ケッコンのケの字も頭になかった20代。「パートナーに求める、ゆずれない条件は?」という女同士の会話で、わたしは「夕食マックでもだいじょうぶなひと」と挙げていた。周りには「なにそれ〜笑」とよく言われていた。 当時のわたしは、今じゃ考えられないくらいだらしない生活だったと思う。朝食を食べずに出社、お昼ごろにはお腹ぺこぺこになっているのでファミレスでハンバーグとライス大盛り。21時過ぎ、会社近くのマックで夕食を摂り、自宅に帰ってご褒美のケーキ…。いま考えるとぞっとするルーティーン
駅で乗り換えをしていたとき、改札内の本屋さんで平積みされていた「あしたしぬかもよ?」という本が目に入った。タイトルを見て、ちょっと心がざわっとしたのだ。手に取りパラパラとページをめくってみると、なかなかおもしろそうだったので買ってみた。本はワーク形式となっていて、サクサク読み進めていたら買ったその日にすべてを読み終えた。はじめに抱いた感想は、「死」を本気で考えられた人が「生」に本気になることができるのだろうなあということだった。 わたしは大人になってから身内を亡くした経験が
映画「ミッシング」を見た。主演・石原さとみが雑誌のインタビューで「女優として殻を破いた作品となった」と言っていたので興味があった。わたしは子どもがいないから、ほんとうに共感できたかといえばわからない。でも無事に見つかって欲しいと願ったし、ボロボロになるまでの夫婦の心を描いた作品に胸がずっと苦しかった。 ※この先ネタバレがあります 2ヶ月前に娘が誘拐された。娘を探すために地方テレビ局の取材を受ける夫婦。自宅でインタビューに応じたり、ビラ配りの姿を撮ったりする中で、ディレクタ
劇団四季「アナと雪の女王」を半年ぶりに観劇した。 一幕のラストは2度目の今回も鳥肌だった。やっぱり生っていいなあ。ミュージカルって、いいなあ。 今回は、気づけばアナをずっと目で追っていた。ピュアで勇敢でまっすぐで愛情たっぷりなアナ。うれしいときはほんとうにうれしそうで、見ているこちらにまで笑顔が伝染する。身振り手振り、踊り、声量に表情、身体のすべてをつかって、全力で役を演じるキャストの姿に胸を打たれた。 アナ雪は、姉妹が互いを大切に想う愛の物語だ。ストーリーももちろん好き
よく喋る子どもだった。朝起きてから夜眠るまで、今日どんなことがあったか、その中でうれしかったことやかなしかったこと、すべてを話さないと気が済まない性格だった。おかげで母は、幼稚園や学校での出来事や珍事件など、他のお母さんよりも知っていただろうとおもう。大人になるにつれて、全てを話すことが必ずしも正しいことではないと気がついてきた。 高校生になるとブログに自分の気持ちを綴るようになった。それは25歳くらいまでつづいて、今日こんなことがあって、それで自分はどう感じたかを書いてい