読んだ本(2024年1月)

読んで感じたことを「書く」ためには、頭を使う。育休が明けたら、いまよりマッハで稼働しなくなると思うと、いまのうちに書き残しておきたくなったので。いつまで続くかわからんけど。

凍りのくじら 辻村深月

昨年読んだ、辻村深月作品5冊の内、圧倒的に『善良と傲慢』が面白かった。
『凍りのくじら』の主人公の考え方・在り方に共感したり、自分似ているかもと思う点も多かったという意味では面白かったが、『善良〜』には及ばなかったかな。


きみは赤ちゃん 川上未映子

川上未映子作品は、ほぼほぼ網羅していて、すごく好きな作家さんのひとりなのだけど、このエッセイを読んで、もっと好きになった。
松田青子さんの『自分で名付ける』に次いで、出産・育児中に感じる(た)モヤモヤあれこれを、代弁してもらった感覚。
違和感に蓋をしたくないなって思った。


センス・オブ・何だあー感じて育つー 三宮麻由子

あかちゃんえほんやの絵本サブスク、ママの読書コースの1冊目。別途noteを書いた。


センス・オブ・ワンダー レイチェル・カーソン/著 、上遠恵子/訳

『センス・オブ・何だあー感じて育つー』を読んだ後、再読した。
前回読んだ時は、確かコロナ禍で、緊急事態宣言の真っ最中だった。
それから3年が過ぎ、息子も生まれ、がらりと生活が変わったけれども、前回読んだときにつけた印に、重ねて印をつけていた。

わたしは、子どもにとっても、どのようにして子どもを教育すべきか頭をなやませている親にとっても、「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要ではないと固く信じています。
子どもたちがであう事実のひとつひとつが、やがて知識や知恵を生みだす種子だとしたら、さまざまな情緒やゆたかな感受性は、この種子をはぐくむ肥沃な土壌です。幼い子ども時代は、この土壌を耕すときです。
美しいものを美しいと感じる感覚、新しいものや未知なるものにふれたときの感激、思いやり、憐れみ、賛嘆や愛情などのさまざまな形の感情がひとたびよびさまされると、次はその対象となるものについてもっとよく知りたいと思うようになります。そのようにして見つけだした知識は、しっかりと身につきます。

レイチェル・カーソン著『センス・オブ・ワンダー』(新潮文庫、2021)p.36

わたしは子どもの「英語教室」の事務局員なのだが、創業以来、一貫して、子どもが自らもつ力を信じ、大人は子どもがその力を最大限発揮できる環境を整えることに注力し、余計なことはせず、かといって放っておくわけではない、その絶妙な塩梅に惹かれて就職を決めた。

わ!も、うげっ!も、たくさんの日々だったけれども、大切にしたいことは繋がっている。そのことを示してくれた、重なった印。


さみしい夜にはペンを持て 古賀史健

とてもよかった。
本棚に並べておいて、息子が大きくなったときに手に取ってくれたらいいなと思った。(すごい先の話だけど)
読めること、書けることは、わたしのバロメーターのひとつで、それは「考える」ができる状態かどうかに繋がっているからだと気付いた。


子どもはみんな問題児。 中川李枝子

再読なのだけど、腕白息子と日々駆け引きを重ねるいま、ストンと落ちる言葉が多かった。
その辺のおばさんに言われたらきっとカチンとくる言葉も、中川李枝子さんの言葉だと思うと受け入れられた感覚もあった。笑

焦らないで、だいじょうぶ。  悩まないで、だいじょうぶ。  子どもをよく見ていれば、だいじょうぶ。  子どもは子どもらしいのがいちばんよ。

中川李枝子著『子どもはみんな問題児。』(新潮社、2015)p.12

夜明けのすべて 瀬尾まいこ

学生のころの私は、思ったことを口にして自由にふるまえる人をうらやましいと思っていた。自分はそれができないから PMSの時にいらだちが爆発してしまうのかもしれないとも考えていた。でも、社会に出て、関わる人も広がって、本当に言いたいことを言って、何の曇りもなく自由に思いどおりに生きている人などそういないことを知った。ありのまま生きているように見える人も、そんな強い自分であるために、どこかで無理をしている。他人がどう思うかを考慮せず、自分の心だけに従って動ける人は、めったにいないはずだ。

瀬尾まいこ著『夜明けのすべて』(水鈴社、2020年)p.116

キラキラしているように見える人たちも、それが全てではなく、違う顔もあって、そんな当たり前のことに気付かないで、あの人はいいな〜って指咥えながら、自分なんてどうせって諦めるのは、自分の人生を放棄しちゃうこと。
うまくいくことも、いかないことも色々あって、それでも精一杯生きていきたいよね。


82年生まれ、キム・ジヨン チョ ナムジュ/著、斎藤 真理子/訳

昔に比べたら、女性は随分生きやすくなったんだな、とかフェミニスト小説だ、とか簡単な言葉で済ませたくない。
というのも、たまたまこの作品を読んでいるときに、津田梅子の特集番組をやっている、と父から知らせを受け(梅子の創った大学を出たので)、その内容とリンクして、もにょもにょ考えたりしたのだ。
さらに、この後の川上未映子エッセイとも繋がる。


深く、しっかり息をして 川上未映子エッセイ集

自分の出会った感情を、丁寧に扱うのがとても上手で、しなやかな芯がある川上未映子さんのエッセイは本当に良い。

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