歌舞伎・文楽の解説、という仕事。(3)
行き当たりばったりで書いているので、なんだかイヤホンガイドの広報みたいな内容になってきてますが、今日も引き続き、私の視点から歌舞伎や文楽の解説をする、という仕事をお話しします。
昨日の記事はこちらから↓
濃すぎる個性のベテラン大御所たちを筆頭に、いきさつ様々なおよそ30名の解説者たち。歌舞伎と文楽の公演はお正月などの多い時期で、合わせて6会場ほどでしょうか。演目数は20以上になるのかな。演目の担当は、イヤホンガイド社内で、解説者のキャリアや得意分野、キャラクターなどなど勘案して決められるようです。「ようです」と書いたのは、オファーされる立場なので、そこらへんのことがよくわかっておりません(笑)
で、ここで声を大にして言いたいのは、
イヤホンガイドの解説は、毎回ひとつひとつ新たに作られています。
よく言われるのが「使い回しかと思った〜」。いいえ、使い回しではないのです。事情がない限り、再び過去の解説を使うことはありません。毎月、演目ごとに担当者が割り振られ、解説者30代から80オーバーまで、うんうんうなって試行錯誤し作っています。
解説は、唯一無二で一期一会。
出演者が違えば、舞台も変わる。同じ舞台は二度とありません。それと同じで、解説者が違えば、解説も変わる。衣装の説明が得意な人、歴代の役者がどう演じてきたかを肌身で知っている人、雑学的知識が豊富で止まらない人、舞台に合わせた世界観づくりが得意な人・・・。同じ解説者の解説でも、前回と今回、昔と今では視点が変わって内容が変わります。当然、作品ごとに「ここは押さえておかないと」なポイントはあるので、それぞれ踏まえますが、その他の部分は解説者の個性、感覚、観点次第。そこに実際の舞台が掛け合わされて、唯一無二で一期一会な解説が生まれます。
私は、一度観た舞台をすぐに忘れるという、絶望的とも思える個性があるため、本気で毎回新鮮な気持ち。ほとんどイチから調べ直し、あーでもないこーでもないと悩みながら原稿を書き上げ、滑舌の悪さをごまかしながら録音していただき、お稽古を観て青ざめ、半泣きで原稿を修正し、再録音。そして再びお稽古に合わせてもらって白目を剥いて、号泣しながら原稿を修正。再々録音(繰り返す)。そしてどうにか初日を迎え・・・先輩からご指摘を受けて再び修正し、ああああああ、という感じでいつもやっております。
けれども、かつての名解説者、小山観翁先生のように全てが体にしみ込んでおられた方は、原稿を書くことなく録音ブースにご着席。名調子ですらすらとお話しされて、解説ができあがっていったようです。
イヤホンガイドの解説がどのように作られていくのか、詳細な流れが、イヤホンガイド社のnoteに掲載されていました!昨日発見。読んでないことバレバレ(笑)ですが、こちらにリンクを貼らせていただきますのでご参照ください。いやあ、なかなか大変な仕事ですね。
https://earphoneguide.eg-gm.jp/n/n4cb483112e33
このあと、何を書こうか、ちょっと失念したので、今日はここまで。
なんとなく毎日更新する訓練中なので、これくらいライトな感じでやっております。
最後まで読んでくださいましてありがとうございました!