ひとりぼっちね、世界。
ひと1人亡くなったくらいでそんなに泣かんでくれ。
あんた世界なんやから。
何を失っても、誰を失くしても世界は周り続けなければならない。
およそ永遠とも言われる寿命を与えられていて、勝手にやめることはできない。
気の合う友ができたからといって、最後まで一緒に来てはくれない。
必ず別れは訪れる。
誰かを始めて抱えた日に、そう遠くないうちにこの子を失うと知る。
ひとりぼっちなのに、万物を包む役目が未来永劫与えられていて、どこにも逃げられはしない。
世界には自分以外の場所がない。
どこにも逃げられはしない。
勝手に生をやめることはできない。
私はいつでもやめることができる。
死にたいとは思わないけれど、一睡もできなかった日の朝とか、お気に入りの食器が割れてしまった午後には、ふとやめたいと思う。
そんな時はいつも、まぁ今でなくてもいいかと切り替える。好きな場所に行く。いっぱい眠る。
いつでもやめられるは最大の切り札。
おかげで私は無敵でいられる。
でもね、世界。
あなたが精一杯生きてくれているから、私も全力で生きようと思います。
無気力なんかじゃなくね。
情熱的に。
時々無鉄砲でも。
けれど最後はやっぱりね、寂しくさせちゃうと思う。
けれど安心して。
私は死んでも生まれ変わるから、その時はまた包んでほしい。
やわらかで、ほがらかなそのからだで。
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