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人生を豊かにする、つい忘れがちな3つのポイント

好きなことに没頭でき、それが誰かの役に立つ。できればそれでお金を稼げる。つまり仕事として成り立つ。

毎日を有意義に過ごし、人生を豊かにするためには、その何かを見つけることだ。

多くの就職活動中の学生さんと話をしている。「就活の軸」を見つけられなくて皆さん悩んでおられる。インターンシップを多くやり、外の世界を見て答えが出てくるものとは思わない。様々な経験を糧にして、自分の内に芽生えるものだ。自分の心に問いかけることでしか見つけることはできない。

以下の3つのポイントを自分に問いかけて欲しい。

1. 世界が必要としていること、人々が欲しいと思っているものを知ること。
2. 自分が情熱をもって取り組める何か一つのことを見つけ、それについて徹底的に磨きをかける。
3. それをどのように人々の役に立てられるのかを見出し、行動し続けること。

世界が必要としていること、人々が欲しいと思っているものを知ること。

売れる商品企画にかかわりたい。売れるものを作っている有名な会社に行きたい。それはそれでかまわない。でも考えて欲しいのは、ものが売れるということは、それを買って使ってその人がハッピになるということだ。そう考えると視野が広がるのではないだろうか。

人間は人から支えられなければ生きていけない。「社会人」というのは社会のため、つまり人のために何かをする人のことだ。小さければ特定の誰かでいい。広ければ地球規模でもいい。どこの誰が何に困っているのか、何を必要としているのかという視点は絶体に欠かせない。

ある学生さんは、「私は女性がもっと自信をもって社会で活躍できるように、化粧品の仕事にかかわりたい」と言った。話をいろいろと聞いていくと「日本で女性が働きたても働けない大きな原因の一つである待機児童問題」が出てきた。私は聞いた。「あなたの解決したい問題は、女性の社会的地位向上じゃないの?」と。それで彼はぴーんときた。世界の多くの国では、女性は学校に行かなくてもいいという国もたくさんあることなども話題にあげた。彼の視野は、彼自身の「女性の地位向上」を原点に大きく広がったようだ。化粧品の会社への就職という「すでにある仕事」のチョイスから、「問題を解決するために何をすべきか」、と彼は問題の定義を変えることができた。

視野を広げるためには、身の回りを興味をもって観察すること。世界で起こっていることを知ること。そして何か行動を起こすことだ。

では次に、自分自身に目を向けてほしい。

自分が情熱をもって取り組める何か一つのことを見つけ、それについて徹底的に磨きをかける。

何か一つとは、十人十色だ。人を笑わせることが落語家や漫才師の情熱であるならば、私の情熱は、難しい技術課題を見つけ克服し、新しい商品開発につなげること、そしてその過程で後進を次世代リーダーとして育てることだ。

情報が世界中に届く現代、そこそこの能力や、他の会社にもできるような商品ではお金にならないし、人の役に立つことは難しい。何かについてずば抜けて秀でていることが必要となる。何かとは、ものすごくトリビアなものでもかまわない。「お金になるかどうか」という心配は一旦横へ置いておこう。ピコ太郎はあのヒットの数ヶ月で何億円も稼いだと言われている。

自分が情熱をかけている分野では世界一流という自負がなければならない。世界一流と思えるようになるにはどうすべきか。

自分の好きなこと、興味をもって情熱をそそげる何かを徹底的にやり続けること。一度決めたらどんな困難や反論にぶち当たっても、やり抜きやり遂げることが肝要だ。それが何か一つについてのエキスパートになる唯一無二の道のりだから。

それをどのように人々の役に立てられるのかを見出し、行動し続けること。

3点目は、需要と自分の情熱分野の二つを紐づけること。

自分の情熱分野を世界のどこかの誰かの需要とつなげることは、簡単ではないかもしれない。しかし世界が情報でつながっている現代。どこかに誰かがあなたの得意技を必要としているかもしれない。それを探し求めるのも一つの方法。自分のエキスパート分野をどう役立てるかをクリエイティブに考えることで、新しいビジネスのアイデアになるかもしれない。

例えば、世界が必要としていることは温暖化を制圧することだ。これには政治、国際関係、資本主義、貧困など様々な要素が絡み合っている。あなたが情熱をもって取り組めることが、温暖化の制圧に貢献できるか考えてみるのはいかがだろうか。

既存の会社に就職するというのは、需要と供給がすでに紐付けされた仕事に就くということだ。しかし会社だって永遠ではない。新しい科学技術やアイデアが古いものを置き換える。蒸気機関、カセットテープ、写真フィルム、20冊セットの百科事典、どれも市場からはほぼ消え去った。

前にも述べたとおり、解決したい課題と需要に対する答えが思いつかないからと言って、別の課題を探すなどしていては、いつまでたっても前へ進めない。逃げてはいけない。そして自分が情熱をもって取り組むことは徹底してやり続けること。その二つがあってはじめて、つながったときに大きなインパクトになる。どちらか一方を妥協してはダメだ。

まとめ
これら三つの柱がバランスよく常に上に伸びていくのが人生というものだと思う。自分が成長すれば、いままで見えていなかった物事が見えてくる。世界の状況も変わってくる。だから人生ずっと全く同じことを追い続ける必要性はない。自分が情熱をもって取り組めることも、成長とともに少しづつ変化してきてもよい。対象が変わっても良い。これまで積み上げてきた自分の経験の上に新たな経験を築き上げるのはむしろベストだ。この3つを徹底的にやり抜くこと。逃げないことだ。

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