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映画ファーストキス 感想

坂元裕二さん脚本 塚原あゆ子さん監督ということで気になっていたこの映画。周囲で評判が良かったので観に行ってきました。 

<ネタバレなしの感想>
 
人生において”ここのポイントは絶対的に運命が決まっているけど それ以外は融通が利くのであなた次第なんですよ”と、優しく問いかけられているような作品でした。

松たか子さんはもちろんのこと、松村北斗くんがめちゃくちゃ良かったです!
 
駈(かける)の持っている純粋さ・頑なさ、どうしてもカンナに惹かれてしまう柔らかな恋心と、彼女が未来の妻と知ってからの芯の強い愛情表現が見事でした。
 
(以下、ネタバレを含む感想になりますので未見の方はお気をつけて)
 
 
 

*****
 

私が一番泣いてしまったのは、駈が15歳年上のカンナが未来の妻であることを知り、”今のその年齢のカンナ”を好きだと伝えたこと。結婚して、その年齢であるカンナに会いたいと言ったこと(意訳)。

それは既に彼を亡くしたカンナにとって、生きている間に一番欲しかった言葉であり、結婚して離婚を決意するまでの15年間に味わった寂しさを埋めるのに十分すぎるほど、温かく優しいものだったから。
 
タイムリープのからくりはさっぱりわからないけれど、カンナが何度も何度も過去に行って未来を変えよう(駈が死なない未来にしよう)とするたびに「駈のこと どれだけ好きだったんだよ!」と思ったし、彼女が若かりし頃の駈にもう一度恋をして、どんどん綺麗になる姿が可愛くて仕方なかったです。 
 
二人が出会って結婚すること、駈があの日に亡くなることはどうしても変えられない。
 
だけどそれまでの15年間をどう過ごすかは変えられる。
 
駈が自分の未来を知ってからの結婚生活、おそらく知らなければうるさくカンナを問い詰めたであろう彼女のクセ(トーストをお皿なしで食べる、駈の靴下を履く 等々)が、すべてひっくり返って彼にとっての愛おしいものに変わっていることにも泣けました。
 
最後、届いた餃子は代引きではなくなっていたし、駈の遺影は微笑んでいた。描かれてはいなかったけど、きっと餃子は美味しく焼けて、その一部をカンナは駈に供えたんじゃないかな。
 

坂元さん特有のテンポの良いセリフ回しはやはり楽しかったです。「結婚するとお互いの欠点が4Kで見えてくる」という言葉には笑った!
 
15歳年上のカンナが駈とキスをした瞬間に過去の自分の(おそらくは駈との初めての)キスを思い出すシーンも良かったなぁ。愛おしそうに彼の背をなでる指が、本当はずっとそうしたかったのだと語っているようでした。
 
 
*****
 
 
松さんも北斗くんもそれぞれに、20代と40代の演じ分けが素晴らしかったです。
 
この映画は夫婦で鑑賞しても良いかもですね♡
 
 
 

『ファーストキス 1ST KISS』 公式サイト


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