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予告に騙されないでほしい映画『プロミシング・ヤング・ウーマン』

全人類見るべき映画に認定!

アマプラで配信されている『プロミシング・ヤング・ウーマン』が素晴らしかったので聞いてもらえますか?ネトフリ映画『隔たる世界の2人』を観た時に感じた絶望を感じながらも、ラストは想像を遥かに超えてきた。

絶対ネタバレしたくない方はご注意を。

好き度:★★★★★

あらすじ

30歳を目前にしたキャシー(キャリー・マリガン)は、ある事件によって医大を中退し、今やカフェの店員として平凡な毎日を送っている。その一方、夜ごとバーで泥酔したフリをして、お持ち帰りオトコたちに裁きを下していた。ある日、大学時代のクラスメートで現在は小児科医となったライアン(ボー・バーナム)がカフェを訪れる。

予告に騙されないで

「女は化粧しすぎだよ、男は嫌いなのに」「女だったら笑え」「性犯罪の被害に遭うのは泥酔するほうが悪いのでは?」「俺たちは悪くない、ガキだっただけだ」こういったセリフの数々に嫌気がさしてくる。笑って見ていた、何もしなかった傍観者たちにも。

予告では「復讐エンターテイメント!」みたいな感じで言われていて、まあ確かにそうだしキャッチーなフレーズではあるんだけど、本質はそこではない。

テーマは重いしメッセージ性が強いのだが、見せ方がうまい。キャシーの働くコーヒーショップの色合いがポップでとてもかわいかった。音楽も全部いい。エンタメとしてきちんと成立しつつ、観た人に強く訴える力がある映画だと思う。エンタメ作品としてだけ消費して、そこで思考を止めないでほしい。

息を呑むラストに向けて考えたこと

なぜ告発をした被害者が出ていかなくてはならないのだろう?なぜ被害者にだけ加害者の名前がついて回るのだろう?なぜ被害者だけが苦しみ、加害者は成功して結婚までしようとしているのだろう?

こういう映画を見るたびに、もし自分に子どもがいたらどんなふうに話をするだろうと考える。どうしたら守ることができるんだろう。その責任が重すぎて、怖い。

ラストは最悪の展開なのに笑ってしまうくらい晴れやかで、泣いた。感情がぐちゃぐちゃだった。プロミシング・ヤング・ウーマン(Promising Young Woman)とは「前途有望な若い女性」という意味。前途有望な人みんなが、救われる世の中でありますように。


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