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Rock|デヴィッド・ボウイ《★》

デヴィッド・ボウイがなくなってもう4年が経ちました。

2016年1月8日に発売された《★》(ブラックスター)は、前作《ザ・ネクスト・デイ》から3年ぶり。前作でグラム時代前期のプロデューサー、トニー・ヴィスコンティと制作したアルバムが、モダンロックでとても気に入っていたこともあり、発売日の2日後、1月10日に、渋谷のタワーレコードに買いに行ったことを今でも覚えています。たしか、ステッカーをもらったっけなぁ。

それから渋谷で買い物をしている最中に携帯のニュースで、デヴィッドが亡くなったことを知ります。

デヴィッド・ボウイは、僕にとっての世界との距離を認識させてくれる人でした。(偉大なるアーティストにこんなことをいうのは自己陶酔的ではありますが)自分が考えていること、デヴィッドが表現していることに、どのような近似関係があるのかを測ることで、人生の行き先を照らしてくれるような存在でした。

デヴィッドの死によって僕は行き先を失い、光を失ったかのようなショックを得て、渋谷の街中でぼうぜんとしていました。

それから、《★》を自宅に帰ってもどうしても聞けなくなりました。

おそらく聞いたら素晴らしいアルバムだろうし、デヴィッドがこの時代になぜこのアルバムを提示したのかという問いから、たくさんのことを受け取れることになるのはわかっているのですが、それがこれで最後になることがどうしても受け入れられなかった。

いい音楽であってもすべてがデヴィッドの死に結びついてしまって、センチメンタルにしかなれないんじゃないか。そんな気もしていました。死を受け入れること。最後の光を感じることが、とても怖かったんだと思います。

《★》は、いまだに封すら開けておらず、CDラックの飾られたままになっています。もう聴くタイミングを逃してしまった感はちょっとあるのですが(笑)。どれも聴いてきたデヴィッドのアルバムの中で、たった一つ聴いていない作品があるというのもまたいいのかもしれません。

あなたにも、聴けなくなってしまった音楽ってありますか?

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明日は「Life」。「好きに妄想していい」というテーマで書いてみます。

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