水の恵みと水害の町、福知山城下を電動自転車で巡る
福知山城とその城下町に行ってきたよ~。今回はその記録です。
1.福知山に行ったきっかけ
YouTubeでゲームさんぽの動画を見ることにハマっていたとき、「福知山では明智光秀は英雄なんですよ~」という話を聞いて行ってみたいと思った。
その後私はグダグダ行くのを引き伸ばしていた。が、「秋だから気候のいいうちに行こう」と計画を立てることにした。
2.高速バス予約したり地図印刷したり
高速バスの予約はメールフォームだった。自動なのか人力なのかわからないけど。
おそらく予約サイト作るより楽なんだろうなあ。
メールフォームから行きたい日を連絡すると、メールの返信で予約を確定してくれる。項目を埋めるだけなので、メールを書くのが苦手な人も大丈夫。
前日まで予約を受け付けてくれるのは助かる。
メールの返信から予約完了がわかる。
あと福知山の観光地図も印刷して持っていく。
私がこの準備をしたのは日帰り旅の前日である。前日に思い立っても予定が建てられる、インターネット技術の進歩に感謝したい。
当日、バスターミナルへ向かった。
めちゃくちゃ渋滞にひっかかった。まあ秋の行楽シーズンだものな。1時間遅れで旅は始まる。
3.お昼食べる
私が到着したときはちょうどお昼どきだった。
駅前の店に、ゴム焼きそばと言うものがあるらしいから食べてみた
塩味の焼きそばにトマトソースがかかっている感じ?確かに食間は輪ゴムみたいにぐにぐにしている。
焼きそばだけだと足りない気がしたのでオムそばにした。
4.レンタサイクルを借りる
歩いて回るつもりだったけど、渋滞で出遅れたため、急ぎたかったので駅前でレンタサイクルを借りた。
これが結果的によかった。サクサク回れた。気温もちょうどよかったので最高だった。
レンタサイクル自体は駅前の観光案内所で借りられるのが楽でよかった。
書類を書いたら鍵と自転車を渡される。
電動と人力があって電動の方が少し高いけど、課金してもいい快適さ。
施設側に駐輪場の表示がないことだけはわかりにくかった。とりあえず車の駐車場の片隅に停めておけば怒られなかった。
電動自転車は4時間で1000円だった。
返却時は観光案内所の人に声をかける。自転車と自転車の鍵を渡してレンタル終了だ。
5.福知山市生活衣館
自転車をこぎながら福知山城に向かっていたら途中に福知山市生活衣館があって見た。
丹波の衣類文化についての資料館。
能のお面と羽織についての展示がやっていた。
羽織についての展示は男性ものの羽織のおしゃれの工夫、柄の面白さについて語られていた。撮影禁止だったので写真はない。
当時の着物のマナーについても語られていた。やはりマナーは時代によって変化するんだなあ。
面の展示では制作者の方が在廊しており、丁寧な説明を受けた。
私は能の存在は知っているが、まとまった量の情報を見ることは少ないのでよかった。
妖怪や神様の面にもシンボル的な意味があるのが面白かった。
入口付近に機織り体験コーナーがあった。
私は機織り体験もやりたかったけど、今回は予定がカツカツだから駄目だった。コースター作りたかった。
6.福知山市佐藤太清記念美術館へ
福知山城に入る前に隣の美術館に入った。
美術館でチケットを買う。福知山城や鉄道博物館のチケットとセットのものがあったのでそれにした。キャッシュレス決済をするとノベルティの一筆箋がもらえるらしく、ICOCAで決済してみた。
売場の人に、おまけに福知山シールももらった。福知山市のロゴが書かれたシールだ。
佐藤太清(さとう・たいせい)は福知山市出身の芸術家だそうだ。
植物画や動物画がメインの展示だった。小さい美術館なのですぐ回れる。
二階ではポスターデザインの特別展をやっていた。
7.福知山城を上る
次に、福知山城に登った、
福知山城は周囲よりやや高台になっている。
内部は現代的になっている。これ大阪城と同じ、見かけだけ復元して内部は現代建築のパターンか? ちょっと親近感沸く。
完全復元ではないが、その分階段が大きく移動はしやすい。さすがにエレベーターはないけど。
内部は博物館になっている。小さいけれどなかなかのボリュームで見ごたえがあった。
福知山の人々は明智光秀を英雄として尊敬しているが、実際に明智光秀が福知山城にいたのは三年程度である。なぜ三年しかいない人間が英雄扱いされるのか? がわかりやすくまとまっていた。
明智光秀よりあとの城主たちも紹介されていて面白かった。
話は最終的に現代にたどり着き、これからの福知山はどうあるべきか、福知山にはどんな未来があるのか、というテーマで締め括られる。
こうして見るとお城とは政治的中枢であり、街の人にとっては人々の統合のシンボルなのだろうなと思う。
福知山市の広告が、マイノリティの人も登場するもの
竜王戦の復元があって面白かった。
私は将棋に詳しくないけど、盛り上がってしまう。
竜王戦の部屋はフォトスポットとして撮影可能だ。
8.松村家住宅
自転車に乗っていると豪奢な洋館を見かけた。入って大丈夫そうだったので入ってみる
福知山市ではかねてより水害に悩まされていた。この建物は明治四十年から行われた築堤工事の完成度を示すため建てられたそうだ。
同じ敷地内に日本家屋もあり、こちらも見事な建築物である。
洋館の中は喫茶店になっているようだが、庭を散策したり建物外観を撮影したりは無料でいいらしい。太っ腹。
あまりにも人が多すぎる大阪ではないおおらかさである。「ただで公開してもそこまで無茶する日とはいないだろう」という性善説が眩しい。
この土地の人にとって、それほど治水っていうのは大事なんだなあ。
9.新町商店街
その後、自転車で新町商店街を走った。
アーケードや照明が残された商店街である。
レトロで美しくはあるんだけど、シャッター街になってしまっているのが少し悲しい。
人気がないので写真は取り放題である。
街は手入れしないとあっという間に廃墟になってしまうので、シャッター街でもある程度管理が入っているのだと思う。
郊外の町を歩いているとほとんど廃墟のような商店街を見かけることもあるので、新町商店街は保存具合がいい方である。
アーケードやタイルだけではなく店にもレトロな構造なものが多く、かわいかった。
10.福知山治水記念館
次に、福知山治水記念館に入った。
記念館に入ると、係の女性が案内してくれた。
古い民家を改装した記念館だ。民家といっても、それなりに裕福だったらしい。長く残る建築物を建てられること自体が裕福な証拠だからね。
頻繁に水害が起こる福知山には家に荷物を運ぶための滑車があり、それを用いて一階から二階、二階から一階へと荷物を上げ下げした。
彼女におすすめされて7分間の動画を見た。手前にこの記念館の模型があって、奥に動画が表示される凝った作りだ。家族は水害から逃れるために屋根に昇る。
死ななくて良かった……と思う災害の大きさである。
福知山では観光客を案内しているお年寄りを良く見かけた。ボランティアなのか、老後のアルバイトなのか。どの方も親切でありがたかった。
地元のことを聞かれたので、「大阪も大和川が氾濫すると大規模な浸水があるらしいですよ~」と話した。
「どうやって来はったんですか」
「高速バスです」
「ああ、あれ便利やいうね。何時間?」
「2時間ぐらいですかね。渋滞なったら3時間ぐらいなるけど」
お互いコテコテの関西弁でしゃべるのは楽しい。
メジャーどころではない観光地の人は、観光客と雑談する余裕を持ち合わせている。リップサービスかもしれないが、素直に嬉しい。
近畿以外の人にはわからないかもしれないが、福知山は大変洪水の起こりやすい地域で、ひどいときには数年に一回、一年に一回浸水が起きる。関西ローカルではときどき福知山の洪水について報道される。
こんなに洪水が起こりやすいのに街が存在し続けてるのって、この場所には何かしら便利な要素があるのだろう。
記念館の中では、地元の人が描いためちゃくちゃ上手い水彩画が飾られている。
11.御霊神社
御霊神社についた。
神社の手前に公園があり、そこでは子どもたちが遊んでいる。
本殿はカラフルで豪華だった。
堤防神社という神社がある。由来を読むと福知山ならではの神社だなあとなる。
おみくじを引いてみると、大吉だった 。幸運!
あまり信心深くないため真面目にお祈りすることはないが、おみくじは参拝料代わりに引くことにしている。
12.福知山鉄道館フクレル
福知山鉄道館フクレルにも行ってみる。ここは鉄道に詳しくないのでさらっと見るだけにした。美術館や福知山城とチケットがセットになっているので入っておいた。
鉄道関連の展示をしている。ヘッドマークがかわいい。
プラレールが自由に遊べるコーナーがあって、子どもたちが大興奮している。そりゃ大好きになる。
ミュージアムショップでお土産を見た。
福祉施設が作っているおみやげがあったので買った。自分が福祉施設にいたことがあるから、こういうの買ってしまうんだよね。
おからを使ったかりんとうらしい。家で食べたら素朴な味でおいしかった。
福知山とは無関係だけど、ドクターイエローのハンカチがかわいかったので買った。ドクターイエローとレモンの柄という特殊な柄。
ここではないけど、町を歩いていて蒸気機関車の展示を見かけた。運転席に入れるようになっている。
13.バス到着まで駅で休む
駅に戻ってきて電動自転車を返却した。
街中ではさくさく回っていたので間食を食べられなかった。食べてみたかったお菓子は多かったんだけど。
駅内の喫茶店のメニューが硬派でおいしそうだったので入る。案の定おいしかった。
店員が無愛想だけどまあいいか、おいしかったから。店員が無愛想でも流行ってる店って大体おいしいんだよな……労力をおいしさに割いてるから?
おそらく地元民であろうおっちゃんおばちゃんの話していることが、地元大阪と変わりがないことが印象深かった。
バスで食べる夕飯をコンビニで買って帰る!帰りのバスも一時間ぐらい送れたよ!
ちくわを買いました。ちくわ大好きなので。
14.町中の施設
観光マップに載っていないようなところだと、福知山は町並みが面白かった。
福知山は、文化財として保存されている建物以外にも、印象的な場所が多かった。
そのひとつに、町をぶらぶらしていたときに見かけた福知山シネマがある。
チケットを売っているブースもある。
レトロな外観とは裏腹に、映画の内容は最新のものだった。時間がちぐはぐで不思議に思う。
今となってはシネマコンプレックスのようは、大型の映画施設を見かけることが多い。したがってこのサイズの映画館を見たのは久しぶりだ。
子どもの頃こういう映画館に連れて行ってもらった覚えがあるけど、記憶があいまいだなあ。
時間があるなら寄っていきたかった。
15.まとめと雑感
めちゃくちゃちゃんとした観光地だったね。観光にお金かけてる。
ただその割に観光客は少ないので、もっと流行るといいんじゃないかなあとなる。
京都は「森の京都、海の京都」と称して京都市外での観光を奨励している。その背景には、京都中心部へのオーバーツーリズム(※過剰な観光客が地元に悪影響をもたらすこと)が関係しているのだろう。
オーバーツーリズムに関しては、外国人への憎悪を煽るばかりで、地元住民にとって利益のある議論がなされていない。関西においては観光業は重要な産業だ。外貨を獲得する手段でもある。
外国人観光客がそれぞれの町に分散して来てくれればある程度対応できるのだ。郊外の自治体で「インバウンドの恩恵を受けたい」と思っている場所はいくらでもある。外国人観光客をそこに回せればお互い利益が発生する。
もう少しゆっくり回れたらよかったなあ。
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