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フリーランスだからこそ、決算書から読み取る企業の本質と成功への戦略


食のお仕事は男性社会であることが多く、女性の個人事業主にとって厳しい環境に直面することも少なくありません。個人事業主であれば他の業界でも同様かもしれませんが、大手企業によっては契約が難しい場合があります。例えば、広告宣伝会社や鉄道会社との契約は個人事業主にとってハードルが高いです。私自身、以前に大手シンクタンクと契約を結んだことがありましたが、これは非常に稀なケースでした。口座開設時の名簿を見ても、大手企業の名前が並んでいる中で、個人名はほんの数名しかいませんでした。

とはいえ、個人事業主でも大手からの依頼が来ることは十分にあります。私の場合も、最初はニッチな分野の開発依頼から始まり、新業態の開発、社員教育、さらには営業や企業の将来に関する相談にまで依頼が広がりました。

常に心がけていたのは、大手企業であっても冷静に見極める必要があるということです。個人事業主である以上、時間は非常に貴重な資源であり、リスクを慎重に考慮しながら選択を行うことが重要です。一つの企業に集中して取り組むことで、実績が積み重なり、信頼を得ることができると考えています。そのため、契約前には企業の状況を十分に吟味することが欠かせません。まず、大手企業であっても支払いが確実に行われるかを確認することが基本です。支払いの遅れがある企業には、しばしば組織的な問題があることが多いため注意が必要です。また、上場企業であれば、開示されているPL(損益計算書)を確認し、契約するかどうかの判断材料としています。

業種によって基準は異なりますが、人件費の割合や利益率は、私にとって重要な指標です。例えば、大手スーパーの場合、人件費が10%以下だと効率化やパートタイム労働者の活用、オペレーションの徹底などが進んでいる可能性はありますが、従業員の働く環境に問題がないか疑う必要があります。フリーランスとして関わる際には、人件費が極端に低い企業には注意が必要です。また、利益率が低い企業は価格交渉が難しいことが多いため、利益率も重要な判断基準となります。

外食業界では、営業利益率が10%以上というのは稀で、一般的には6%前後が多いです。それ以下になると、収益性に課題がある可能性が高くなります。
メーカーでも同様で、天候に左右される食材を扱う企業の場合、利益率が3%前後だと、一度、天候の影響を受けるとすぐに赤字に転じる可能性があります。そのような企業は、外部委託を行う余裕もないことが多いです。

このように、決算書を確認することで、どの分野に企業が投資しているかが見えてきます。数値だけでなく、実際に社員の方々と話をすることで、その企業の実態や雰囲気を掴むことも重要です。

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