映画レビュー 「君の名前で僕を呼んで」
1983年、イタリア、夏。ほどよい時間的距離が心地よく、そこで繰り広げられる日々があまりにもまぶしい映画だった。すべてのシーンが美しく写真集を眺めているのかもしれないと錯覚するほどだった。
考古学教授の父、翻訳家の母、17歳のエリオは毎年夏になると北イタリアの避暑地にやってくる。この一家の文化的水準はとても高く、イタリア語、フランス語、英語などのさまざまな言葉が飛び交っている。エリオは庭で読書をしたり、カセットテープで音楽を聴いたり、古典音楽を編曲して譜面を起こしたりピアノ