オーメン ザ・ファースト(2024) 前日譚としては優等生な作品。
映画館に観にいこうと思ってたけど賛否が分かれてたのでやめた作品。Amazonプライムで有料レンタルして鑑賞。映画好きからの評判は良いみたい。守鍬刈雄さんは大絶賛していた。
言わずと知れた傑作である一作目のオーメンの前日譚と思って鑑賞すれば期待にしっかり応えてくれている。しかし作品単体でみた場合は、キリスト教色の強さと前半のテンポの悪さが少し気になった。まぁよく比較されているエクソシストの続編よりは全然良いと思うけど。
〈あらすじ〉
〈感想〉
※以下ネタバレを含みます※
シスターであるマーガレットが教会の中で孤軍奮闘。この前死霊館のシスターを観たばかりだからかずっと既視感がすごかった。シスターが首を吊るシーンも似ている。
確実に私の心臓を止めようとしてきた死霊館のシスターと違い、オーメンの方はジャンプスケアは控えめでねっとりとしたいやーな怖さ。
よく見たらあらすじに書いてあったから先に言ってしまうと、教会は人々の信仰心が薄れていることに危機感を抱き、あえて獣と女性を交えさせることで悪魔(というか化け物?)を作り出そうとしている。悪の脅威を見せつけて教会の存在意義を知らしめようとしているのだ。
主人公マーガレットは敬虔で清楚なシスターという印象。派手なシスターに誘われてディスコに行くシーンは正直何だこれ?と思っていた。不釣り合いな感じがすごく何のためにこのシーンを挿入したのかと思っていたが、実は非常に重要なシーンだった。マーガレットはここで初めての飲酒、そのままワンナイト。これが地獄の始まりだった。
そう。悪魔の子ダミアンをお腹に宿し出産するのはマーガレットなのだが、かませ犬として怪しいシスターや不気味な少女カルリータが出てくる。私は普通にそっちが黒幕だと思いながら観ていたけど、レビューでは「始めの方でマーガレットだと分かってシラけた」みたいな意見が多くて自分のアホさ加減を再認識。映画を楽しめたからいいとしよう。
マーガレットを演じた美しいネル・タイガー・フリーの演技力にかなり依存しているような印象も受ける。初めこそ清楚な印象だったが受胎時のセクシーマーガレットや出産直前に起こる痙攣発作など、物語の後半にかけての変貌ぶりは凄まじい。彼女が横になるときは必ずその長い黒髪が放射線状に広がっているのもさりげない演出でよかった。
6月6日6時に生まれた彼女の子供は双子。ヌメヌメした袋のようなものに包まれており、男児と女児の双子だった。男児を待ち望んでいた教会側は歓喜して、ここから一作目へと繋がっていく。死産した我が子の代わりに男児を引き取ったとある夫婦。赤ちゃんはダミアンと名付けられ周囲の人間に次々と危害を加えていく。全ては教会側の思惑通りだったのだ。娘の方はマーガレットと実はマーガレットの妹だったカロリーナで育てていたが、ブロナン神父から命を狙われると警告を受ける。この娘ちゃんも666の刻印を持っているはずであり、続編に絡んできそうな要素である。
一作目オーメンの肝である「不気味な子供」という設定の方がキャッチーであることは否めない。でもまぁこちらは前日譚という位置付けなのでその役目は十分果たしていると思うし、シリーズファンには満足できる一本に仕上がっているのではないか。どうしてダミアンが生まれたのかという人類共通の疑問に答えが出たことは意味がある。グロさもほどほどで観やすいかなと思う。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。