宮島にまた来たくなってしまう理由
宮島に来ました。人生2回目です。
前回来たのは3年前でした、広島出張の帰りに1人でふらりと訪れたら、あまりに荘厳な景色に感動し、また見たくなって。
今回は宿泊して宮島を堪能することにしました。理由は2つ。まずは泊まってみたい宿があったから。もう1つは、夜に満潮になる時期なので、海に浮かぶ鳥居を船でくぐることができるのを知ったからです。
ちょっと前、食材の可能性を引き出す天才、大好きな奥田政行シェフが食のプロデュースをしている旅館が宮島にあると知りました。宿の名は「宮島別荘」。お料理はもちろんのこと、おもてなしもお部屋もロケーションも全てが優しいお宿。ロビーには読みたい本がたくさん。そしてお部屋にはワーキングスペースも。神の島のパワーで集中できるかもしれません。
色とりどりの地元食材を使った美味しい島イタリアンの夕食を楽しんだ後は、もう1つの宮島訪問の目的、夜の遊覧船に乗って、鳥居をくぐり抜けます。宮島別荘から乗り場までは1分のベストロケーション。
さあ、出発。遊覧船のガイドさんの話がとてもわかりやすく、ワクワクしながら大鳥居まで船は進みます。
そもそも、なぜ宮島厳島神社の鳥居は海に浮かんでいるのかというと、宮島は島全体が「ご神体」として信仰されているので、島に鳥居を建てるのは畏れ多いとされてきたからなんだそう。
平清盛が全盛期に厳島神社や大鳥居を建立してから850年。海に浮かぶ神秘的な姿は、時を超え人々をずっと魅了してきたのでしょう。平氏が源氏に滅ぼされてからも、戦国時代には毛利元就、安土桃山時代には豊臣秀吉と、その時代ごとに新たな強いスポンサーがついていることが何よりの証拠のようです。
満潮時。暗闇の中、厳島神社の本殿を見ながら、清盛や秀吉も崇めたであろう大鳥居を船でくぐり抜ける瞬間は、言葉が出なくなります。
ガイドのお兄さんの言葉が印象的でした。
大鳥居は6月から修復工事に入ります。平安時代から8代目、1875年に建立されたこの大鳥居も見納めです。老朽化の状況によってはオリンピック後までかかるかもしれない。でも、100年後200年後を考えたら、ここで数年かけてでも、直しておくべきなんです。今の鳥居には、香川県と宮崎県の木を使っています。でもやっぱり、将来は宮島の木を使いたい。だから裏山に木を植えています。でもそれが柱になるくらいまで大きくなるには100年くらいかかるかもしれない。でも今から育てないと大きくならない。長い長い取組をみんなで引き継いでいくんです。
次の世代につないでいく仕事。自分自身は成果を体感できないけれど、プロセスを積み上げていく偉大な仕事。こうやって歴史は人から人へとバトンが渡され積み重ねられていくのですね。
神さまと人をつなぐ大鳥居。そして、土地の宝である食材で人と人ををつなぐ料理に会いに、またきっと神の島「宮島」を訪れよう。そう決めて、広島の平和公園行きの船に乗りました。
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