Food|豚肉の質をダイレクトに味わう料理「焼き蒸し」
3/19(金)20時から、clubhouseでCHEESE STANDの藤川さんと山西牧場の倉持さんとの対談でモデレーターとして参加することになっていたこともあり、まずは倉持さんのお肉を食べないと話にならないな、と思い「ロース ブロック 500g【ロースト/トンカツ】」を購入し、さっそく食べてみました。
ビストロメニューをバスク風にアレンジ
良い肉が手に入りその良さをダイレクトに味わいたいと思ったときに僕がよくやる料理が、焼き蒸しです。
雑誌料理王国の編集者時代に、大阪のフレンチの名店「ラ・トルトゥーガ」のレシピを見て自分のレパートリーにしている料理で、ココットで豚ロースの周りを焼き固めてから、アサリと野菜を煮出して出汁をとりながら蒸しあげていく料理です。
塊肉をオーブンで焼いてもいいのですが、肉汁がちょっとでもしたたり落ちてしまうのがもったいないのと、塊肉が手に入ったら水分を抜きながら火を入れるというよりは、保湿しながらジューシーに火を入れたいな、と思うときによくやる料理です。
さらに今回は、トルトゥーガのレシピをベースに、しっかり油で野菜を焼いてメイラード反応をさせて旨味を引き出すバスク料理風のソースで食べたいと思いアレンジしてみたものです。
肉の水分をなるべく留める調理法は、あまりよくないお肉の場合は臭みが残ってしまうので、お勧めできません。今回は倉持さんのお肉を素直に味わってみたいと思ったので、この作り方を採用しています。
メイラード反応とは、食材の中に含まれるアミノ酸と糖が加熱によって結びつきいて起こる反応のこと。反応によってうま味成分が生まれる。
肉も野菜もしっかり焦がして旨味を引き出す
豚ロース ココットの焼き蒸し
材料(2名分)
豚ロース 400g
アサリ 20個
白ワイン 50g
ニンニク 2片
カブ(葉っぱごと) 1株
タマネギ 1個
ニンジン 1個
マッシュルーム(ホワイト) 10個
ローリエ 2枚
トウガラシ 1本
水 100㎖
オリーブオイル、フルール・ド・セル 適量
下準備 倉持さんのロース500ℊで届くのですが、2人暮らしの我が家ではちょっと多いので、ロースのかぶりの部分を外してロース芯だけを使います。
ロースの芯にはしっかりと塩をして、常温で1時間くらい放置して、下味と表面の脱水をします。
かぶりのほうも塩を強めにしてラップし、塩豚にします。2、3日冷蔵庫に入れておいて、炊き込みご飯やスープに使います。
1.ココットにサラダ油(分量外)をしき、強火で加熱します。煙がたつくらいにカンカンにココットが加熱されたら、豚肉の油面を下にして焼きます。火は強火のままです。
2.しっかり焼き色を付けます。焼き色というか、焦がすくらいのイメージで全面を焼いていきます。高温で表面だけを焼き固めたいので、ずっと強火です。
火災報知器が鳴らないように注意しましょう。
3.肉の前面がしっかりと焦げたらココットから取り出します。ココット内に出た油は、高温で劣化してるのでキッチンペーパーなどで吸い取ります。焦げは旨味として使いたいので、ココットは洗いません。肉は、バットなどにのせて休ませておきます。
4.ココットとは別の鍋を用意してサラダ油(分量外)をしき加熱したら、アサリを投入します。いったん温度が下がるので、強火にして鍋の温度を上げたら白ワインを入れて中火の弱火にくらいにし、鍋に蓋をして蒸し焼きにします。
5.アサリの口がすべて開いたら、火から外し、ザルで漉します。アサリの殻から身を外し、アサリの出汁と身を別々にしておきます。アサリもふっくら食べたいので加熱しすぎないようにします。
6.カブ、タマネギ、ニンジン、マッシュルームを大きめに切ります。焦げやすいニンニクは、皮をむかずに切り込みだけを入れておきます。カブの葉は苦味になってアクセントになりますので、捨てずに使います。
7.3で油を吸ったココットに多めに油をしき(分量外)ニンニクを加え鍋を加熱したら、野菜を火が入りにくい順①タマネギとニンジン②カブ③カブの葉④マッシュルームで切った断面を下にして鍋に入れます。野菜の断面にしっかり焼きめをつけてメイラード反応を起こして旨味を引き出します。
8.しっかりと焼き色がついたら、トウガラシと裂いて投入し、アサリの出汁と水を加えてひと煮たちさせます。弱火にして、オリーブオイルをまわしかけたら、ローリエを加えて、軽く煮込みます。
9.火が入りにくいニンジンやタマネギに串をさして、中まで火が入ったところで、表面を焼き固めた豚肉を入れます。ソースに浸さず、野菜の上にのせるようにて、ココットに蓋をします。煮込むというよりは、ココット内の蒸気で蒸し焼きにするイメージです。
10.肉の断面を押してみて、カラーボールくらいの弾力になったら火を止め、肉をココットから取り出します。鍋にアサリの身を投入します。
11.ココット内の煮汁を別の小鍋に引き上げ、煮詰めてソースにします。味みをしながら、塩(分量外)で味を調えます。
12.温めておいた皿に、ココット内の野菜とアサリの身を盛り付け、味をみながら塩・コショウ(分量外)を振ります。引き上げておいた豚肉をカットし、皿に盛りつけます。肉の断面にフルール・ド・セルをふりかけ、煮詰めたソースを肉のまわりにまわしかけます。
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バスク風(バスクに行ったことないけど)の料理ということで、ワインはスペインのものにしました。近くの酒屋さんで買ったので、珍しいものではないと思うのですが、「テンプラニーニョ」という品種の赤ワインをチョイス。意外とあいました。
クリアで雑味のない透明感のある豚肉
豚の飼育環境は、脂の香りに出てくると思っています。ですので、今回はハーブやスパイスをあまり使わず、控えめな塩(調理中は塩をしていません)と、その一方でお肉と野菜を焦がすことで引き出した旨味で、素材の味わいを感じれるような料理にをめざしました。
あとは、肉から水分をあまり出さないことも気を付けました。日本の豚肉はクリアな水分でジューシーに食べさせる方がおいしいと思いますし、先にも書いたように、この調理ですと、肉本来の香りも感じやすいと思っています。
そうした調理で倉持さんの豚肉を味わってみたところ、脂の臭みがまったくなくとてもクリアで透明感があります。丁寧な飼育と飼料の質の良さを感じました(大量飼育になるとどうしても脂に雑味が出てしまうんです)。
赤身の方も適度に脂身(サシ)が入って、臭みのない水分がとどまってて、ジューシーでおいしい。丸みのある塩味が特徴のフルール・ド・セルがそのうま味を引き出し、相性がとてもよかったです。
正しい飼育をされていることが伝わってきて、とても好感がもてるお肉でした。
明日のclubhouse楽しみだな~。
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明日は「Human」。竹矢匠吾さんについて。
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