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飛行機は向かい風があるから飛ぶんだよ


45歳で初めての転職。

まさに「精神と時の部屋」に放り込まれたような日々――時間の感覚がなくなるほど濃密でした。それでも、なんとか見つけ出した小さな工夫やこれまでの経験から得た教訓で乗り越えられたというお話です。



体に感じた異変

転職後のある日、目がゴロゴロ痛み、眼科に行くと「瞼に石ができていますね」と言われました。石ができるなんて初めての経験でした。

また、別の日には、資料を説明しようとするとむせたり、喉が詰まって声が出なくなったことも。喉が詰まっている間、「これ、映画の主人公だったら成長の伏線だよね」と謎の冷静さで自分を眺めながらも、「そろそろなんとかしないといけない」と考えました。


バンコクで知った「人に頼る」という教訓

そんな日々の中、ふと思い出したのは、バンコクで過ごした時間のことです。

言葉も文化もわからない中、一人でなんとかしようとしても何も進まない。それどころか、当時は軍のクーデターで主要道路が封鎖され、戦車が道路を走る中で毎日通勤経路を変えなければならない日々でした。

情報の多くがタイ語で流れる状況で、安全に出社するには会社の仲間に聞くしかない。朝早く迷惑かな、とか忙しいかなと思いつつもそんなことは言っていられない状況。聞いてみると意外と相手はウェルカムで物事が動き出す経験を何度もしました。この時学んだのは、「自分一人で抱え込むのではなく、周囲に助けを求めることがどれほど大切か」ということ。

転職後の環境でも、「自分の状況や課題を周りに話す」ことが、新たな視点や解決策を見つける重要な方法でした。


初心を忘れない「デスクメモ」

転職を決めたときの理由や目指す未来を書き出し、デスクの見える場所に貼りました。

頭が混乱して何が何だかわからなくなった時でも、その紙を見ると「ここを乗り越えれば新しい景色が見えるはず」と自分に言い聞かせることができました。


朝のノートで「頭のデトックス」

毎朝、起きるとまず初めにモーニングページと呼ばれる頭の中のぐちゃぐちゃしている考え事をひたすらノートに書き出す時間を作りました。

当時よく書いていたのは「今日を凌ぐ」という一言。それだけで、「大きな目標なんてなくてもいい。とりあえず今日持ちこたえよう」と肩の力が抜けました。


猫が教えてくれる「今を楽しむ力」

どんなに忙しくても、愛猫の「自由すぎる」姿を見ると、ほっとする瞬間がありました。

資料の締め切りに追われていた夜、愛猫のもなかさんが「遊ぼう」と腕をトントンとしたとき、「あぁ、猫はこんなに自然体なのに、私は何をこんなに力んでいるのだろう」と気づかされました。


「向かい風」の中で見つけた力

「逆風に陥ったら思い出せ。飛行機は向かい風があって飛び立てるのであって、追い風に運ばれるわけはないのだ。」

ヘンリー フォード

なんていい言葉なんだろう。つい、課題を突破することばかり考えてしまいがちですが、それだけではない。もちろん、前に進む力は必要だけれど、向かい風がなければ飛び上がれない瞬間もある。この言葉は、あらゆる場面で私の背中を押してくれるものでした。


まとめ――「今日を凌ぐ」という力

どんなに忙しい日々でも、「今日を凌ぐ」という小さな工夫を積み重ねていけば、きっと未来につながると信じています。

逆風の中でも、ちょっとした工夫で自分を整える時間を見つけながら、少しずつ進んでいく――それが、次の自分に出会う鍵になるのだと思います。
どれか1つでも参考になれば嬉しいです

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