■「ただそこにいる」ことのたいせつさを―姫乃たま『永遠なるものたち』
色覚についての本を読み
色覚が人それぞれであると知ったとき
強烈な孤独感に襲われました。
隣りにいるこの人と
まったく同じものを見ることはできない。
そして、その人が見ているものを
トレースのように正確に知ることは
絶対にできない。
もちろん、感じ方は人それぞれで
まったく同じことはない、なんて
当たり前のこととして
何の違和感もなく理解していていました。
それでも。
色覚について知ったとき感じた
強烈な孤独感は
私を奈落の底に落としたのでした。
それからずいぶん時間