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父子二人でミラノデザインウィークへ 4 ~ヴェローナのカステルヴェッキオ博物館へ

初日の主な予定としては
・ヴェローナのカステルヴェッキオ博物館(カルロ・スカルパ設計)を見る
・サン・シーロスタジアムでサッカーの試合を見る
の2点がありました。

まず、マリペンサ空港からヴェローナまで向かうのですが、鉄道でミラノ乗り換えでの行程になります。

チケットは自販機でも買えるのですが、乗り換えがあるので何か間違えると嫌だと思いカウンターで買うことにしました。

カウンターは英語でのやり取りができて、イタリア訛りはむしろ聞きやすく、無理のない乗り換え時間でのチケット購入ができました。

少々時間があったので、となりのカフェでパンと飲み物を買って鉄道に乗り込みました。

ミラノへの車内

1時間程度でミラノに到着し、乗り換え時間の間にスーツケースを荷物預かり所に預けようとしましたがけっこう並んでいて乗り換えに間に合わなさそうだったのでそのまま持ってヴェローナへと向かうことにしました。

ヴェネチア行きの特急に乗る

ミラノからヴェローナは2時間程度で座席は対面式の指定席で向かいに別の乗客もいたので少々気を使いながらにはなりましたが動画を見てもらいながら問題なく過ごせました。

ヴェローナについてスーツケースを預けようと手荷物預かり所に行ったのですが、ここでも4人くらい並んでいて先頭の方がなにやら店員と長いこと話し込んでいます。

スタッフは数人いるものの、次の人の対応などはせずに時間だけが流れ、ようやく話し終わったと思ったら荷物が満杯でこれ以上預かれないと言い出し、まあヨーロッパだし仕方ないかと思いスーツケースを持ったままカステルヴェッキオまで向かうことにしました。

タクシーを使う手もありましたが、徒歩20分くらいで天気も良かったので、街を見ながら歩くことに。

ヴェローナの街並

ここで、すっかり忘れてましたがヨーロッパの道は石畳が多く、スーツケースでの移動が大変で予定より余分に時間がかかってしまいました。

城壁が見えてきた
カステルヴェッキオ博物館入口

なんだかんだで入国で想定以上にかかった時間と合わせて当初の予定より2時間程度遅れてようやくカステルヴェッキオに到着し、ようやくスカルパにご対面です。

カステルヴェッキオという名前は古い城という意味で、14世紀に建造された城塞を1950年代にカルロ・スカルパがリノベーションしたものになります。

設計にかなり時間をかけてじっくり取り組んだとのことで、古い部分と新しい(といっても50年以上前ですが)部分が全く違うディテールながらもとても自然に調和していて、知らない人が見たらひょっとすると14世紀からこの状態と思うかもしれないような作品となっています。

中に入って受付でチケットを買ってスーツケースの置き場があるかと聞くと、大きな箱がありここに入れておいて良いとのこと。

鍵も何も無いので少々不安になりながらも、なんとなく全体的に漂う朴訥な雰囲気もありまあ大丈夫だろうと荷物を預けて見学することにしました。

入るとすぐに何度も写真で見てきた光景が飛び込んできて、えも言えない感情が湧き上がりましたが、子供が一瞬で現実に戻してくれます。

一人で来ていたら1日過ごしても良いくらいの場所でしたが、だいぶ時間も押していることと子連れというのが相まって手短に見たいところを見ていく感じになりました。

光の入り方と黒いスタッコ、オリジナルの什器が素敵
壁の重厚感に負けない展示
スタッコと鉄のフレームの近代的なディテールが何故か馴染んでいる
什器のディテール
光がもたらす彫刻への効果
独特の色のスタッコの組み合わせ
アール開口に対する建具の寸法も斬新
展示物と空間の調和
1階の端からの見返し
鉄を織り込んだ意匠の建具
第二展示場への通路見上げ
2階の渡り廊下
左右交互の階段
嵌め殺しの窓の光を分散させる格子
壁の質感に馴染む無骨な手摺
朴訥な雰囲気の受付
ちょっとした段差も抜かり無い

1時間足らずの滞在となってしまいましたが、体に空気感を焼き付けてカステルヴェッキオをあとにしました。

ヴェローナにはもう一つ市民銀行というスカルパの作品があるのですが、この後の予定の関係でそちらは諦めてジェラートを食べてミラノへ戻ります。

街を歩いていて気づいたのですが、電柱はなく、それが通りの美しさに寄与しているのですが、電灯はどうなっているかとよく見てみると、建物と建物の間に電線を通して電灯を吊っていました。

ちょっと街並みを見るのに時間を使いすぎ、予定していた特急の時間直前に駅に着いたものの、ここでチケット購入で手間取り、さらに息子のトイレタイムが訪れ、ホームに着いたと同時に特急は出発してしまいミラノへの戻りが1時間ほど遅れてしまいました。

指定席のないローカル線で座席は満席だったのでスーツケースに息子を座らせて2時間以上の移動となりましたが、途中で地元の子供達のスポーツチームらしき集団が乗り込んできて近くにみんな座り込み、なかなか興味深い様子を観察できました。

予定時間を1時間半ほど遅れてミラノに到着し、宿へと向かいます。

次回は宿へのチェックインからサッカー観戦になります。

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