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アイキャッチで読ませる(No.202)

令和5年8月12日(土)。
実家にいる時から60年以上購読して
いる朝日新聞を見て、
私に衝撃が走りました。

なんと、天地(上下方向)に文字
が逆立ちしたコーナーが出現した
のです。

一瞬、首を横に傾けましたが、
読めそうにもないので、新聞を
ひっくり返して読みました。

それは読書コーナーで
「未完の天才 南方熊楠」
(著・志村真幸)という本を
デザイナーの横尾忠則さんが
評したものでした。

見出しは
“完成の無意味さ 気づいた故に”。

これはご本人からの提案か
記者・編集者からの提案かは
わかりませんが、冒頭宣言した
ように、少なくとも60年以上
新聞と接してきて、
初めての光景です。

朝日新聞だけでなく、全新聞で
初の試みではないでしょうか。

今は新聞もパソコンで編集、組版
していくので、こんな芸当が
できますが、かつては活字を
拾っていくやり方だったので
技術的に無理だったのかも
しれません。

広告やポスター、webサイト
などで、見る人が目に留めるもの
アイキャッチと呼びますが、
今回の横尾さんの部分はまさしく
アイキャッチでした。

“おや?”と思わせて、そこから
全体を見てもらうという仕掛け
です。

デザインでも、コピーでも、
さんざんアイキャッチのことを
学んできたのに、朝日新聞の仕掛けに
「やられたー」と思いました。

なぜなら、私は新聞を逆さまに
してまで全文を読んでしまった
からです。

企画者の思うつぼです。

さて、プレゼンに話を移しましょう。

あなたがプレゼンで見せているもの
にアイキャッチはあるでしょうか。

全文逆さま組版は紙の資料で
なければひっくり返して読むこと
はできません。

では、
・PowerPointのスライドは?
・オンラインセミナーで見せる共有画面は?

モニターをひっくり返して見て
もらうことは無理ですが、
それでも、紙面・画面の中に
“おや?”というポイントを
作るのです。

・見たことがない珍しい写真
・1字だけ大きな文字列
・1字だけ色が違う文字列
・奇抜な色や形の図形  など

そこで、目を引き付けてから
全体を見て、読んでもらえる
よう誘導します。

そういえば、オンライン会議
システムなら画面を左右反転
できますね。

最初に反転にしておき
そこに
・フリップの文字が反転
・Tシャツに出ている文字が反転
の状態で見せておいて、
途中で反転を解除して
「実は…」と書いてある
文章を種明かしするという
手法もとれますよ。

そんなアイデアを考えていたら
わくわくが止まりません。

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