父子二人でミラノデザインウィークへ 5 民泊からサン・シーロ
さて、当初の予定から1時間押しでミラノ中央駅まで戻ってきました。
予約していた宿は中央駅から徒歩5分くらいの民泊で、いわゆる賃貸のアパート的つくりの部屋になります。
建物の前でスタッフの方と落ち合い、部屋まで案内してもらい、一通りの説明を受けて鍵をもらいました。
コミュニケーションは英語で問題なくできました。
建物は二重のオートロックで年代物のエレベーターが付いていて、部屋からはオートロックを開けられないようなので、住むには不便そうですがセキュリティ面では比較的安心です。
部屋は玄関ドアを開けるといきなりLDK空間で、その奥に水廻りを挟んで寝室と、子どもを寝かせてからも活動はしやすいレイアウトでした。
全般清潔な印象で、水の出や排水も悪くなく、生活に必要なものが一通り揃っているので快適に過ごせそうです。
玄関ドアは金属ルーバーと木製の二重構造で、ルーバーだけ閉めて風を通しながら鍵は閉まっているという状態にできます。
部屋の位置が、一旦外に出てバルコニー的外廊下を通った先の突き当たりで、部屋の前を他の人が通ることは基本的には無い位置だったので、朝は全て開けて部屋を明るくしておくこともできました。
駅が玄関前から見える距離ということもあり、電車の音はある程度聞こえましたが、寝るのに気になるというほどではなかったです。
寝室側にも窓があり、こちらは比較的大きな通りに面してましたが車の音などは気にならないレベルでした。
この後サン・シーロスタジアムでインテル対カリアリ戦の観戦なのですが、到着した時点で試合開始2時間前とあまり余裕はなく、いそいそとシャワーを浴びて着替えをして出発となりました。
スタジアムまでは地下鉄(紫で一本)で向かいましたが、試合開始ギリギリということもあり人はまばらで、近づくにつれ徐々にユニフォーム姿のサポーターは増えたものの、試合前の熱気のようなものは感じられませんでした。
サン・シーロ駅に着いたのが試合開始5分前で、急いでいましたが子どもが露店に引っかかり帽子を購入し、ゲートに着く頃にキックオフのアナウンスが聞こえました。
そこから座席を見つけるのがまた大変で、スタッフに聞いてもおおよその位置しかわからず、スタジアムの入場ゲートまで10分くらいかかってしまいました。
サン・シーロスタジアムは建て替えが決まっていて、現在のスタジアムで観戦できるのはおそらくこれが最初で最後ですし、またミラノに来る可能性もあまりないので奮発して割と良い席を予約したのですが、この席にして良かったのが入場口がピッチレベルで、いきなり目前で選手が見えたことでした。(試合開始後の入場だったせいではありますが)
また、バックスタンド側最前列が全て車椅子席になっていて、車椅子の観客がずらりと並んでいる様子には感銘を受けました。
国立競技場や埼玉スタジアムなどは車椅子席は上の方にあり、その方が全体を見やすいというのもあるのですが、ボールを蹴るのが困難な人がこれだけピッチと近い位置でも見れるというのがなんか良いなと思いました。
さて、ここから座席を探すのですが、これがまたわかりにくく、中腰で観戦中の人に聞きながらようやく見つけると席には子どもが座っていました。
隣の大人が子どもたちに問いただしてくれて、空いてたから勝手に座ってたということが発覚し、自分の席に戻るよう諭してくれて無事着席。
こちらも子連れだったので皆さんに親切にしてもらいましたが、やはりキックオフ前には着いておくべきですね。
取った席はピッチレベルから少し上がって別の出入り口の真上の最前列で、目の前には誰もいない状態でピッチ全体が見渡せてとても見やすかったので子連れにはおすすめです。
夕食はハーフタイムに売店でパニーニとスナックを買って済ませましたが、これはあまり美味しくはなかったので外で調達するほうが良さそうです。
ちなみに、スタジアム内は禁煙ではなく、ミラノの喫煙率はかなり高いようでハーフタイム中の通路はむせるほどの煙で充満しており、不慣れなせいか少々匂いで具合悪くなるレベルでした。
食事はいまいちでしたが、この試合で勝てば優勝ということでスタジアムの雰囲気も最高で、結果は引き分けだったので優勝の瞬間には立ち会えませんでしたが、ミラノに来た本来の目的を忘れてもう帰ってもいいというくらいの満足感が得られました。
試合が23時くらいに終わり帰りの地下鉄へ向かいましたが、ここでこの旅最大のハプニングが。
なんとまだ営業しているはずの地下鉄が終了していたのです。
トロリーは動いていたのですが、チケットを持っておらず、色々聞き込んだもののどうやらこの時間からチケット購入は無理っぽく、息子はさすがに疲れてもう歩きたくないと言い出し抱っこ状態で道行く人に帰り方を聞くもお互いの語学力の問題もあり解決策は見出せず、幸い治安はそれほど悪くもない雰囲気なのでタクシーを探しながら歩いて中心部を目指すことにしました。
すっかり寝入った息子を抱いたまま歩きながらひたすら会う人に声をかけ続けましたが、もうちょっと中心まで行けばタクシー見つかるかもという程度の情報しか得られず、ひたすら30分ほど歩いていると閉まりかけのバーがあり、店員に声をかけるとタクシーを呼んでくれるとのこと。
助かったと思いましたが、電話をしている顔がやや曇り気味で、しばらく話していましたがどうやらタクシーが捕まらない模様。
それでもさらにいろいろ調べてくれて、なんと地下鉄の他の路線の動いているとわかり、赤、黄色の路線と乗り継いで25時くらいにようやく宿に戻れました。
地下鉄や道はこの時間でもかなりの人がいて危険な雰囲気はありませんでしたが、街によってはやばかったと反省しました。
ちなみに何で紫だけ終わっていたのかはわからず、まあそういうこともあるみたいですので夜に子連れで出かける方はお気をつけて。
こうしてとても長い初日が終わりました。
次回はプラダ財団やドゥオモなどを周ります。