「いい加減にしなさいよ!」

<状況>

はい、もうこれ、ママさんたちの王道フレーズだと思うんです。言わないママさん、心から尊敬する勢いですよ。

ほぼ毎日、なんなら朝、朝食時~お着換えの間に頻繁に出ます。
男の子だからなのでしょうか…3歳という年齢がそうさせるのでしょうか…
息子は食べながらふざけ、ろくに口もつけていないのに「お腹いっぱい」と気に入らないメニューを避けてデザートを鱈腹食べようとし、いすの上や周りでふざけた結果頭をぶつけ、やっとの思いで歯磨きさせようと思うと仕上げの段階でまたふざけはじめ、挙句の果てには「早く終わりにして!」とブチギレ、やっと着替えに取り掛かったかと思えばいつまでたってもフル〇ンのままパンツも履かずに遊びまわり、こちらが例のセリフを吐く頃には涙目で「お母さん…怒らないで?」と訴えてくるのです。

え?私が悪いの?

この流れ、私が悪いのか?

<対応>

「叱る」から「怒る」に至るまでは、下記のフェーズで進みます。

  1. 笑顔で注意。「○○できたら、次は△△だから頑張ろうね~」むしろ応援モード。

  2. 「2回目だよ~」など、回数を交えて注意を促す。遊びの際などはカウントダウンが入る。(心に余裕がある時は、この段階でふざけながら問題解決へ移ることができ、フェーズ終了。)

  3. 「優しく言っているうちに、どうするべきかよく考えなよ?」「お母さんと息子くんはなんてお約束したんだっけ?」こちらは断固譲りませんモード突入。

  4. 「あんまり聞かないなら△△は私がしようか(食べようか)」と脅しが入る。怒りの入り口に立つ。

  5. 「もういいです。」「聞けないなら(約束守れないなら)もうしなくていいです。」怒りの入り口突破。

  6. 「いい加減にしなさいよ!?」怒りモード炸裂

※機嫌の良し悪しによっては、フェーズ1,2、4をすっ飛ばし、3→5→6にスピードチェンジのことも・・・

今朝の朝食は、フェーズ1からフェーズ6に入るまで計1時間でした。
今は朝時間があるほうなのでこれくらいの時間はかけられますが、そうでない時は20~30分以内にフェーズ6まで到達することもほとんどです。

何より、私は地声が大きいのです。
つまり、怒り出すと地声の大きさの何倍も響く声が出てしまうのです。
そして、かなりのショートテンパーなので一度怒りモードに入ると自分でも制御不能になるほど怒鳴り散らします。

そしてその結果、息子は私の大声に怯えるようになり、それだけならまだしも、私と似た口調でお友達に威圧的に迫る様子が見られるようになってしまいました

<反省>

これは言い訳ですが。
私も人間なので、機嫌の悪いこともあります。
でも本当に不思議なことに、職場で生徒たちと接している時は息子にしているような怒り方はしたことがないのです。

親の色眼鏡ではありますが、息子は比較的聞き分けもよく、状況をよく理解できる方なので、よく見聞きする男の子育児してるママさんたちに比べたら私はだいぶ楽をさせてもらっているなと思うほどです。
また、学校で触れ合う生徒たちは幅広い年齢層、幅広いバックグラウンド、幅広いパーソナリティのため、こっちの方が一筋縄ではいかないことがほとんどです。

それなのに、何が違うんだろう・・・

一番大きい原因は、立場の違いかなと思っています。
「教員」という立場と、「母親」という立場。
この2つでは背負っている「責任」と「役割」が大きく違うのです。

LOVE & LOGIC」という教育理念・教育実践を聞いたことがありますか?
すーごくざっくりしたことを言うと、教育者であるJim Fayと、その息子のCharles Fayが中心となって提唱している教育法です。(このFay親子がユーモアセンス抜群すぎて「だからうまくいくんじゃ…笑」と思ってしまう部分もある、ちょっと面白いアプローチです。)
これが一体どんなものなのか。私が研修中にはっとした言葉がこれです。

「優しさと強さを同時に持つ」

Charles Fay, in a seminar

LOVE & LOGICでは、威圧的に声を荒げたり、叱りつけたりすることは効果的でないとされています。これらは確かに即効性はあるけれども、将来的に効果のあるアプローチではないという考え方です。
それよりも、長い目で見て子どもたちに語り掛けながら、問いかけながら、しかし厳しさも保ちながら接することで、子どもたちに気づきを与え、成長を促すというアプローチです。

今流行している「怒らない教育」や「褒めて伸ばす教育」と似ているようにも見えますが、私は全然違うかなと思っています。
一番異なるのは、声を荒げないだけで、ルールには厳格でなんでも自由にさせるわけじゃないぞという姿勢を強固に見せる手法があるという点でしょうか。(あくまで個人の見解ですが)

現場ではこの理念を大切にしており、定期的に研修も行われています。
その効果か、私の同僚たちは頭ごなしに生徒たちを叱ることはありません。先生が怒鳴っていたり、叱りつけていたりする場面は、本当に緊急を要する事態、校長が出てこなくてはならない事態が起きた時くらいでしょうか。
「教員」という立場の時は私もこれを意識して生徒たちに向き合えている気がするのです。

でも、それは「教員(Educator)」としてのLOVE & LOGICの研修を受けたからであって、「親(Parents)」としてではありません。
「親(Parents)」としてのLOVE & LOGICは、私にとっては全くゼロ。なぁーんにも知らないのです。
Fayさんたちによると、「このアプローチなら、イライラと気持ちを荒立てる必要はないですし、生徒たちもそれに委縮することはありません。イライラと声を荒げるのはエネルギーの無駄遣い」(ざっくりこんな感じだったような…)だそうです。本当にそうだなと思います。
強く叱りつけることで、結局、母親って自己嫌悪にもなるんですね。「あれでよかったのか」「今日も怖い顔をしてしまった」「あんなに小さなことだったのに」と。
ならば、「親(Parents)」としてのLOVE & LOGICは私にも必要なアプローチだなと思うのです。

私もまだまだ勉強中で、情報の整理が足りていなかったり、ちょっと記憶が怪しいところも多いです。
でも、もし「ん?気になるぞ?」という方がいたら、ぜひこちらのサイトにアクセスしてみてください。
今のところ、日本語でのものは検索しても引っかかってこないので英語のみになってしまうのですが、もしご存知の方がいたら共有してくださると嬉しいなと思います。

というわけで、時間のあるうちに親としてもこの手法を学び、実践していきたいという意志表明でした。

この記事が参加している募集

よろしければサポートお願いします! いただいたサポートはインターナショナルスクール開校のための準備資金として使わせていただきます!