Big love to ウエスト
20数年過ごした北九州市小倉。
九州厚生年金会館(現在の北九州ソレイユホール)の斜め向かいには、味の街 ウエストがあった。
ウエストとは、大型焼肉・うどん・生そば・うどん居酒屋・中国料理・中華麺飯・和食・カフェ等の店舗を展開する福岡市の会社です。
このnoteを書くにあたり、記憶の引き出しをよいしょっ!と引っ張り出して「確か、味の街だったよなあ」と思い出した。
ウエストのホームページを確認したら、以前は本当に『味の街』として展開していたらしく、私のいやしい記憶の整合性に驚くばかりです。
小倉にあった味の街 ウエストは、うどん・焼肉・中華・和食・イタリアン(わたしの記憶による当時の店名)の5店舗で構成されていたはず。
ウエストの立地はとても便利の良い場所で、小倉駅から徒歩で約20分、近くには勝山公園や小学校、病院、スーパーなどもあり、生活圏に馴染んでいた。
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幼少の頃、偏食気味のわたしは初めて味の街 ウエストを訪れた際に『おいしそうで、食べたいものばかりの店が5つもある!わぁい!』
と、はしゃいで小躍りする。
それからというもの、頻繁には通えなかったものの外食ならウエストが良いなあと思っていて、時々通っていた。
高校3年生の冬。
吹奏楽部員として最後の演奏会が厚生年金会館で開催された。
景気づけに、昼はイタリアンウエストでランチ1,500円分に単品で何かをつけて、総額2,000円ほどひとりで食った。
満腹ですごく幸せで、良い演奏ができるイメージもバッチリできている。
すると、隣で食事をしていたカップルがクスクス笑いながら『なん、あの高校生。相当食べようっちゃ!』と割と聞こえる声で話をしていた。
私の腹の前には、お皿が何枚も重なっている。
加えて、制服の上からも分かるくらいお腹が膨れていた。
『確かに食べすぎやな』と自覚すると、自分のことなのに滑稽でおかしくて大笑い。
良い意味で演奏への緊張が抜けたのだった。
成人して、付き合っていた人とクリスマスにどこへ食事に行こうかと話し合っていたときも、迷わず『ウエストの和食がいい!』とおねだりした。
和食のウエストは美味しいけれど、クリスマス当日に山下達郎氏の曲を聴きながら食べる店かと聞かれたら疑問が残る。
それでも連れて行ってくれて、天ぷら定食をたらふく食べさせてくれた相手には今でも感謝しています。
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そして、38歳経産婦の今。
ウエストのメニューで、喉から手が出るほど食べたくて仕方ない物があった。
数年前から居酒屋ウエストで展開している、もつ鍋だ。
しかし、17:00以降の販売という条件がついていて、子どもがいる・他県に住んでいるなどの理由で、頬ばることができなかった。
食べられないのかなあと諦める気持ちや、でもやっぱり食べたいという『いやしい』気持ちの間で、心はかなり揺れていたのだった。
諦めなければ必ずチャンスがくる。
チャンスはある日突然やってきた。
所用のため、夕方車を走行させつつ地元へ向かっていた。
あたまの中は何を食べようかと、食べ物が次々と思い浮かんでは消えていく。
ラーメン、うどん、ハンバーガー、おでん、とんかつ……。
気づけば、ウエストにいた。
たぶん、あれはうどんのウエストだろう。
テーブルにつき、メニューに目を落とすと、ある物に目が釘付けになった。
もつ鍋だ。
『もつ鍋2人前とうどん麺1人前お願いしますぅ〜』
ちょちょちょちょ!
口が勝手に動いてしまうよ。
こうして、目の前に念願のもつ鍋が並んだ。
黄金色のうどんスープに、モツ・キャベツ・ゴボウ・ニラ・モヤシがたっぷり。
次の用事のため、急いで噛み締めて味わう。
もつから溢れ出る脂、ゴボウとモヤシの異なる歯応え、キャベツとニラの緑のコントラスト。
すべては、夕方まで仕事をがんばった自分へのコラールかのようだ。
自然と頬に一粒のうれしさがこぼれ落ちた。
おいしい!さんにんまえたのめばよかった!うれしい!しあわせ!もつをついかしようかな!がんばってよかった!
思考をフル回転させつつ、あっという間に完食。
チッチッチ。
ドラマはここからですよ。
会計のため出口へ行くと、店員さんが一言。
『合計で780円です!』
えっ!安すぎん!
本当にずっこけそうになりました。
ちなみにウエストさまへ問い合わせたところ『もつ鍋』は1人前税込290円、全店同一価格とのこと。
※注文は2人前から。
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世の中がどんなに変わっても、わたしの心はただ一つ。
ばあちゃんになっても、ウエストを大好きでいます!
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きったーさん主催のアドベントカレンダーに参加できること、とてもうれしく思います。
ありがとうございます。
みなさまも、寒波で凍える夜はぜひウエストのもつ鍋であたたまってくださいね!