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聞香【3】維摩経

紀元1~2世紀頃のインドにおいて、サンスクリット語で書かれた「維摩経」は、聖徳太子によって日本に紹介された仏典のひとつ。

「維摩経」は初期大乗仏典で、インド・ヴァイシャーリーの長者ヴィマラキールティ(維摩詰)にまつわる物語です。

この仏典のなかの「香積佛品(こうしゃくぶっぽん)第十」に登場する「香飯(こうぼん)」の不思議な力についてご紹介いたします。

これは衆香国という天上界における「妙なる香り」にまつわるストーリーなのです。

この世界より上方に「衆香国(しゅうこうこく)」という国があり、仏の名は「香積(こうしゃく)如来」といいます。この国には香氣があり、十方の諸仏の世界の香のなかで第一といわれています。衆香国は、一切が香でつくられており、楼閣は香木でつくられ、庭園も芳しい香りがします。そして、食べものに香氣があって、その香りは十方の世界に流れ出ております。

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