海と空の間で
ホームにいる夫の祖母、マミーのお見舞い帰りに
港町カシ(カシスとsを発音する人も多い)に寄った。
海は入り江に囲まれて、水は底が見えるほど
透き通っている。
港にずらりと並んだ船や
様々な屋台を見て歩く。
観光客の多い街だ。
久しぶりの遠出に、娘は
海に落ちそうにはしゃいでいた。
なんて可愛い船!
レストランで夕食を食べお腹も膨れたので
灯台まで歩こうということになった。
通りかかった海岸の美しさにハッと息を呑む。
暮れかけたピンクの空が海に映り
のんびりくつろぐ人々の向こうには
あまりにま真っ直ぐな地平線。
反対側は港、丘の上にはお城が見える。
それから灯台の足元に座って
楽しんだ海の日没は、
マジックショーを観ているように素晴らしかった。
最後の力を振り絞るように
入り江を赤く照らす夕陽と
夜の海にキラキラを映すほんのり光る半月。
灯台は時々緑に光る。
帰る頃にはすっかり日が落ちて
街やお城はライトアップされていた。
落ちつく街だなあと思ったら
港周りのレストランやお店では
音楽がかかっていなくて
聞こえるのは
地中海の波の音とカモメ、人々の囁き声だけだった。
海と空に圧倒的な力をもらって
幸せな気分で家路に着いた。
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