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#28「もっとよくなりたい」が消えた時

向上心を持つこと
それは素晴らしいことだけれど、そこには「今の自分ではダメ」「今の自分では十分ではない」がある。

「もっと良くなりたい」の裏にある無意識の自己否定。

それが実は自己の可能性を阻んでいるのかもしれない、とふと思った。

先日、あれっと思ったことがある。

とあるセッションの中で、じゃ今一番取り組みたい(後押しが欲しい)ところは何?と聞かれたときにすぐに出てこなかったのだ。

現実の状況を鑑みれば、前回とそんなに変わっていない(例えば婚活状況とか、仕事の状況とか、収入のこととか、家族のこととか)にも関わらず、別にどれを良くしたいという思い(というか焦りのようなもの)が消えていた。

以前こうだったらいいなと思っていたものを、今欲しいかな?ともう一度見直してみると、あったらいいけど・・・程度で、ある意味その辺りがどうでもよくなっていることに気づいてしまった。

ほんの2週間前くらいには欲しかったもの、ほんの1ヶ月前には、なんでそうなれないんだろう?とギュッと苦しくなっていたところ、数年前にはそんな自分にはなれないと絶望していたものが、今はどうでもよくなっている。

手放そうとか、意図的に何かしたわけではなく、あれ?という感じでそういえばもういいや。今の自分でなんか満足。

となっている。

多分、これを読んでいる方の中には、「こうなりたい」や「向上心」がなくなったら、成長もなくなるんじゃないか、停滞するんじゃないかと思う方も多いと思う。

私もそうだったし、今もちらっとそう思う。

でもこの状態になってみると、別に成長さえもどうでもよくなっている。

というのも、自然に任せて安心していると、勝手に伸びる方向へと枝葉も根っこも伸びていくという感覚があるからだ。

赤ちゃんや子供は成長しよう!と意図したり頑張ったりしなくても、それぞれの段階のニーズが満たされれば、勝手にすくすくと成長する。

植物だって、それぞれが「俺は美味しいトマトをつける!」とか「世界一のとうもろこしになる!」とか「誰よりも高い樅の木になる!」とか絶対思ってないけれど、環境が適切であれば、美味しいトマトも甘いとうもろこしも、伸び伸びと高い木にもなっていく。

多分、成長(という言葉が適切かわからないが)のために必要なのは、ニーズが満たされていることや適切な環境にいるということだけど、自分がこうなりたい!と頑張ることではないのだと思う。

だから、むしろ目標をたてたり、実現したいもののために頑張るよりも(そもそもその目標や実現したいと思っているものさえ、本当に自分の本質から出てきたかどうかも怪しい)、自分のニーズを探り、心地よい環境に身をおくことのほうが、伸びしろを十分に伸ばす鍵になるのではないか。

このニーズやぴったりの環境は人それぞれ違っていて(動植物の適正な生育環境が違うのと同じく)、それは自分の内側を探っていくしかない。

このときに羅針盤というか、サーチライトになるものは自分の感情感覚だと思っている。

満たされない思い、もやもや感、イラッとする感じ、ぎゅっと苦しくなる感じ、無力感や脱力感、やる気が出ない、悲しい。。。これらの感情を感じているとき、まず間違いなくニーズが満たされていない。

だから、これらの感情を感じた時にはまずは、それを感じている自分にOKを出す。

結構多くの方が怒りやイラつきは良くないと思って無理に思考でポジティブ変換したり、抑圧したりするし、無力感や脱力感を感じた時は、それを避けようとして、より多くのタスクをこなそうとしたり、他者の役に立とうとするし、引き受けなくていいことをやろうとしてしまうかもしれない。そうでなかったら、無力感の中にどっぷり浸って内側にこもってしまったりになってしまうかもしれない。

でも、これらの感情は単なるサインなので、それをジャッジせず、いったいこの気持ちや感覚は私に何を伝えてきてくれてるのかな?どんなニーズ(休息、承認、繋がっている感覚、気楽さ、楽しさ、大切にされることなど色々ある)を満たしたいのかな?と好奇心を持って眺めてみるとよい。

気づいた後、すぐに満たせなくても構わない。

ただ自分がこれを満たしたいと思っているんだという望みに気づいてあげるだけで、怒りだったり悲しみだったりは薄らいでくるのを感じると思う。

こんな風にニーズを満たしていくと、小さな望みがしっかり満たされていく。このおかげで、もしかすると、いつの間にか「こうなりたい」という願いがどうでもよくなってくるのかもしれない。

そうなってくると、自分の持つポテンシャル、能力、才能の発露を止めるものはなくっなていく。

この状態になってこそ、The Best Version of Me(最高最善の自分)になれる。

そして環境も大事。

自分が伸び伸び生き生き感じられる場所や、人に囲まれていること。大きく呼吸の出来る環境にいること(精神的にも肉体的にも)

もしそうでないならば、ちょっと見直してみるのも良いかもしれない。

違和感を感じる人間関係、遠慮して自分らしく振る舞えないような人間関係の中にいるとしたら、思い切ってそこを去る。

得意を活かせない仕事をしているなら、得意をアピールしてそれを活かせるポジションに変えてもらうとか、やり方を変える。

部屋の断捨離もしかり。
今はもう不要なものをばっさり手放して、呼吸しやすい環境を整える。 

セルフメンテナンスをする、自分専用の庭師になると、自然と心地よい環境の中に自分がいられるようになるし、そうなると、これまた「こうなりたい」や「高みを目指したい」がなくなっていく。

今現在、私はこんな心持ち(今の自分に満足していて、特にどうしたいとか、こうなりたいとかがない)で、ここからどんな自分になっていくのかが楽しみでもある。

あーぬくぬく(=^ェ^=)

3/3/2023 ジャーナル

追加というか…
 
多分この辺はタイプにもよると思う。
この感覚はあくまで私の場合で、「もっと」や「さらに」で進んでいきたい人はそのやり方を貫けばよい。

あくまで羅針盤は内側のものを採用していって欲しい。


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