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フードビジネスで成功するための立地の知識:フリーランスとしての第一歩

総菜のお仕事は、私にとってオリジン弁当から始まりました。安沢会長からまず教わったことの一つに「立地における戦略の在り方」がありました。予てから「売り上げは、立地が7割、商品が3割」とよく言われていましたが、私は当初、商品が大きなウエイトを占めると思い込んでおり、理解が難しかったのです。しかし、会長曰く「商品や人材の力をつけるには時間が必要だが、立地はすぐに結果が出る」とのことでした。そして「立地のプロなんだから」と自負されていました。実際、マクドナルドで採用されているGISを使用し、そこから物件の周辺の年収、指定した場所の周辺人口とその年齢構成、所得水準が分り、その精度は非常に高かったのです。しかし、やはり自分の足で見ないとわからないと言われていました。そして病を患いながら、自分の足で見て、出店を決めておられました。

立地の重要性

そして会長の言葉通り、いくら値ごろで美味しいものを提供しても、お客様のいない場所では商売は成り立ちません。特に現在のように人口が減少している状況では、一人のお客様が何回、その店に来てもらえるのかを考え、囲い込みを図ることがますます重要です。そしてこれはしいては、商品開発においてのポイントにもつながります。

商圏とコンビニの関係

会長は、オリジン弁当が30店舗ほど出店された頃に商圏が見えてきたと言われました。その商圏の特徴としては以下の通りです:

  • 1キロ、一万人の商圏:これは夜間における人口がポイントであり、コンビニに対応するためにもオリジン弁当は24時間営業していることから、夜間人口が大きなポイントになります。

  • コンビニが3店舗、同一商圏にあれば出店する:コンビニは緻密な立地調査を行っているため、3店舗あれば惣菜を購入したいお客様が存在すると判断できます。特に「同じコンビニなら一番古くからあって好立地を押さえているセブンイレブンの近くが圧倒的にいい」と言われていました。そしてこれらの条件が揃えば、その近隣に出店することで必ず人が集まるとされていました。この戦略が、いわゆる「コバンザメ戦略」と呼ばれるものです。


オリジン弁当の店舗戦略

  • 小規模出店のメリット:オリジン弁当の店舗は20坪と通常のコンビニの半分であり、出店しやすい特徴があります。現在、スーパーでオーバーストアが叫ばれる中、小規模の出店が増えている背景には、オリジン弁当の小規模戦略が参考になると言えます。

  • 地代の抑制:どの業態においても地代は安いに越したことはなく、オリジン弁当では月間売り上げの家賃を5%に抑えることで、急ピッチで出店を加速させました。これにより、2001年には年間100店舗というスピードで、つまり3日に1店舗のペースで出店が行われました。

現在のビジネスへの応用

オリジン弁当の手法は、既に20年以上前のことですが、今のビジネスにも通用するものであり、私自身もその知識を現在の仕事に応用しています。オリジン弁当で学んだ立地戦略は、どのような規模のビジネスでも活かせる普遍的なものであり、これからフリーランスとしてフードビジネスを始める皆さんにも役立つ知識です。皆さんのビジネスが、適切な場所で輝けるよう、私の経験を共有したいと思います。


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