顧客視点のマーケティングとは
年末年始に読んだ本で直近の業務に活かせそうなものをアウトプットとして、noteを書くことにしました。
新社会人になり、通勤時間が往復約3hで読書時間が圧倒的に増えたので(2024年のベストバイはKindleです笑)、今後も学びを昇華するためにアウトプットしようと思ったものは放出していきます✍️
1冊目:USJを劇的に変えたたった一つの考え方
テーマ: 顧客の視点を徹底的に考え抜くことで得られる圧倒的な成果
USJは、一時期赤字に苦しんでいたそうですが、今では誰が見ても日本国内でトップクラスのテーマパークに成長しましたよね!この成功の裏には、「顧客の視点に徹底的に寄り添う」という、シンプルですが強力な考え方があったそう。USJがどのようにその考えを実践し、劇的な成果を上げたのかをアウトプットしていきます。
1. 顧客に「行きたい理由」を提供する
USJの復活劇を支えたのは、顧客にとって「どうしても行きたい」と思わせる理由を徹底的に作り出したこと。従来のテーマパーク運営は、「広く多くの人に受け入れられる場所を提供する」ことを重視していましたが、USJは「特定の層が絶対に行きたいと思う理由を作る」戦略にシフトしたそうです。
例)ハリー・ポッターエリアの成功
私のようなハリポタ大ファンであれば、ホグワーツや魔法界の世界観に憧れを持っている人は多いはず。そしてこの夢を現実にするため、USJは映画の世界観を忠実に再現したエリアを作り上げました。映画ファンがその場所を訪れることで、「映画の主人公になった気分」を味わえるような体験を提供することを目的としたそうです。
結果として、世界中から訪れるハリポタファンにとって「行く価値のある場所」となり、USJ全体の集客力が大幅に向上しました。
例)「季節ごとのイベント」を活用
季節ごとに新しい体験を提供することで、リピーターの確保にも成功。例えば、ハロウィンイベントではパーク全体をホラー体験に変え、夏には水を使ったイベントを開催。これにより、「何度訪れても新しい発見がある場所」としてのブランド価値を確立できています。たしかにUSJやディズニーは季節ごとに変化があるため行きたくなりますよね笑
2. データを活用し、ターゲット層を最適化する
USJのもう一つの成功要因は、徹底的なデータ活用。来園者の行動データを収集し、それをもとにターゲット層ごとに異なるアプローチを設計していました。
ターゲット層別のアプローチとは?
ファミリー層
子どもが楽しめるアトラクションを増やす。
親子で楽しめるショーや飲食メニューを提供。
若年層(中高生、大学生)
「SNS映え」を意識したフォトスポットを設置。
人気キャラクターを活用したプロモーションを実施。
海外観光客
多言語対応のガイドや案内を用意。
世界中で認知度の高い映画をテーマにしたアトラクションを強化。
具体的なデータ活用例
来園者がどのエリアに最も長く滞在しているかを分析し、そのエリアの魅力をさらに強化。
顧客満足度調査を定期的に実施し、不満点を迅速に改善。
3. 共感を生むストーリーテリングの力
顧客が心を動かされるのは、商品の機能や価格ではなく、それを通じて得られる「体験」や「感動」です。USJは、この点を最大限に活用していました。
ストーリーに基づく体験設計
たとえば、ハリポタエリアでは、単にアトラクションに乗るだけでなく、「魔法の杖を使って呪文を唱える」体験ができます。これにより、訪問者は映画のキャラクターになりきることができ、物語の一部として感動を味わえます。
物語が顧客を引き寄せる力
「物語には、人を引き込む力がある」ということをうまく活用して、「ここでしか体験できない感動」を顧客に提供し続ける工夫をしていました。
2冊目:ドリルを売るには穴を売れ
テーマ: 真に顧客が求めるものを提供する
この本は「顧客が本当に求めているもの」を理解することの重要性を教えてくれます。ただ製品を売るのではなく、その製品がもたらす「結果」を売るという考え方です。
1. ニーズの本質を探る
顧客がドリルを買う理由は、ドリルそのものが欲しいわけではありません。彼らが求めているのは、「壁に開けた穴」であり、その先にある「理想の状態(=例:穴を開けた後に釘を使って棚を設置して部屋を整理したい)」です。
このように、顧客の「真のニーズ」を掘り下げることが、効果的なマーケティングの第一歩です。
2. 製品そのものではなく、提供する価値を訴求する
単に「性能の良いドリル」と説明するだけでは、顧客の心に響きにくいですよね。しかも物に溢れたこの時代において、性能の良いドリルなんて無限に存在するわけで、これだけでは訴求として弱いです。代わりに、「このドリルであなたのDIYプロジェクトがプロ級の仕上がりになる」といった、価値を訴えるメッセージが必要であり、こうした価値を伝えることで他の競合製品との差別化に繋がるのです。
顧客視点の訴求例
「初心者でも簡単に扱える設計」
「自分で家をカスタマイズできる自由度の高さ」
3. ストーリーテリングを駆使する
顧客が自分を重ね合わせられる物語(実際に自分が使っているイメージが湧く状態)を伝えることは、製品への共感を生む上で非常に効果的です。
これはおそらくほとんどの人に経験があると思いますが、商品を実際に自分が日常で使っている場面や、使ったことでこういう未来があるというふうに「自分ごと」に置き換えられて伝えられるのと、一般的な例で伝えられるのでは印象が違うと思います。
例: 顧客の成功事例
「このドリルで自作した家具が家族に大好評だった」「家族との時間が増えた」など、感情に訴えるエピソードを共有することで、単なるツール以上の価値を感じさせ購買意欲を刺激するきっかけにもなります。
まとめ: 2冊から学ぶマーケティングの本質
この2冊は共通して「顧客視点を徹底すること」の重要性を教えてくれたと思います。一見異なるテーマを扱っているように見えますが笑
アウトプットイメージ
顧客の本当のニーズを見極める
製品やサービスの先にある「理想の結果」を提供。体験と感動を重視する
商品そのものではなく、それを通じて顧客が得られる感情や体験を訴求する。データと感性のバランスを取る
データに基づいた戦略を立てつつ、共感を生むストーリーで顧客の心を動かす。