【クルーの生活】セレスチャルクルーズ-Celestyal Cruises エンターテイメント部門
こんにちは、クルーズ客船ので働くEriです。
クルーズ会社3社経験し、現在は会社の方針で、わたしを含め、ほぼ全員軽く解雇状態ですが、ポジティブに生きてます。
さて、今回は、わたしが初めてクルーズ客船で働いたときのことを記憶をさかのぼって書きます。
ちなみに、YouTubeは、実際働いたときの写真と動画をふんだんに使っておりますので、イメージがしやすいかと思います。
お時間のある方は動画も観てみてください♪
わたしが、セレスチャルクルーズで働いたのは、2011年4月~11月。
初めて働いたクルーズ客船で、その頃は ルイスクルーズ(Louis Cruises)という会社名でした。
セレスチャルクルーズはキプロスベースのクルーズ会社で、主にギリシャの島々とトルコを巡るクルーズで、エーゲ海クルーズとも呼ばれたりします。
ちなみにエーゲ海のシーズンは4月~10月、11月になると海も荒れてくるし、冬なので基本的にクルーズ客船は運航しません。ミコノスやサントリーニなど、ギリシャの観光スポットも、ほとんどのお店も冬は営業しません。
なので、この船のコントラクトは全員3月もしくは4月~シーズンが終わるまでなので、どの部署も8か月コントラクトでした。
そして翌年、基本的には同じ人が同じポジションで船に戻ります。
この航路を巡る船は2隻あり、1隻は2泊3日と3泊4日という短いクルーズを繰り返すマジェスティ、もう1隻は1週間クルーズのクリスタルで、わたしはラッキーなことにクリスタルにアサインされました。
このラッキーというのは、おそらくクルーズ客船の事情を知ってる人しか分からないと思います。
簡単に説明すると、クルーズ客船が1番忙しい日は、お客様の入れ替えを行う日です。
お客様を午前中10時までに下ろし、同日の正午から新しいお客様の乗船を開始するのが一般的です。
この日はとにかく全ての部署が忙しく、みんな最大労働時間を超えるか超えないか、いや超えてるんじゃなかろーかというラインで朝から晩まで働きます。
もうわかりましたね?短いクルーズだとそれが数日おきにくるので、本当に忙しいわけです。というわけで、初めての船が、7日間クルーズだったのは、幸いでした。
わたしの仕事内容を説明する前にこの船の特徴がわからないと、イメージしにくいと思うので、簡単にご説明します。
このクルーズ客船は、最初に書いた通り、ギリシャの島々とトルコがメインでした。とくにギリシャは、夏になると、世界各国から観光客が押し寄せる人気の国です。
というわけで、この船のお客様は、世界各国から来ており、英語が全く話せない、話せるのは母国語だけというお客様も多くいらっしゃいました。
そのため、この船にはインターナショナルホステスという、英語を話さないお客様のアシストをするポジションがありました。
ちなみにこのポジションは、どの船でもある部署ではなく、お客様が多国籍な場合にのみ、ある部署なので、アメリカ国籍でアメリカを中心にクルーズをするカーニバルやロイヤルカリビアンなどにはないポジションです。
もう一つの特徴は、乗客の最大収容人数が800人くらいのかなり小さい船でした。
さて、なんとなく船の特徴が分かってきたところで詳しく仕事内容などについて説明していきましょう!
部署はエンターテイメント
わたしの部署は”エンターテイメント”と呼ばれ、船上で行われる全てのアクティビティは、このエンターテイメント部門の人が行います。お客さんが船上で楽しく過ごせるお手伝いをする部署です。
直属の上司はクルーズディレクターで、その下にアシスタントクルーズディレクター、そしてわたしたち”インターナショナルホステス”がいました。
他に同じ部署に所属してるのは、ダンサー、シンガー、ミュージシャンやDJなどです。(なぜかほぼ全員ウクライナ人)
インターナショナルホステスの仕事は、色々ありますが、必要なスキルはバイリンガル以上であること。
この船のエンターテイメント部門には、特別なエージェントと契約してるのか、ウクライナ人がほとんどでした。
クルーズディレクターはイギリス人、アシスタントクルーズディレクターはその旦那で、コスタリカ人。
インターナショナルホステスは全5名で、3名がウクライナ人でした。母国語の(ロシア語)と英語の他に、それぞれ、ギリシャ語、トルコ語、ドイツ語を話せるトリリンガルでした。
あと、フランス人とギリシャ人のハーフで、フランス語、ギリシャ語、英語を話せるマリアという女性(わたしのルームメイトでした)と私のチームでした。
因みにクルーズディレクターは、英語、フランス語、ギリシャ語、スペイン語、ドイツ語を流暢に話す素晴らしい人でした。
仕事の内容
船上のアクティビティ
まず、日々の業務に、船のアクティビティがあります。船上では、様々な無料のクラスや、アクティビティが開催されています。
ヨガ、ピラティス、折り紙、タオルホールディング、ビンゴ、カラオケ、ラインダンス、トリビア(クイズ)など。
ホステスはその仕事を、ダンサーたちと分担して担当します。
ホステスのウクライナ人の女の子たちは元々ダンサーだった人ばかりだったので、ヨガやピラティスなどを含めた、ダンス全般は全て彼女たちの担当でした。
わたしはもちろん折り紙担当でしたが、そのほかにビンゴやカラオケの司会をしていました。
その他の大きいイベントは全てクルーズディレクターが仕切ります。
このアクティビティは、時間がなるべく重ならないようにクルーズディレクターもしくはアシスタントクルーズディレクターがスケジュールを立てて、前日にスケジュールを貰いました。
寄港地のDuty
Dock (ドック)= 船が港に接岸し、停泊すること
Tender(テンダー)もしくはAnchor(アンカー)
= 船が沖合に錨を下ろし停泊すること
Duty(デューティー)= 与えられた任務
寄港地にて、船が港に停泊できて、なおかつ観光地が徒歩圏内の場合は、わたしたちのDutyはありませんが、観光地が少し離れていて、船会社がゲスト用にバスを用意するときには”Duty”があります。
何をするかというと、自分の船のロゴが付いたプラカードをバスの停車地で持って、ゲストが迷わないように案内するのです。
このDutyは色んなケースがあり、テンダーのときはテンダーボート付近でプラカードを持ちます(錨を下ろす場合は、ゲストはテンダーボートと呼ばれる、緊急時に使ういわゆるライフボートとを使って、船と陸の間を往復します)。
また、サントリーニ島ではケーブルカーで街に行くのですが、他の船も寄港してる時などは、ケーブルカーに長蛇の列ができてしまいます。
なので、出港2時間前には、プラカードを持ってケーブルカー付近をチェックし、ゲストの乗り遅れがないようにするのも仕事のうちのひとつでした。
また、このDutyのときはウォーキートーキー(トランシーバー)を持ち、船のスタッフとやり取りをします。これにより出港前に乗客が全員乗船していた場合は、予定より早く出港したり、最後のお客さんが来た時も船にいち早く知らせることができます。
豆知識:エーゲ海では各港が近いのであまり関係ありませんが、船はスピードを上げるほど燃料を消費してしまうので、キャプテンはできるだけゆっくり航行したがります。よって早く出港できるのは良いことなのです。
Port Information Duty
他には、船が寄港地に到着する前に、港の情報を案内するデスクのDutyがありました。
地図を用意して、船が港に停泊したらどこにいけばいいか、簡単な説明をし、地図もたくさんプリントアウトしてあるのでそれも希望の人に渡します。
ショーでのグリーティング
どの船も夜はショーがあり、基本的には同じショーを2回行います。
わたしたちの仕事はグリーティングで、入口にてショーの始まりと終わりに来てくれてありがとー!とか、挨拶するだけですね。
あとは、ショーにもよりますが、ショーが終わった後にミュージシャンがみんなが踊れそうな音楽をかけるので、私たちはゲストを誘導してゲストと一緒に踊らねばなりませんでした。
ウクライナ人のホステスは、みんな元ダンサーが多かったので、なんでも踊れますが、わたしとマリアには苦痛の時間でしたね。
下船前夜はマンマミーアというABBAの曲のテーマのショーだったので、ショーの最後にはゲストをステージに呼び込み、オリジナルの簡単なダンスを”ダンシングクイーン”に乗せて踊りました。これは覚えてしまえば簡単だったので楽しいと思う日もありました。
各言語での説明会
これは自分の担当する国のゲストがいる場合のみ行われます。
わたしの場合は日本人の団体などがくると、乗船日に船の説明や、避難訓練の説明などを行い、下船日前日には、下船の順序などを説明しました。
船内新聞やメニュー
船内では毎日船内新聞というのをゲストの部屋に届けます。これは日ごとのスケジュールが書かれたもので、いつどこでどんなアクティビティがあるとか、何時にどこの港について、出港は何時とか、大切な情報が入ってるのですが、これもホステスの仕事でした。
しかも、この新聞をプリントして、織り込むのも私たちの仕事でした(笑)
普通はプリンターがいて、きれいにプリントし、A3サイズの紙を半分に折るのは機械なんですが、、、
船の操縦室
これは船によって行われない船もありますが、船によっては操縦室を見れるツアーがあります。ラグジュアリークラスの船を除いては、ほぼ追加料金となります。
これも日本人が申し込んだ場合は、一緒に操縦室へ行き、基本的に私が案内をしました。
カラオケDuty
1番遅くまで働くのがカラオケDutyで、わたしの船の場合はディスコで行われました。DJが夜の10時か11時くらいに来るので、それまでそこをカラオケとして使い、わたしたちはお客さんのリクエストの曲を入れたり、手拍子したりして盛り上がりますが、お客さんが全然来ない時は’自分たちで歌うこともありました。
テンダーチケット配布
この船はの収容人数は800人でかなり少ない方ですが、テンダーで上陸するときはテンダーチケットを毎回配っており、そのチケットを配るのも私たちの仕事でした。
これはテンダーの乗り場で待つ人を無くし、混雑を避けるためです。
乗船・下船日
1番忙しい日です。まず下船から。
Dutyは分担して行いますが、まず下船時。
ターミナルには下船するゲストの荷物が、グルーブ(色別)に分かれているので、1人はターミナルで、ゲストのタグの色を聞いて、どこにあるのか教えてあげたりします。
チェックインもわたしたちの仕事で、これはダンサーも一緒に行います。
パスポートを預かって、ルームキーを渡したりします。
ま、ザっと業務はこんな感じですね。
でもこれだけじゃあイメージがわかないかなと思うのである日の私のシフトを再現してみます。
シフト
この日の寄港地
7:00am ‐ 11:15am イラクリオン
4:00pm - 8:15pm サントリーニ島
6:30 イラクリオン(ギリシャ)に、7:00に到着するので下船のアシスト
※大体1時間
1:30pm ‐ 3:00pm テンダーチケット配布
3:00pm - 4:00pm 折り紙クラス
7:00pm ‐ 8:00pm ケーブルカーDuty
※最終テンダー8:15pm
※上記以外に、空き時間に1時間ほど、船内新聞のコピー&折込をする
基本的に夜にケーブルカーやバスDutyなどが入ると、その日はそれが最後の仕事となります。ショーラウンジでグリーティングしたり、カラオケのDutyが入らないので早く終わるし、外でプラカード持ってるだけなのでこの仕事が好きでした~。
例えばこの日にケーブルカーDutyが入ってなかったとしたら、夜のショーにアテンドしないといけないので、9:30pm - 11:00pmまで拘束されますね。
この日は、テンダーボートに乗ってる拘束時間等を含めると、7時間も働いてない(笑)
基本的に船ってみんな10時間は働く過酷な労働条件のところが多いんですが、この仕事は正直メチャメチャ楽でした。
こんな楽な仕事珍しいです。同じ感じならまたやりたい(笑)
ま、楽なので給与も少なくて、一カ月1200€でしたね。その頃のレートは覚えてませんが、、、
でも、日本人が来たときはもっと働きました。それでも10時間なんて超えたことないですし、ラッキーなことに、日本人の団体は、もう一つも短いクルーズに行くことが多かったので(100人単位)、わたしは日本人のお世話はあまりせず、エクストラで働くことは少なかったです。
また、港に停泊中は基本的に仕事はないので、どの港でも下船できたので、最高でした。
ニンテンドーDSが盗まれた!
ゲームの為というより、英語の勉強の為に持っていきました。
寝る前にちょっとやるって感じで使ってて、基本的に机の上か引き出しに入れとくかってかんじだったんですが、ある日、あれ?そういえば3日くらい触ってないな、、、と思ってね。
でもどこ探してもないんですよ!で、クルーオフィスっていうクルーの為のオフィスがあるんですが、そこに相談したら、あならのハウスキーピングとかにも聞いてみるけど、、、って言われてね~、、、。
ハウスキーピングの人も仲良しのフィリピン人だったし、ルームメイトはそんなことする子じゃないし、え?誰?そんなことする人いるんだ!ってそれがショックでしたね。
でも、要するに、そういうものを見えるように置いておく人が悪いかなと今は思います。
誰にでも魔が差すってことがあるわけで、わたしはその”魔が差す”チャンスを与えてしまってたわけですね。目の付くところに置いとかなければ、そんなことにならずに済んだかもしれませんから。
でもこれは良い経験になりましたね。よく、海外で日本人はスリとかに狙われやすいって言いますけど、基本平和ボケしてますよね。幸せなことですけど。でもそれから気を付けるようになったので、モノがなくなったのはこれが最初で最後だったと思います。
思い出してみて
海外で働くのは初めてではありませんでしたが、これが初めてのクルーズ客船だったので、比較するものがなく、今思えば、仕事も楽で、港もいつも楽しめて最高じゃんって思うんですが、あの時はそうとも思えてませんでしたね。
まず、なぜかエンターテイメント部門はウクライナ人ばかりで、母国語ばっかり使うので会話に入れずつまらないと感じてたときが多かったです。ただ、仲良くないわけではなく、この人たちも1対1だと色々話せて楽しかったのですが、なにせ人数が多いので、深く仲良くなるには難しかったですねぇ。
あとはパーサーの1番偉い子がフィリピン人で、その子とは一緒に買い物行ったり、夜フィリピンパーティーに呼んでくれたりしましたね。
わたし後悔というものをあまりしないんですが、一つ挙げるとすれば、そのとき遠距離恋愛をしている人がいて、何回か港を探索したあとは結構カフェでインターネットを使って、彼氏とスカイプすることが多かったなぁ。
本当無駄な時間ですよ、そんな時間あるなら観光しまくれ!って言いたいですね、過去の自分に。あー無駄無駄。皆さん、若いうちは、時間は自分の為に有効に使いましょうね!ま、なにが有効と思うかは、それぞれですが。
ま、あの時はネット環境にも限りがあったり、1人で迷子になったらどうしようとか心配で、一人でちゃんと観光できなかったんですねー。ま、一通りツアーは参加したのである程度は周りましたが、エーゲ海も毎日行ってると飽きるってことですね。うん。
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