Life|話がうまい人ってどんな人?
「江六前さん、いろいろインタビューされてますけど、話がうまいな、と思う人ってどんな人ですか?」という質問をされました。
インタビューの内容とか、そのインタビューから記事を書かないといけないので、企画に沿った話が聞けて良かった、と思うことはあるのですが、思ってみると話がうまい人ってあまり考えたことがなかったので、ちょっと答えに詰まってしまったんです。
その時答えたのは「話が脱線しない人」でしたが、それを今一度考えてみます。
話がうまい人はコミュニケーション上手
まず、「話がうまい」とは何かを自分なりに定義します。これは僕の仕事の属性にも関係してしまうのですが、「お互いにとって有益な情報を交換することができる」ことかな、と思っています。
仕事でもプライベートでも、自分のことだけを話したりする人がいますよね。それ自体はいいと思うのですが、会話をするのであれば、たとえば今やっている仕事のことを話すのであれば、相手と関係があるように話すことができたら「話がうまい」と思います。
あとは、相手が話たあとに話を続けるときも同じで、前の話題に紐づいた話題を続けられる人はうまい。さらにそこから自然に話が別の方向(自分が話したいこと)に導けたりすると、うまいなぁと思います。
単純な話ではありますが、自分が話したいこと聞きたいことと、相手が話したいこと聞きたいことが相応に交換できる、「話がうまい」人なのかなと思います。
そのためには「人の話を聞ける」ことがけっこう大事なのかな、と思います。
インタビューするときの準備を教えます
自分がインタビューをする際に「人の話を聞ける」状態にもっていくためにやっていることも紹介しますね。
まずは、インタビュー相手のSNSを見るのは絶対です。今どんなことの興味を持っているのか。そして、どんな発言をして、どんな狙いをもってSNSを運用しているのかを見るのと、人物像が生まれます。さらに、文章はその人の思考をあらわすので、論理的な人なのか、直感的な人なのかを見分けることができます。
それと、過去にインタビューを受けた記事を読みます。チェックポイントは、「共通して話していること」と、「まだ話していないこと」のリサーチです。「共通して話していること」は、その人が大事にしていること、「まだ話していないこと」は、自分がまとめたものが世に出るときに、今まで話したことないことが書かれていないと意味がないという、記事の価値づくりのためです。
その後、僕は質問事項を必ず用意するようにします。僕は、自分が定義する「話がうまい」人ではなくて、けっこう質問がとっちらかって、聞きたかったことを聞けずに終わることが多いんです。そのため、事前の質問事項の用意は、当日のインタビューの大きな流れを作るうえでとても重要だと思っています。
ちなみに、質問事項の作り方としては、僕の場合はインタビューに行く前に、頭の中で原稿の構成を立てておいて、その構成にそって質問事項をたてていっています。もちろんインタビューを終えて、その構成が変わったり、まったく違う内容にまとめ直すことはありますが、それはそれでいいインタビューだったということなので気にしません。
あとは、インタビュー前に、質問事項を改めてお相手と共有します。企画としては、こんな読者に向けて、こんな狙いがある、というようなことも事前に話をしておくと、その流れにそって話を進めやすくなります。また、事前の質問事項をお送りしても、人によって準備の仕方が変わるので、お忙しくてぶっつけになってしまう場合でも、直前に一度企画意図を共有しておくと話の脱線が少なくなるように思います。
「話がうまい人」は相手をよく見ている
さて、話は戻って「話がうまい人」とはどんな人か。
僕はそのとき「話が脱線しない人」と言ったんですが、もう少し考えると会話でコミュニケーションがとれる人、ということになるのかな、と。さらに僕の仕事としては、「うまく話をしてもらう」ことが大事になってくるので、雰囲気作り、事前の準備をしていて、最終的な目標としては、「どんな人であってもうまく話をしてもらう」を目指しているんだな、と改めて感じました。
「話がうまい人」とは、もしかしたらそういった僕の準備を察して、その導線通りに話をしながら、時折、意外なことをいうという、かなりの観察力が高く、相手のことを思いやる優しい人のことなのかもしれません。
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明日は「Art」、美術展の「桃山」に行ってきた話を。