ処理後の布では、全て水滴が弾んでいるのがわかります。
濡れない素材は汚れも落とす
ここまでは濡れない素材を作るだけでしたが、この濡れない素材はさらに素晴らしい機能を持つようです。
この超撥水の布に水と親和性の高い汚れと、油と親和性の高い汚れをそれぞれつけて上から水滴を垂らしました。
すると、水滴は布の表面で弾むとともに汚れを吸収していくことがわかりました。つまり、水滴が当たると表面の汚れがだんだんきれいになっていくようです。
どんなに汚れても雨に当たれば汚れがたちまち落ちてしまうというすごい素材なわけですね。
最後に
今回は勝手にきれいになっていく超撥水素材について紹介しました。
水に濡れない内側の汚れはどうするんだ!ってなりますが、少なくとも土煙が漂う外での作業着の外表面にこの布を使うのは良いかもしれませんね。
もしかすると恵みの雨というように雨が降ることできれいになってしまうそんな世界が来るのももうすぐかもしれません
参考文献
Effect of the Geometrical Structure on the Superhydrophobicity and Self-Cleaning Properties of Plasma-Treated Polyvinylidene Fluoride Fabrics