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【ウガンダ旅・0-3】わたしが「ウガンダに行こう!」と決めたわけ

やぶからぼうな質問で恐縮ですが、「大型類人猿」と聞いて、イメージつくでしょうか。「るいじんえん」と「れいちょうるい」のどっちが人間に近いんだっけ?という人も多いのでは。わたしも以前はそうでした。

霊長類(ヒトを含むサルの仲間)のうち、ヒトにもっとも近いのが大型類人猿。ゴリラ、チンパンジー、オランウータン、そしてボノボです。

ーーところで、最後の「ボノボ」とは? 

その質問を待っていました。いい入門書があります。1時間ぐらいでするする読めます。児童書ですが、大人が読んでも絶対おもしろいです。

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『ボノボ 地球上で、一番ヒトに近いサル』江口絵理・著(そうえん社)

とまあ、こんな本を書いているぐらいなので、わたしは大型類人猿にただならぬ関心がありまして、チンパンジー研究者ジェーン・グドールさんの調査地とそこで暮らす野生チンパンジーたちを見にタンザニアに行ったり、野生のボノボを見るためにコンゴ民主共和国に行ったりしてきました。

しかし、ウガンダはこれまでご縁がなく。マウンテンゴリラは気になっていたけれど、映画『愛は霧のかなたに』で知られるダイアン・フォッシーさんの拠点はルワンダなので、ウガンダは意識してなかったんです。

ところが2019年、わたしはとある雑誌で、ウガンダにバッグなどの布・革製品の工房を立ち上げた社会起業家、仲本千津さんの取材をする機会がありました。

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RICCI EVERYDAY社の創業者、仲本千津さんを取材しました

途上国では、定職がないことが時に人々の自尊心をくじき、子の教育の機会を奪ってしまう。そうした子どもたちは武装勢力にとりこまれやすく、そうなればその子自身も含めた、より多くの命と人生が危機にさらされる。

この悪循環を、一方的な援助ではなく、現地の人と対等な関係を築く「ビジネス」で解決できないか。仲本さんはそう考え、持ち前のリーダーシップでみごと事業を軌道に載せました。

仲本さんはそれ以前から、そして今もあちこちのメディアでひっぱりだこですが、子どもたちに直接届くメディアへの登場は多くありません。

でもきっと、仲本さんは将来を考え始める年ごろの日本の女の子にとって(たぶん男の子にとっても)素敵なロールモデルになる、だから私が本にしよう、と思い立ち、仲本さんと相談させていただきながら児童書の企画を立てました。

ただ、本を書くならば、間接的に知った話から構成するだけでなく、仲本さんのお仕事と現地の人の暮らしぶりや働き方を自分の目で見て自分の言葉で書きたい。それで、ウガンダに行ってみることにしたのです。

とはいえ、思いついて「じゃあ行こう」と即決できたわけではありません。なんといってもわたしは著しく生産性の低いライターでして、経済状況はいつも綱渡り。

しかも年齢は40代の最終コーナーをまわり、体力減退の急坂を転がり落ちているさなかです。そのうえ今年初めは人生初のきつい腰痛にも悩まされていました。この腰痛で長時間フライト……? 無理じゃね?

でも、だからこそ、「ウガンダ…行ってみたいんだよね」と自信なさげにつぶやくわたしに友人が返した「”行きたい”と思えるうちに行くのがいいかもね。体力や体調が不安で”行きたい”とすら思えなくなるときも来るだろうし」という一言に、ぶんぶんと頭を振ってうなずいてしまったのでした。

いや、無謀かも……なんとか向こうに着けても、その先に腰痛で動けなくなったり、鎮痛剤漬けの毎日になったりするかも……。

まあでも、それならそれでしょうがない。首都カンパラでの取材がメインだし、どうしても動けない日は宿で休んだっていいではないか。

なかば開き直って、やけにかさばる腰用コルセットをお守りとしてスーツケースの底にしのばせ、ウガンダに向かったのでした。



仲本さんについては、ここで書くと本を書くためのエネルギーが薄まってしまいそうなのでたぶん書きませんが、2023年春に刊行となるはずの(まだ一字も書いてない)私の本で見ていただけたらうれしいです。中学生ぐらいを対象にした児童書になる予定です。

このnoteには、本に直接は出てこない「旅」の雑記を書き留めていきたいと思ってます。深夜のラジオのように、ゆるゆる、つれづれに書き連ねていきます。ラジオを聴き流すように読んでいただけたら幸いです。


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