他人と仲良くなる4つの方法
このコラムでは、儀礼論を元に他人と仲良くなる方法を説明します。儀礼とは、人と人とを結びつけるルールのことです。儀礼を守ると、仲間として認められたり仲間内での地位が上がったりします。今回はその中から、提示的儀礼すなわち他者と積極的に関わるときの儀礼(ルール)を紹介します。
あいさつ
あいさつは、日常生活にてもっともやりとりされる儀礼です。人と人の間の何かが変わるときにあいさつは交わされます。たとえば、出会ったときと別れるとき、始まるときと終わるとき、他者のテリトリーに入るときと出るときなどに、お互いに言い合うのがあいさつです。
アイサツは神聖不可侵の行為。古事記にも書かれている。アイサツはされれば、返さねばならない…!
ニンジャスレイヤー
少し大きな視点から見ると、入学式や卒業式、始業式や終業式のような「○○式」も、このあいさつの範疇に入ります。式の前後では、仲間が増えたり減ったり、関わる頻度が変わったりします。これは立派な「人と人の間の変化」にあたります。これらは、次の「招き」とも関係しています。
招き
他者を自分たちの仲間にするためには、招くあるいは歓迎することが必要不可欠です。相手が断るかにかかわらず、その言葉や行為そのものが、他者と仲良くなるための力になるのです。
人間は、自分とは異なるテリトリーに入ることを苦手としています。なぜなら、他者のテリトリーでは他者の方が強いため、自分のテリトリーにいるときよりも危険を感じるからです。そのため、見知らぬ人の輪に入るときは緊張したり不安になったりします。
歓迎することによって、招かれた人は緊張を解き安心することができます。なぜなら、招かれた場所はれっきとしたゲストのテリトリーになるからです。人は安心できる場所に留まりたがる習性を持っています。「招き」は「あなたを仲間の一員として認めますよ」という表現です。それにより、招かれた人は安心感を得ることができるのです。
賛辞
褒めることは、他者に対するプレゼントの1つです。プレゼントされると人は嬉しくなります。しかし時折、褒められ認められても嬉しくない場合があります。その理由は、褒める側の価値観と褒められる側の価値観に食い違いが生じているからです。とすると、賛辞がプレゼントとして上手くいくためには、褒められる側の価値観に沿った言葉が必要だということになるのです。
ささやかなサービス
ちょっとした心遣いや思いやり、そういうものが「ささやかなサービス」という提示的儀礼です。サービスとは、無形(形のない)プレゼントのことです。友人と外食に行ったとき、店中に入りやすいように扉を抑えておく、先に席を取っておくなどがこれに該当します。
プレゼントは他者と仲良くなる際に効果的です。しかし、仲良くなるために、大きな価値のあるものをプレゼントする必要は、必ずしもないのです。
まとめ
提示的儀礼は次の4つです。
・あいさつ
・招き
・賛辞
・ささやかなサービス
これらの行動は、他者と仲良くなり、仲間になろうとする際に効果的です。
おわりに
他者を尊重する行動は、儀礼そのものです。仲間を尊重、すなわち大切にする人は、彼らに好かれやすくなります。人付き合いが下手だと感じている人でも、そのルールを言葉にして行動と照らし合わせていけば、知識を積み重ねられるはずです。
この知識によって、私も少し生きやすくなりました。これをお読みになったあなたも、仲間を作ったり一緒に時間を過ごしたりするのが楽になるといいなと思います。
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