あなたの会社は知らないうちに調べられている
先日、一人の経営者の方がご相談に来られました。
これまで取引したことのないような大手企業から商談の話があったとのこと。
そして、気合を入れて臨んだ初めての商談。
そこで、先方の担当者からこう言われたそうです。
「御社は東京商工リサーチや帝国データバンクに情報が登録されていないようですが、大丈夫ですよね?」と。
その社長は、そもそも取引前に会社が調べられること自体、考えたこともなかったそうです。
慌ててネットで情報を探していたら私がヒットして、ご相談に来られたのでした。
実は、この社長と同じように、あなたの会社も知らないうちに"調べられている”かもしれません。
私は、企業信用調査会社の(株)東京商工リサーチに10年以上勤務し、7,000社以上の企業を見てきた元・調査員です。
その調査の現場で見てきた信用調査の実態をお話ししたいと思います。
知らないうちにビジネスチャンスは決まっている
会社と会社が取引をする時、新しい取引先を検討する時、そこでは必ずと言ってよいほど相手企業の調査が行われています。
取引先に問題があると大変だからです。
代金の未回収、商品の納期遅れ、どれも自社の経営に大きな影響が出てしまいますよね。
すでに取引がある会社でも、「この会社と取引を拡大しても大丈夫か」と調べます。
とくに大手企業になると、相手企業のチェックは厳しいです。
万が一、取引先で品質トラブルが発生すれば、自社製品も信頼を失います。
法令違反があったら、企業の評判もガタ落ちです。
銀行も調べます。
新規融資の声をかける前に、融資担当は自分で情報を集めます。信用調査会社のデータもチェックしたりします。
「最近の業績はどうか」
「悪い情報はないか」
そんな情報も、あなたが知らないうちに把握済みです。
官公庁取引もそう。
入札参加資格の審査、補助金の審査。この審査では、提出書類以外に、過去の実績や業界での評判まで確認されることがあります。
さらに意外なところだと、テレビ局などのマスコミが調べることもあります。
企業を特集する時に、あらかじめに詳しく調べて、放送前に企業の信頼性を確認しています。
つまり、あなたの知らないところで会社は調べられているんです。
そして、評価されている。
知らぬ間に、さまざまな判断がされているということです。
調査会社には、さまざまな「会社を調べたい」という依頼が入ってきます。
正直なところ、「こんな場面でも調べているのか!」と、私自身驚くことが多かったですね。
それくらい会社は色々調べられているんです。
情報開示が未来を変える
調査員として7,000社以上の会社を見てきた中で、相手が知りたい情報をきちんと開示できている会社は、明らかにたくさんのビジネスチャンスつかんでいました。
さて、冒頭でお話しした社長がその後どうなったのかお伝えします。
今回のお話は、先方の大手企業の「仕入先」になるお話でした。
なので、お相手が最も知りたいであろう「安定供給できるか」を意識して、情報開示をする戦略を立てました。
増産に対応できるよう従業員の採用を進めていること。
組み立て工程を見直して、生産効率を上げたこと。
そんな日々の努力をホームページや商談、信用調査での回答でしっかりお伝えしました。
そして、いまでは、取引を全国規模にするお話も出はじめています。
いままでにない大きな取引が進んで、社長は毎日お忙しそうです。でも、とても喜んでいます。
会社の評価は、あなたが知らないうちに決まってしまいます。
でも、相手が本当に知りたい情報は何か考え、正しく開示できれば、その評価は必ず変わります。
むしろ、評価を上げるチャンスです。
「うちはどうすればいいか」
「何を準備しておくべきか」
どうすべきかは、状況によって異なります。
私の公式サイトでは、色々なケースを想定したブログを配信しています。
もしよかったらご覧ください。
▶会社信用ドットコムブログ
「信用調査って何?」
「どんなものなの?」
という方はこちらの記事を読んでみてください。元・調査員の私が調査の裏側を語っています。
このnoteでも、企業評価をアップさせたり、審査を突破する方法をお伝えしていきます。
また読んでみてくださいね。
それでは、本日はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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