Smile スマイル(2022)
久しぶりに当たりの映画。しっかり怖い。観ている間は思わず息を潜めてしまう。死が伝染していくというユニークな設定ながら、テンポが良くストーリーが面白いから引き込まれる。主演のソシー・ベーコンの演技も好きだし、ジャンプスケアの使い方がいちいち上手い。
<感想>
※以下ネタバレを含みます※
記事を書くために3回目くらいの鑑賞。R18とは知らなかったが改めて見返してみたら確かに結構グロい。映画序盤の口切り裂きシーンからなかなか飛ばしてくる。主人公ローズの職業が精神科医という設定がまた巧みで、始めの方は患者の言動が精神疾患の症状なのかそうじゃないのか分かりにくい。
患者が自殺する場面を目撃したローズの周りで少しずつ怪奇現象が起こる。「来るぞ来るぞ」という緊張感と突然訪れるジャンプスケアのバランスが絶妙で、視聴者は休まる暇がない。ローズが少しずつ蝕まれていく様子が生々しく、主張すればするほど周囲の人間が離れていってしまう感じがリアルだ。姉がいくらなんでも嫌な奴すぎるのだが、婚約者はまぁ…彼女の母親も自殺していて彼女も変なこと言い出したら逃げる人もいるかぁ(それを肯定している訳じゃない)。ま、その程度の男って思うしかない。聖人元カレの活躍っぷりが凄まじく、ローズのことを信じてくれるただ一人の貴重な存在だ。
ちょいちょい挟まるショッキングなシーンはインパクト大だ。
甥へのサプライズプレゼントは私の観てきた映画史上でも屈指の衝撃シーンだ。エスターが白い薔薇を摘み取ってプレゼントした時の衝撃とちょっと似てる(あっちはわざとだけど)。一瞬映るハンマーで自殺した教授の顔や、追いかけてくるセラピストおばさんなどなど。映画が進むにつれて恐怖の瞬間最大風速が更新され続ける感じだ。
聖人元カレとともに事態の解明は進んでいく。自殺を目撃した人に「何か」が感染し、発狂してまた自殺をしてしまう。これを食い止めるには誰にも見られずに死ねばいい、という「ローズは助からないけどナイスアイディアじゃね?」と思える作戦を実行。そこからの畳みかけも怒涛で、ヌメヌメした化け物がお口からINしてくる映像は強烈だ。人が良いが故にに助けに来てしまった元カレは最悪の結末を迎える。お前さん来世では幸せになれよ…。途中まで助かるのかと思わせといて、ちゃんとバッドエンドなところも良作ホラーと言えるだろう。
怖すぎる宣伝方法でも話題になったこちらの作品。
ちゃんと怖いホラーを探している方にはうってつけだ。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。