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大般若長光についての話

刀剣乱舞に基本的に恋愛要素はない。むろん、主に好意的な刀剣男士や他の男士に重い感情を持っている者もいる。しかしその関係が恋愛と明言されることはない。「女性向けゲームであるが、乙女ゲームでもBLゲームでもない」というのが刀剣乱舞の特徴的なところである。
しかし、大般若長光は唯一と言っていい「審神者を口説く刀」である。
これは私が妄想で言っているのではない。公式サイトに設定が書いてある。
また、大般若長光自身も「趣味か、そうだなあ……みたいなのを、口説くことかな」と本丸ボイスで発言している。乙女ゲーム世界から抜け出てきたのだろうか?
繰り返しになるが、刀剣乱舞には恋愛要素がない。大般若長光の発言も恋愛に関係がない可能性はある。だがそれゆえに、モテる男性像という感じである。こちらが望まないのにするりと心の中に入ってこられる。一方で、恋愛の可能性がない人間を口説いているという別の罪深さが発生してしまう。本気であろうと本気でなかろうと、審神者の心をかき乱す男士なのは間違いがない。
大般若長光自体はくだけた態度であり、「~なのさ」とか「かなぁ」という言葉が特徴的でおじさんのような話し方をする。顔は切れ長の狐顔である。すっと顔に切れ長の目が入っている。
いかつい名前は、当時の価格で銭六百貫だったことと、大般若経が六百巻あったことをかけている。
私は今までこの手のタイプにハマったことはなかった。大般若長光をきっかけにタラシ系のキャラを書けるようになった。ハマっていた期間は1年ほどと短いが、彼のおかげで自分にはこういうのも書けるのだ、と気づいた。
二次創作の面白いところは、自分の今までの価値観とは全く違うキャラクターを書けるようになるところだ。一次創作では自分が思いつかないものは書けない。突然彗星のように現れて、衝撃を残していく刀であった。
私たちはなぜ他人の作ったキャラクターを好きになるかというと、意外性というものがあるからではなかろうか。


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