2016年読書総括
だいぶ遅れてしまったが、毎年恒例の読書総括。
2016年に読んだ本リストと感想をまとめる。
過去分はこちら。 ※Note移行のブログの記事です。
・「2015年読書総括」
http://eruuuuu.blogspot.jp/2016/01/2015.html
・「2014年読書総括」
http://eruuuuu.blogspot.jp/2014/12/2014.html
<1月>
9日『仏果を得ず』三浦しをん
21日『虐殺器官』伊藤計劃
<2月>
17日『まほろ駅前番外地』三浦しをん
<3月>
3日『火花』又吉直樹
8日『スクラップ・アンド・ビルド』羽田圭介
26日『ハーモニー』伊藤計劃
31日『踊る人形』森川智喜
<5月>
11日『絶叫城殺人事件』有栖川有栖
24日『きみとぼくの壊れた世界』西尾維新
<6月>
5日『世界から猫が消えたなら』川村元気
<8月>
6日『女王の百年密室』森博嗣
15日『白ゆき姫殺人事件』湊かなえ
28日『そして二人だけになった』森博嗣
<9月>
4日『銃とチョコレート』乙一
7日『怒り 上』吉田修一
15日『怒り 下』吉田修一
→書評「永遠のグレー―吉田修一『怒り』」
https://note.mu/eriomitsushima/n/n2ce51766709f
23日『神様のボート』江國香織
<11月>
26日『69 sixtynine』村上龍
<12月>
3日『脳男』首藤瓜於
11日『ブエノスアイレス午前零時』藤沢周
19日『ぼくの小規模な自殺』入間人間
26日『パレード』吉田修一
31日『多重人格探偵サイコ1』大塚英志
計23冊
また、今年は漫画編集者に転職したことに伴い、フォアグラにされるアヒルよろしく大量の漫画を詰め込んだ。時期は不明、また、続刊が長く続いており、1冊しか読んでいない作品などは覗き、ある程度まで読み進めている作品のみ以下に列挙する。
『花より男子』神尾葉子/『スラムダンク』井上雄彦/『彼方から』ひかわきょうこ/『僕の地球を守って』日渡早紀/『プリンセスメゾン』池辺葵(未完)
書評→「夢のお城に住みたいの――池辺葵『プリンセスメゾン』」
https://note.mu/eriomitsushima/n/n5b8ea531ca3f?magazine_key=m5a0d6a2b7eb5
/『MARS』惣領冬美/『天は赤い河のほとり』篠原千絵/『ふしぎ遊戯』渡瀬悠宇/『ドラゴンボール』鳥山明/『月に吠えらんねえ』清家雪子(未完)
→書評「地獄でずっと遊んでろ――清家雪子『月に吠えらんねえ』」
https://note.mu/eriomitsushima/n/nc86eb21dc73b?magazine_key=m5a0d6a2b7eb5
/『リョウ』上田倫子/『ヘルタースケルター』岡崎京子/『ワンパンマン』one(未完)/『タッチ』あだち充/『星の瞳のシルエット』柊あおい
完結済かつ読了済 計12作品
[傾向]
昨年度の48冊と比較し、小説の冊数は大きく落としたものの、漫画をかなり読んだのでインプット量としては引けを取らないのではないかと思う。
また、漫画に関しては「有名な作品はそれだけの価値があるのだからとにかく読むように」との上司からの指令をいただき、色々な漫画を借りることができたので、好き嫌いに左右されず幅広く読むことができたように思う。
小説に関しては、昨年同様「有名だけど読んでなかった」作品も読もうとしていたものの、どうして自分の好きな作家やミステリーやオカルト要素のある作品にかなり偏ってしまった。
[MVP]
小説、作品問わず、素晴らしかった作品を挙げる。分母が少なかったこともあるが、2016年はホームラン級の作品が余りなかった印象。
・『虐殺器官』伊藤計劃
作り込まれたSFの世界観、緻密に組まれた文章、余すとこなく、かつ予想できない方向へと終息する結末など、文句なし。文学としてもエンタメとしても素晴らしかった。それだけに、世界観を引き継ぐ同シリーズである『ハーモニー』やや失速気味だったのは惜しかった。
・『神様のボート』江國香織
愛した男を待ち続ける母とその娘が、全国各地を転々とする静かな生活を描いた小説。母と娘という、一見平穏なようでいて絶妙な緊張感の上に成り立っている二人暮らし。そして、自立、自我の芽生えといった形でその立場が逆転し、均衡が崩れるその瞬間。多分誰しもある、大人になっていく過程での苦しみと切なさのようなものが淡々と描かれている。そして、一人の男を何年も待ち続けるという静かなる狂気! あとがきで江國香織が「今までで一番狂った作品だと思う」というようなことを書いていたが、その通りだと思う。傑作。
・『月に吠えらんねえ』清家雪子
→書評「地獄でずっと遊んでろ――清家雪子『月に吠えらんねえ』」
https://note.mu/eriomitsushima/n/nc86eb21dc73b?magazine_key=m5a0d6a2b7eb5
漫画作品。2016年はこの作品に出会えたことが僥倖だと思う。出口のない創作の苦しみを描ききった作品。漫画でありながら文学である。
[まとめ]
意識的に読んでいる月とそうでない月に差があるので、2017年は「常に何かの小説を読んでいる」という状況を維持したい。また、漫画作品についてはレポートを書いているので、後日別途記事を挙げる予定。