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Dixième jour 10日目
年に一度、検診のために歯医者、眼科、婦人科に行く。
今日は眼科に行った。
薄々思っていたが
やはり老眼が進んでいた。
普通のことです、こればっかりは抗えませんよと女医さんが微笑んだ。
新しい眼鏡を作るなら日本が良いなあ、安いし質も良いし。。。
けれど半年も待ってくれるのだろうか、私の目。。とも懸念する。
いつか猫沢エミさんが
「順調に歳をとっている」とインスタグラムに書かれていて
ああなんだか良いなあと思った。
そうだ、全ては順調なのだ。
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パリに猫と暮らす猫沢エミさんのエッセイを
日本から持ち帰り
この秋に読んだ。
他人事とは思えない猫への愛に震えた。
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その時私はにわか一人暮らし中で
眠る前に猫のパールと一緒に布団の中でこの本を読み終えた。
そして信じられないけれど夢を見たのだ。
とてもリアルな夢で、最後に私の腕の中で
去年逝ってしまった猫の武蔵がそれは穏やかに息を引き取った。
うちの三匹のスフィンクス猫のうちでもかなりのツルツルだった
武蔵の肌触りと、あの憂いのある目に夢の中で会え
猫沢エミさんに感謝した。
目が覚めた私の腕の下には武蔵の妹分であったパールが丸くなって寝ていて
ああ夢だったんだと思った。
クリスマスのひと月前に天国に行った武蔵だから
あの日からもう1年が経ったのだった。
その間に4回季節が巡って
娘は10センチも背が伸び
私の老眼は少し進んだ。
パールは辛い治療を乗り越えて元気になり
今日も暖炉の前で寛いでいる。
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