悩んで伝えて自分だけの「良いな」を。取材型インターンひきだしについて。
徐々に「就活」の2文字が近づいています、インターン生のあおちゃんです。
学生なら誰しも「働くこと」や「就活」について考える時がきます。
キャリアデザインやワークスタイルが見直される今、就職してからもこれらに問いを立て続ける方も多いと思います。
ですが就活地獄やブラック企業、過労死、鬱、ハラスメントなど、現代日本では働くことにどうしてもネガティブなイメージが付きがちです。
果たして本当に、ネガティブなことばかりなのか?
企業を見るうえで重視するべき点は、規模や認知度なのか?
働くことへの価値観が周りと違っても良いのか?
それぞれが抱く「働く」に対する問いに、短期間でじっくり向き合う。
そんなオンライン取材型インターン”ひきだし”に参加し、
「あぁ、このインターン良いなぁ」と思えた点についてお話します。
ひきだしって何だ?
ひきだしとは、えぽっくが主催する企業取材型インターンのことです。学生が約2週間かけて6社の中小企業の社長や社員にインタビューし、「働く」に触れ、1つの冊子を作ります。3年目となった2020年は、オンラインで実施しました。(詳細はこちらから↓↓)
他のインターンシップと違う点は、
・短期間でさまざまな茨城の中小企業について知れる
・(特に今年は)オンラインで地方と繋がれる
・振り返りの時間を通して「働く」や「就活」を問い直すことができる
ことにあります。
「とにかく振り返ります。ここがミソです!
取材を通して、感じたことを全員で振り返る。
それを企業さんに自分の言葉で伝える。
自分だけでは振り返れなかったことに、参加メンバーの言葉で気づくこともできます。」
(参加した学生より)
「こういう将来の決め方もアリなんだ」と思える
「自分らしい価値観が大事で、働くことに対しての価値観は、人それぞれで良いんだと気付かされた。」
「私は全く知らない業種に話を聞くことが多く、このような機会がなければ知らない、会わないで終わった人たちとインタビューを通して、自分の中で新たな発見を楽しめたなと思います。」
(参加した学生より)
インターン中に取材させていただく社長・社員さんは合計24人。
そのため、参加すると仕事選びの視点がどっと増えます。また、訪問先は自分で選べないので、自分の興味や適性がないと思っていた企業さんも見れます。
この「思いがけなさ」が、新たな発見と沢山の気づきを与えてくれます。
私の印象に残っているのは、タイから日本の大学に留学して経済学を専攻し、現在は精密機器を開発する会社で働かれている女性。
彼女は
「何にでも挑戦してみてください。大学で学んだことを無理に将来につなげる必要はないと思います。」
と激励してくれました。
部品や機械についての知識が全くない中で、社長に誘われて入社し、マニュアルを解説してもらいながらコツコツと知識を深めた彼女。
現在は英語力を生かし、海外を相手に国際営業の仕事をしています。
将来を考えると、つい「自分が今持ち合わせているものを活かそう」という考えに縛られることがあります。
「全く異なる分野に飛び込む」勇気そのものを持てないこともあります。
ですが、彼女はむしろ「挑戦」を求め、自分の専門分野でなくても仕事にする道を選んでいました。
趣味が転じて仕事になった方
「好きだから」と思えるものを仕事にした方
あえて好きなことと仕事を分けた方
憧れていた仕事に挑戦したものの、自分に合った職業に転職した方…。
いろんな方がいて、その度に
「あ、こういう将来の決め方もアリなんだ」
と気付かされました。
働くことに対する価値観は何百通りもあるはずなのに、いつの間にか自ら狭めていたのかもしれません。
「働く」に対する価値観の変化以外に得られるものもある
「このインターンに集まる学生は本当に面白い!ぜひ化学反応を楽しみにしてインターンに臨んでください!!」
「メンバーとの仲も深まったし、それでいて深い話もできて、ちょうどいい関係だなぁと感じた。」
「とにかく楽しかった!そしてこのインターンに関わってくれたすべての人が好きでした!」
(参加した学生より)
メンバーたちとは初対面で1週間しか一緒に活動していないにもかかわらず、気づいたら悩みや考えをスッと言える関係になっていました。不思議なことです。
思い返せば、事前研修で
「就活そのものに漠然とした不安がある。でも何が不安なのかわからない。」
「わかる!」
「就活と聞くと、スーツ、ES、戦い…みたいな言葉が浮かぶ」
「わかる!!」
と、共感しまくり。
事後研修でも、1人が
「やりがいについて尋ねると”感謝されること”って返ってくるけれど、そこを目的に働いているわけじゃないですよね…。やりがいって、何なんですかね?」
という問いを立てたら、すぐに皆んなでじっくり考え、丁寧に自分の意見を伝えていました。
メンバーのすごいところは他の人の考えを聞いて、共感し、自分の意見も伝えながら一緒に考えていけるところです。
「とにかく、1人じゃない!戦わない!無理せず自然体でいることが尊重されまくっている環境で、ノビノビできます。自分と向き合う機会にもなります!」
だからこそ、短期間でも安心して自分の思いも悩みも伝えられる関係になれたのでしょう。ひきだしのもつ「働くに向き合う」以外の価値に気づくことができたメンバーは多かったように思います。
△インターン後、同じ県の仲間でご飯に
編集長として得た気づき
これは私個人の話になりますが、実は編集長としてメンバーをまとめる役割を担っていました。
そのため「オンライン上でチームワークを高めるにはどうしたら良いか?」と試行錯誤し、実際に進めながら良かったものをさらに応用していき…
最終的にはオンラインツールを用いたコミュニケーションの取り方がメキメキと上達しました。
例えば、チャットは
言語化できていない考えを整理し伝えたり、
他の人の意見に自分の意見を集約させることを防いだり、
取材中はインタビュイーへの質問を可視化することに役立ちます。
ビデオのオンオフは取材中と休憩中のメリハリをつけるために。
レコーディングの機能は取材の様子をみんなで見て褒め合うために。
LINEのアルバムは、それぞれのメモの写真を見て、工夫点を学ぶために。
それらは現在、サークルの後輩とオンライン上で関係を築く際や、オンラインイベントで参加者とコミュニケーションを取る際に役立っています。
ただし、オンラインでもオフラインでも、チームワークを高めるために必要なことは同じでした。
それぞれの考えを尊重する仕組みをつくることと、
メンバーの長所をみんなで言葉にして伝えること。
そして、みんなが楽しめる工夫を常に忘れないこと。
これらに気づけた経験は、私にとって本当に大きな糧になりました。
「ふりだしにもどる」だって良い
色々書きましたが、ひきだしに参加して「あ、これ良いなぁ」と思ったポイントも、ひとそれぞれです。
でも絶対に「良いな」ポイントが見つかります。
なぜならひきだしは、たくさん、たくさん自分の気持ちを振り返り、大切にするインターンだからです。
事後研修では「結局自分が何をしたいのかわからなくなった」という学生がいました。
新しい考えが加わったことで、正解がわからなくなったのだと思います。
これはきっと、新しい考え方が生まれる、脱皮の段階にいるということ。
その学生にとっては、ふりだしに戻れたことが「良い」と思える部分だったのかもしれません。
短くて長い学生生活。
就活も恋も勉強も、何でも。
振り返り、悩み、考え、伝え、もがくことで、あなただけの「良いなぁ」に気づける部分が沢山あるはずです。
△完成した冊子は県内の大学などに設置する予定です。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?