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Human|プロ素人 うさこ(@usakochocolat)さん

(執筆者注)
※このnoteを執筆中にうさこさんがHNを変更され「仰かおる」さんに変身されました。どうしようかと思ったのですが、僕にとってはうさこさんなので、原文ママとさせていただきます。
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江六前さんって、本名ですか?」って、よく聞かれますが、本名です。岩手県一戸町の山奥にある部落の地名で、その部落の人は、みんな「江六前」で、親戚です。郵便局で「ニッポンの名字」という特設サイトが以前あって、そこで名字を検索するとその名字の人数を知ることができました。そのサイトによると江六前は80人ほど。

これが日本のなかで、多いのか少ないのかはわかりませんが、自分で親戚関係をだいたい数えると50人くらいかな、と思っていたので、体感としてはわりと多いなと。Twitterで江六前検索すると、どこの方かわからない江六前さんもいます。

母親も岩手県花巻市出身なので、「岩手からいつ出ていらしたんですか?」なんて聞かれますが、僕自身は千葉県八千代市出身。なので、岩手のことは、年に1回か2回くらいしか行かないので、ほとんど知らないんです。

とはいえ、こんなに珍しい名字なので、自分のルーツとして、岩手県は特別な存在で、出身の千葉県よりも関わりの意味は深いかな、と思っています。

岩手からハイクオリティな情報を発信する素人

うさこさんは、Twitterでお見かけしたのが初めてでした。その後、noteなどを知り、岩手県から発信する情報を楽しみにしていました。

Twitterのプロフィールにあるように、うさこさんは、東京生まれ。ご結婚を機に、旦那さんの実家である岩手に移住されたそうです。

失礼な話ですが、地方からSNSなどで発信される情報は、どうしても個人的な評価になりがちで、情報の質がいいとはいえません。それは、そのお店が良いとか悪いとかではなく、レビューの質としてという意味ですので誤解なきよう。

たとえば、プロダクトの紹介をするにしても、たいていの場合、相対的な評価が甘く、個人的な評価しかできずにいることが多いように思います。チョコレートのレビューも比較対象は、明治ミルクチョコレートみたいな(これは極端な話ですが)。

しかし、うさこさんの情報は、評価を日本や世界を基準に比較しているので、読んでいてものすごく興味深い。

うさこさんの東京時代の発信を知らないのでわかりませんが、おそらく情報の多い東京時代のクオリティと変わらない発信を、岩手に行っても続けているんじゃないか。いったいその熱量はどこからくるのか。そんなことを知りたくて、じつは2020年に「MYあってみたい人」リストの最上位にさせてもらっていました。

そんななか、なんと先日、長野でうさこさんにお会いすることができたのです。

うさこさんは、「アップルライン復興プロジェクト×#CookForJapanコラボディナー」の初日にいらしていました。僕も、このディナーのイベントに取材できていました。

会場でTwitterを開くと、うさこさんも来ていることを発見。写真の角度から、座っている位置を推定し、こわごわ「江六前といいます。もしかして、うさこさんですか?」と、話しかけてみると(人違いだったらメチャメチャはずかしいので)、「はい」とうさこさん。念願の対面は、こんな感じでした。

東京に向けの発信はブルーオーシャン

ディナーのあと、少しの時間でしたが、うさこさんと話すことができました。

一番聞きたかった「岩手行ったら、情報の質が落ちるはずなのに、まったくそれがない。東京のメディアやライターさんの発信となんら変わらない熱量なのはなぜか?」を投げかけると、「あー、岩手の人ではなく、東京の人に向けて発信をしてるからかな。だからかわらないと思います」と、うさこさん。

岩手に来てみると、食材がよくて料理がどれもおいしいんです。魅力がある県なので、東京から人が来てくれたらいい

なるほど、もともと伝えたい先が身の回りではなくて、東京だったのか。だから、東京にいる僕が受け取ることができたわけだ。

地方に来て、発信をやめちゃう人って、個人が発信する情報なんて誰も見てなくて、興味を持たれないと考えちゃうからなんじゃないかと思うんです。じっさい、岩手はテレビが一番のメディアで、飲食店がテレビに出れば、1、2週間は行列が途絶えない。けど、それが過ぎたら普段に戻ってしまうんです。一部インスタとか駆使して、地元向けにPRしているお店もあるんですが、とってもすくない。だれも見ていないと思っちゃうから始めないし、続かない。テレビや自治体のPRが地元に向けてしか情報しか発信しないから、必要とされていないと思うっちゃうのかもしれません。でも私は、そういうスタンスじゃないんです。東京に向けて発信しています

という意味のことを、息継ぎしてないんじゃないかという勢いで話してくれました。

こんなこと誰もやってないからブルーオーシャンですよ

すげーな、うさこさん。思った通りの人だ。インターネットが可能にした「だれでもヒーローになるために動いていい」という自由をぞんぶんに使って、人生を楽しんでいる。

私、よく、職業は?って聞かれるんです」と、うさこさん。

食の仕事についたこともなく、好きで発信をしているだけだと答えると言います。「まさにプロ素人ですね」、と僕。

まわりを見ながら自分の動きを決める日本人が多いなかで、うさこさんのように、人と違う道、違うステージで意識をもってやっていくことは、とても勇気がいるだろうな、と思うけど、そもそもそこで「勇気」とか言ってしまうところが、人の目を気にしている僕のまだまだなところなのかなと。

人のことに興味を持たない」という、究極の多様性が、プロ素人の本質なのだと、うさこさんと話して思ったことだ。

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江六前一郎|Ichiro Erokumae|Food HEROes代表
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